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20話 友人

案内を終えたカナンとは別れて校内に入ってきたわけだけど………。


「デカイなぁ。日本の大学の数倍の規模はありそう。」


てか、校内への入り口の人混みが凄。

どうしようかなぁ。

折角髪整えてるのにあそこに入るのは躊躇われる。


「え?」


あれ?

何か急に人混みが割れ…て…?

何か良く判らないけど、元日本人としての性質の為か、脊髄反射で周りに合わせて行動する。

すると後ろの方から男の子が4人歩いてくる。

何か………やたらキラキラした雰囲気がある人たちだなぁ。


「うわ。誰か判らないけど…あんまりか変わりたくないタイプ。」


上位貴族かな?


「あの人達を知らないなんて…………あまり見ない顔ですけど、もしかして外部編入生の方ですか?」


声が聞こえてきた方向を見るとフワッとした雰囲気の女の子がいる。

えぇ~と。貴族向けの話し方をしなくちゃいない。


「ええ、今日初めて来たのであまり知らなくて。」


「へぇ~そうなんですね。それでも知らないのはかなり珍しいと思いますけど……………まあ、どうでも良いことですよね。あっ名乗り遅れました。はじめましてカミラ・レイホンと申します。よろしくお願いします。」


良い人っぽい。

雰囲気も柔らかしい物腰も優しくて仲良くなれそうな人だ。

確かレイホンと言えば、男爵家にレイホンという名前があったような。

確か、農業と畜産業が盛んな領だったような?


「私はフェル・ミフェルと言います。よろしくお願いします。それで早速で悪いんですがあの人達は?」


「…ホントに全く知らないんですね。」


かなりあきれられてるっぽい。

仕方ないじゃない。こっちはつい先月までただの農家だった田舎娘だよ?


「なんと驚いてくださいよぉー。一番左にいるのは現レルモンド王国宰相の息子である侯爵家ヤルハ・アベル様、ついでその左が現レルモンド王国近衛騎士団長の息子である公爵家のシュツル・ファンケル様、そして一人跳ばして一番左にいるのが王国宮廷魔法師長のご子息ウルム・サリファン様。」


うぉー………凄い面子だなぁ。

えぇ~と、確かアベル侯爵家は歴代レルモンド王国宰相を務めてきた政治のトップ、何かの不祥事なのか十数年前に公爵家から侯爵家に落とされて二代前の宰相を辞任したみたいだけど、たった一世代で再び宰相職を取り戻したって習った。

ファンケル公爵家は、レルモンド王国建国当初から続く歴史的な名家で代々武を学び王家の剣として尽くしている。貴族社会への影響力は貴族の中でトップクラスかも知れない。

サリファン侯爵家は新興貴族の中でもトップクラスの力を持っている家。領内の開発で鉱山を発見しレルモンド王国の鉄工業を担っている。当主の鉄の精錬過程に魔術を用いる新技術が高く評価され王国魔術師団長に推薦されたらしい。

どの家も国を支えるトップクラスの家だ。


「それは………なんというか凄い方々なんですね。」


「まだ最後の1人を忘れてませんか?」


そう言えば1人跳ばしてたなぁ。

その人も他の人に負けない位……てかそれ以上になにか特別な雰囲気を感じる。


「なんとあの人はこのレルモンド王国第一王子ビリン様ですよ。」


第一王子!?

あれが……。

顔はかなりのイケメンで実家は王家、そりゃ、貴族の群れも割れるというものか。

良く見てみると周りの……特に女の子達の目がヤバい。狩人の目だ。

玉の輿狙いで御手付きになりたい女の子も多いんだろうなぁ。

そんなの私は絶対に無理だけど、幸い家は結構な家格で資産も潤沢そうだし、そんなことはしなくて大丈夫。

フェテシアお母様から「フェルをミフェル家を支える道具として使うつもりは無いわ。だから家の品格を傷付けない範囲で好きにしなさい。」と言う言葉を貰ってるし、政略結婚とかも気にしなくて良さそうで助かる。


「あんな感じの人達と同世代なんですね。中々………一波乱ありそうな学院生活になりそうです。」


「あはは…。確かにね………教師陣も初等部・中等部と可哀想な位神経使って接してたよ。まぁ私は慣れたけど。………………てかフェルさんは余裕そうですね。」


「ん?何がですか?」


「入学試験ですよ。中等部から上がって来てる私達はテスト内容について確実に中等部で習ってますし、傾向も把握してますけど、外部の方はかなり合格が難しいと聞いていますよ。」


あぁ~。

それかぁ。

………こういう言い方すると自惚れてるって思われるかもしれないけど結構余裕なんじゃないかなぁ~って思ってる。

私は幼い頃からフェテシアお母様(時々レレーシュお父さんもだけど)に勉強を教わってきてた訳だけど、日本の大学に通ってた私ですら結構手こずる内容も多かった。

まあ、基本的に前世の知識の通じない地理学・政治学とかが主ではあったけど………。てか、普通の農民が政治学なんて必要ないのに、今考えてみれば何故違和感を感じなかったの私?

………まあ、てなわけで始めはこの世界の技術・知識水準が高いだけかと思ったけど、多分そうじゃなくて私の家が特別勉強に厳しかっただけだ。

実家が侯爵家だし、フェテシアお母様はメチャクチャ私に対する授業に厳しいけど、それ以上に自分に人一倍厳しいから私以上に勉強頑張ってたはず。だから多分貴族の中でもかなり頭が良かった方だと思う。

………授業も凄い分かりやすく助かったしね。

で、そんなフェテシアお母様が受験前に勉強を一切催促しない。

つまりはテストは私の学力で余裕で受かる範囲と言うことなんだと思う。


「まあ、お母様に絞られましたから……………それなりの自信があります。」


「そうなんですか!じゃあ一緒のクラスになれたら良いよね。フェルさん話しやすい雰囲気だから一緒にお話ししたいです。」


うう!

癒されるなぁ。

私はなるべく高位の貴族とかみたいな人間関係大変そうな人達とは距離を置いてこんな感じの良い娘な友達を作っていこう。

権力目当ての交遊関係なんて楽しめそうにないし。


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