表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/30

新たな家族

私はしがいない銀行員。

理系の大学を出で、進路とは一切関係なかったが銀行に就職。

特にこれと言って恋愛こそないものの、会社に酷使されつつも、極々平凡な人生を生きていた。


しかし、そんなある日わたしの人生は唐突な終焉を迎える。

飲み会で空気に逆らえず無理に呑んだ結果泥酔、フラつきながらの帰宅中、トラックに轢かれてしまったわけだ。

いや~たしかに青信号だったような気がするんだけど……。

今となっては真相は闇の中だ。


‥‥そしてそんな事故の衝撃の後‥‥‥目が覚めるとそこには、メチャクチャ美形の外国人さんがいた。






------





周りを見ようとするが首も動かない。

ヤバいなぁ。これって植物状態ってやつなのかな。と、思っていると美人で可愛い雰囲気の女性が私を両手で抱き抱える。


え!

私、ダイエット頑張ってなるべく体重を増やさないようにしてるけど、女性が簡単に持てれるほど軽くはないはず。


そして、抱えられたままベッドに下ろされる。

隣にいたのは幻想的で美しく芸術的でさえあるような女性。

儚くも気高く可憐のようで(したた)かにも見える。


「可愛い…………この娘が私達の…………。」


女性は目を潤ませながら、私を両手に抱く。

そのまま女性は疲れてしまったのか眠りに落ちてしまう。


うん。

これ。異世界転生だわ。





-----------






この世界に生まれ落ちてから14年が経ちました。

私はフェルと言う名前を付けられて、両親にも優しく育ててもらいました。

私の家はレルモンド王国と言う国の王直轄領の農家の家です。

お父さんは朝から畑仕事、お母さんは計算が得意らしく代官様のいる城で経理の手伝いをしている。

流石は異世界と言うべきか魔物と言う存在も居て、私も護衛用に剣や魔法も教えてもらっていた。

今世の親には勝てないけど、そこそこ戦えるところまでは強くなった。


フェルこと私は前世では銀行員だったし、そこそこ頭もよく特に計算に自信があった。

そんなフェルでも必死に勉強しなければ分からないほど、この世界の勉強水準は高い、数学は流石に元の世界の方がレベルが高いが歴史や地理・一般常識なんかは結構難しい。だけど、お母さんが喜んでくれるので頑張って勉強している。


ここまで聞いていれば、フェルという人間はただ前世の記憶を持っただけの変哲のない農家の娘。

しかしフェルは二度目の人生が始まってから百回近く思った疑問の感情を心の中で爆発させる。


だけど、私の生まれたこの家何かおかしい!

まず始めに10歳の妹であるテリシア。

この子は良し!育ち盛りで可愛いし、私にも懐いてくれてて良い妹。マジで可愛い。

でその次に両親なんだけど…………。

普通のお父さんとお母さん以外にお父さんが三人、お母さんが一人いる!

どう言うこと!?

一夫多妻どころか多夫多妻なの!?

そのわりには子供は私とテリシアだけだし!

一応私とテリシアが直接血の繋がった両親は教えてもらってるけど、それ以外の四人はなんなの!!


血の繋がったお父さんの名前はディル。

血の繋がったお母さんはフェテシア。

血の繋がってないお父さん一人目はレレーシュ。

血の繋がってないお父さん二人目はキュルェ。

血の繋がってないお父さん三人目はライシュ。

血の繋がってないお母さんはアリア。


これだけでもおかしいけど、もっともおかしいのもある。

確認をするように家の扉を開けて周囲を見渡す。


「フェルお嬢様どうかなさいましたか?」


「何処かにお出掛けなら、この私が同行いたしますよ!」


何か居るーーー!

まぁ、我が家の護衛をしてくれている二人なんだけど。

………普通、ただの一般農家に護衛なんて居ないよ!

どう考えても農家に護衛は釣り合い取れない!

しかも、お嬢様扱いでかなり良い扱いをされている。

私の家の収入源と言えば、フェテシア母さんの経理の仕事が8割り近い。

ディル父さんやレレーシュ父さんの畑仕事は言っちゃなんだけど、ちょっとプロとしてやるには微妙。

畑も400m2くらいで農家として、家族を支えるにしてはサイズが小さい。せいぜい本格的な家庭菜園と言うレベル。

その他には剣術の得意なキュルェ父さんと魔術の得意なライシュ父さんのやっている魔物狩りによる臨時収入があるくらいかな?

これにはたまに私も着いていく。剣を振るのも、魔法を使うのも結構気持ちいいからね。

アリアお母さんに至っては無職で、男遊びばかりだ。

いつも見たこともない男の人とデートしている。

この農村どころか近くの町の男ですら、ほぼアリア母さんのお手付きなんだろうなぁ。

まあ、どうせアリア母さんのことだから、デートだけでそれ以上のことは一切してないんだろうけど。

そして、「お土産!」と言って男から貢がれたであろう高価そうな物を私にくれる。私にどうしろと……………。


どう考えても護衛は雇えないし、雇ってまで守る程高価な物はこの家にはない。

慣れない農家をしていること、フェテシア母さんが経理の仕事してること、他にも言ってないけどおじちゃんやおばあちゃん等を見たことがないこと。

以上のことから両親六人のうちの誰かが商家の子供かなにかで、駆け落ちしてここにいる。と言うのが予想だ。

………それにしたって両親六人ってのはおかしすぎるけど。

一度それとなく遠回しに聞いてみたことがあるんだけど、フェテシアお母さんは苦笑い、アリアお母さん悔しそうな顔、他の四人は顔を真っ赤にしながら悶えていた。

結局、誤魔化されて理由は分からなかった。


まぁ、実際そんなことはどうでも良いのだ。

見栄っ張りでいつも私には良い格好を見せようとするディル父さん。

そんなディル父さんに微笑みながら、私には優しさをくれるフェテシアお母さん。

普段はあんまり私に関心のない様子を見せつつも、内心はドキドキしながら気に掛けてくれるレレーシュお父さん。

正義感が強くていっつも私に剣を教えてくれるキュルェお父さん。

チャラチャラしたところもあるけど、なんだかんだでやる時はやってくれる魔術好きなライシュ父さん。

皆に呆れられつつも何だかんだで愛されていて、そして私にも愛をくれるアリアお母さん。

そして、妹であり私のマスコットのテリシア。

血の繋がり関係なくても皆家族で、私もそんな生活が大好きなの!



昔書いた短編作品の[フェテシアお嬢様はディル様の婚約者]という作品の続編になります。

その作品での主人公はフェルの母フェテシアが主人公で読むとちょっとしたネタバレがあります。

その作品を読んでからでもこの作品はニタニタしながら楽しめると思いますし、読んでなくても楽しめるようになっています。

私のオススメとしてはこっちが40話(書いていないので予想)位たった後でならそれなりにネタバレ無しに裏話として楽しく見ることができるかも?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ