6話 答え
一頻り狩りを楽しみ、魔物を10頭程狩った。
基本的にはこの世界で魔物肉の需要は高い。
何故なら旨いし、勝手に増える。
つまり畜産業を潰すような代物だからだ。
おまけに魔物害があるので畜産業はリスクもある為、中々畜産業で稼ぐのは難しい。
畜産業をやっているのは貴族の御抱え業者や一部の大手商会何かがメインみたい。
まあ、お金がかかってる分、やっぱり美味しいみたいだけど、めっちゃくちゃ高いらしい。
まあ、田舎住みの私は見たことも、食べたこともないからね
フェテシアお母さんに付いて王都行けば、食べる機会もあるのかな?とは思うけど………。
という訳で畜産業は全然一般的ではないんだ。
だけど、当然魔物は殺されそうになれば反撃してくるから一般人がポンポン狩れる訳ではない。
需要にたいして常に供給は追い付いてない状況なの。
それ故、売ればすぐに値は付く。
多少多く狩ったところで困ることはないのだ。
今はこの中でも一番美味しい肉であるグレートレックスのお肉を三人で食べている。
やっぱり食材から調理まで全て自分でやった料理は最高に美味しいとフェルは一人今日の出来事を思い出していた。
「なぁフェルどうするつもりだ?」
キュルェお父さんから声を掛けられる。
なにがとは言われないが、その表情から察するにフェテシアお母さんに着いて王都に行くつもりか?と聞いているんだろうと考えた。
「私にとってフェテシアお母さんは、勿論家族だし一緒に居たい。でもキュルェお父さんもライシュお父さんも家族だから………一緒に居たい。」
「そ、そうか。…………そう言ってくれて嬉しいよ。」
キュルェお父さんは照れてる。
そんなキュルェの様子に見かねたライシュが話を繋げる。
「それじゃフェルは王都とここどっちが好きだ?」
王都とここ………。
この村では仲良しの家族がいて、皆で楽しく過ごせる家がある。
王都はどうだろう?
もしかしたら王都で人生唯一無二の親友に会えるかもしれないし、イジメに合うかもしれない。
フェルは一人思考を巡らす。
結果………結論は分からないだった。
「王都には行ったことが無いから分からない。だから選べない。」
「そういうことね。…………なら行ってきた方がいいよ。分からないなら見て調べてきたらいい。それでこの村の方が良ければ帰ってくればいい。………知らない、分からないで終わらせてたら本当に楽しいことを知れないよ?」
う……ん………。
確かにそうだ………。
…………行って見て…私に合わなければ帰ってこよう。
何も分からないうちに捨てちゃうのは勿体な過ぎるよね
「ありがとうライシュお父さん。」
「ぐっ!………あ、あぁ。いつでも待ってるからな。辛ければいつでも戻って来てくれよ?何なら次の日でも良いから。一週間に一度里帰りをしてくれ。」
「それは………無理だと思うよ。」
わざわざ私の後押しをする為に今日の狩りを企画してくれたのかな?
ありがとう。
狩りを終え家に帰ったフェル。
フェルは夜の食事を終えるとレレーシュに呼ばれ、お家の二階にあるテラスに向かう。
「フェルよ。決まったか?」
何がとは言われなかった。
でもなんというか………さっきもあった展開だからシリアスな空気なのに笑ってしまいそうで…………。
「うん。フェデリアお母さんに着いて王都に行ってくる。」
「そうか………。そうだろうな。そう簡単に決心は付かん………………はぁ?」
その時のレレーシュの顔は珍しくポカンとしていた。
「………お………おまえは……それで良いのか…か?」
「良いのかって!………レレーシュお父さんも私の後押してくれるつもりだったんでしょ!?もうライシュお父さんとキュルェお父さんに後押ししてもらったよ?」
「奴等か………まあ、分かってるなら良い。せいぜい気を付けることだ。中央の連中の暮らしはこことはまるで違うからな。俺からはそれだけだ。」
「心配ありがとうレレーシュお父さん。………………いつもありがとう。」
そう言いながらフェルはテラスから去っていく。
そんなフェルに背を向けテラスから顔を出し呟く。
「……………くっ………。フェルの奴め。」
「【くっ……。フェルの奴め。】じゃないぞ………。…………レレ~シュ~。お前、フェルがアリアのせいで特別目敏い娘になってるから助かってるが、普通もっと感情を見せてアドバイスしてやらねぇと理解してもらえねぇぞ?」
後ろから現れたキュルェが肩を叩きながら諭すように言う。
それに対してレレーシュは呆れたように言葉を返す。
「キュルェ……それこそお前がバカだな。俺らとフェルの関係こそ普通ではないのだ。普通のアドバイスでなかろうと問題ない。」
「そんな事を言いつつ、ただ恥ずかしいだけなくせに。」
三人はそんな風に語らい合う。
「にしてもフェル…………それにフェテシアもいなくなるのかぁ~寂しくなるな。」
「おいおいライシュ!俺はお前がフェテシアの事を苦手だと思ってたんだが、そんな事を言うなんて。」
「苦手に決まってるじゃん。ああいう委員長タイプが居られたら家でもまるで学校みたいだよ。………それでも、こんなところに押し込められてバラバラだった俺らを無理矢理にでも一つにさせてくれたのはフェテシアだからな。フェテシアはアリアも含め俺らのリーダーなんだよ。それに今では………………な。」
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