第16話
ルナとルードが寮を出て、騎士団の訓練場まで足を運ぶ。門をくぐると何箇所も建物があった。奥に行くと、体育館を思わせる建物があり、表札に13番隊訓練場と書いてあった。
ルナ「ここが13番隊専用の訓練場よ。」
ルード「へぇ〜。結構でかいなぁ。」関心した感で言う。
ルナ「ええ。新設したばかりで綺麗よ。」自慢げに言う。
ルナが扉を開けて中に入る。通路が抜けて奥に行くと、闘技場の用意なっていた。中に入ると、走っている者や木剣を振っている者様々で約30名いた。
ルナ「ここが訓練しているわ。えーと。ちょっと待ってね。・・13番隊集合!」ルナが皆んなを呼ぶ。
ルナ「整列!・・起立!敬礼!・・よしっ!休め!皆の者に紹介する!ここに来られた方は、13番隊特別補佐官のルード・バンガード殿である。私の補佐官であり、皆の上官に「ちょっと待ってください。」・・まだ喋っている最中ですが?ホルン副団長?」ルナが喋っていると、眼鏡を掛けた高身長の美人が喋る。
ホルン副団長「団長話しを止めて申し訳ありません。ですが、私共は、その男を認めません!」真剣表情で言う。
ルナ「これは、司令官の辞令で決まったことだ。」ルナが眉間にしわがよる。少しむかついているのだろう。
ホルン副団長「ですが、この男の経歴は、先代国王を殺害しています。私共は、この罪人と・・[別にいいぜ。]」ルードが口をはさむ。
ルード「オメェらと馴れ合う気は、ない。オメェらみたいな雑魚と一緒に居てもメリットがない!ただ目障りだけだ。足でまといな連中は、いらん。俺は、1人でトレーニングをして、賞金首を狩る!」悪さな顔をしていう。
ルナ「ちょっと、ルード・・!」
ホルン副団長「きっきさま〜!我らが雑魚だと!」他の騎士団もざわざわしだす。
ルナ「ちょっと待って、双方ちょっと控えて!」
ホルン副団長「ですが、こ奴が!」
ルード「じゃ〜その辺で勝手にトレーニングするぜ?」ルナに向かって、言うと車椅子を引いてすみの方に行き、用意していた杖のようなものを取り出し歩行訓練をする。
ルナ「ちょっと・・勝手なんだから〜!」頭に手を置き、困った顔をする。
ルナ「えーと!皆の者は、それぞれの訓練に取り掛かって!」ルナの号令でそれぞれの訓練に入る。
ルナ「えーと!そろそろ昼ね。整列・・各自休憩!」ルード以外整列して、解散する。ルナがルードの所にくる。
ルナ「お昼よ。寮の食堂から弁当をもらっているから、ここで食べましょ!」
ルード「ああ!」
その場で弁当をひろげ食べ始める。
ルナ「モグモグ・・ゴクリ。あの〜もうちょっと皆んなに歩みよってくれるかしら!」
ルード「はあ?無理だ!あいつらが俺に頭下げるんだったら〜まだ指導してやらんことないぞ。」
ルナ「もっう!ホルン副団長に言っておくけど、ルードもお願いね。」
ルードは、知らん顔して、もくもくと食べる。
昼過ぎ、団員達が戻ってきて訓練を開始する。
ルードも筋トレをする。
ルードは、筋トレをしながら、団員達を見る。(あのレベルじゃな〜。全然ダメだ。)品定めする。
そんな中、1人の女団員に目がいく。一番若そうでいかにも入団したてという感じだ。1人で角の方で素振りをしていた。振りが遅く、形がなっていなかった。ルードは、見るに見かねて声をかける。
ルード「おい!そこの女!」
女は、キョロキョロする。自分と思っていなかったのだろう。だが、周りに人がいなかったので、人差し指を自分に向けて確認する。
女「わっ私ですか?」
ルード「そうだ!それ以外誰いる?お前は、バカか?」
女「なっ何ですか?」ちょっとムッとする。
ルード「お前もう一度振ってみろ!」
女は、癪に思ったが、ルードの前で降る。
ルード「全然ダメだ!振りが遅い!力が入り過ぎだ!力を入れればいいもんでもない。あと真っ直ぐ振り抜け!ブレているぞ!足が内股になっているぞ!腰が入ってない!・・・」
女「ちょっと一変に言われても〜・・・」ちょっと困った顔をする。
ルード「ああ〜。クソっ!ちょっと木剣をかせっ!」ルードは、車椅子で女に近づき木剣を取り上げる。
女「もっう!何なんですか〜!」ちょっとうざったい顔をする。
ルード「おい女!良くみろ!」ルードは、上半身を脱ぐ。ガリガリとまでいかないが筋肉があんまりなかった。
女「ちょっと!何で脱ぐですか!変態ですか?」顔を手で隠すが隙間から覗く。
ルード「うるせぇ!喚くな!見ろ。俺の今の状態は、お前より筋肉がない!だが・・」ルードは、木剣を振り抜く。ブンと風を切る音がする。
女「うっ!凄い。」
ルード「今の状態でも、これくらい振れる。さあ俺が言ったことを頭に叩き込んでもう一度振ってみろ!」木剣を女に返す。
女「はぃ!わっ分かりました。」女は、木剣を握り、ルードに言われたことをブツブツ言いながら、振る。
ルード「違う!さっきよりマシになったがまだまだだ!軌道がブレブレだ!呼吸が大切だ!吸うときに振り上げて、吐く時に振り抜け!」
女「はい!」だんだん熱が入り、素直に返事をして、真剣に取り組み始める。
振るごとに檄が飛び、修正していく。
気付いたら、女が汗をかいていた。
ルード「後、千本振れ!」
女「ええ!あと、千⁉︎」
ルード「何だ!その程度も振れんのか?腰抜けだな〜」車椅子で自分の持ち場である歩行訓練場に戻る。
女「ぐっ!やってるやるわ!」女は、またルードに指摘された箇所をブツブツ言いながら、黙々振るのだった。
ルードは、筋トレや歩行訓練をしながら女を見て、薄く笑った。
ルード「意外と根性あるじゃないか!」