4話 開戦!無人機 対 魔導士
人間 対 機械
この世界での戦闘の一部がわかる。
ファンタジー要素は一体!?
[5]
「ロット、何かおかしくないか?」
雪は溶け、周辺を散策している黒い統一された衣装を纏った魔導士の集団。
その集団の先頭を歩いているフーゼが周辺の異様な雰囲気察し、一緒に行動をしているロットに声をかけた。
フーゼの声に反応したロットは動きを止め辺りを見渡す。続いて、周りにいるブラッドスコーピオンのメンバーも動きを止めた。
「どうゆう事だフーゼ?」
「村人が誰一人もいない。昨日まではいたはずなんだが……、」
監視役をしていたメンバーの情報から、前日までは確実に、住人が存在していたことは、襲撃した全員に情報がいっている。
だが、誰一人して住人はいない。それどころか、動物すら見つけることができない。
侵入してからすでに10分が経過している。
最初の出現時の、吹雪の除去で手間取って、しまったのが原因か?
「確かに……。もしかして、雪と一緒に溶けたとか??」
「そんなわけーー!!」
会話の途中でロットの動きが止まった。、
「どうしたロット!?」
そしてロットは空を見上げた。
それに気がついたフーゼも、空を見る。
ロットが空を見上げて、5秒ほど、経つと、甲高い音が聞こえた。
『キーーーーン』
その音は徐々に大きくなっている。
飛行機が空を、上空を飛んでいる音に近い。
「なんだあれは?」
ロットが空を飛行する物体に、指をさす。
上空を飛行する銀色に、輝く謎の物体。
少し距離があり、よく視認できないがそのシルエットは人型。
「まさか!!!?」
その姿を確認して、なにかに気が付いたフーゼ。
ーー 目的地上空に到達 ーー
頭部ユニットに設置された、8つのカメラが、地上を調査し始める。
赤外線カメラが複数の人影を認識し、パラデュル濃度測定(PRCM)カメラが、周辺のパラデュル濃度を測定。
濃度が高い地点と、赤外線カメラに写る人を
光学カメラがその周辺を捉え、対象者の画像を取得する。
ーー 画像解析、顔認証解析開始 ーー
像解析から取得した、顔を膨大なビックデータからヒットする、顔データと照合する。
データがヒットした2名を、確認する。
ーー 解析終了 ーー
対象1:フーゼ・バードス,闇ギルド《ブラッドスコーピオン》 識別ランクA
:使用する系統魔法『風』
対象2:ロット・グロークス,闇ギルド《ブラッドスコーピオン》 識別ランクA
:使用する系統魔法『地』「ロックムード」
ーー 他戦闘員照合 ーー
ーー 照合完了 E-1〜41 ナンバリング完了 ーー
ーー降下開始ーー
銀に輝く
そして、
ゴン、
ゴン、
と二回、軽くない、重たい金属が地面に落ちる音がした。
土煙がふわりの立つ。
本体は隠れていない。
「なんだなんだ、」
覗き見るロットと、防御の態勢をとるフーゼ。
腕を伸ばし魔法発動の準備に入る、魔導士たち。
ウィーーン
膝や腕など折り曲げた、着地態勢から、立ち上がり、モーター音がかすかに聞こえる。
距離は20mほど、の距離に2体。
目の前に見える物体は、金属で造られているが、金属特有の光沢はなく、光を全く反射しないカラーリングは灰色。
下半身にから見るに、足はボルトやネジが所々見えるが、ブーツのような足。継ぎ目などは殆ど見当たらず、腰には、二丁の自動小銃が装備されいる。
腕部には、手の甲周辺から、肘の手前までの大きな格納式のミサイル発射装置、腕の側面には銃の発射口らしきものが見える。
胴体は若干反台形に近い形で直線的。胸部には丸く、青白く発光するコア《パラトーン》が埋め込まれている。
頭部は長方系の箱型、正面に小さい長方系の窓があり、青白発光している。
ウィーン、
ウィーン、
2たいのMRBが辺りを見渡す。
ーー敵勢勢力を確認、排除を開始しますーー
MRB - TpB 11 とTpB 12が同時に動き出す。
2機が両腰の自動小銃を手に装備し、敵の魔導士に向けて発砲する。
ババババババーーー
MRBは敵魔導士集団のど真ん中に降り立ったので、腕を左右に動かしながら的確に撃っていく。
ババババババーーー
カランッ
カランッ
カランッ
銃声と薬莢の落ちる音が、静かだった村に鳴り響く。
次々と銃口から放たれる、赤く光る銃弾。
敵魔導士は、魔法で防御壁を展開して銃撃を防ごうと試みる。
だが、銃弾の威力が予想以上に高く、防御壁を貫通する。
銃声が鳴り止む。
あたりには薬莢が散乱している。
敵の魔導士は4,5人を残して他は全て地面に倒れている。
血を流し倒れている者や、少し吹っ飛ばされて遠くで、気絶している者。
防御魔法を展開している中に、不自然な大きな岩と、一部かなりの強風が吹いてる場所があった。
それは、ロットの岩の壁と、フーゼの風の壁だ。
大きな岩は銃弾によって、削られ、穴が開きかけている。
「危ねーな、ギリギリ耐えたぜ。てか、ほとんど削られてるぜ」
ロットは「マジかよぉ」と、ぼっそと呟いた。
落ち着いてロットが、横のフーゼに目をやると、フーゼが震えて何か言っている姿を見た。
ロットは初めて見る、フーゼのその姿に困惑を示す。
「な、ななぜあれが、こっこに」
指をさしながら、フーゼが言う。
「落ち着けってフーゼ、どういうことだ?」
まだ、狼狽えている、フーゼに問うロット。
同様はしていたフーゼだが、直ぐに、立ち直りを見せる。
「あれはまだ開発段階で、実戦には出られないはず」
「だが現に今そこにーー!!」
二人の会話をよそにして、MRBが行動を開始する。
TpB-11は近接戦闘モードを起動し、拳をガードする役目も兼ねているナックルを装着する。そしてそのまま、フーゼに向け、背面のブースターを点火させ、右手の拳を上げ殴り掛かかる。
20mの距離に居るので、直ぐに距離を詰められるフーゼ。まだ動揺が残って居るのか、硬直して体言う事を聞かなようだ。
動けないフーゼを見たロットが、その体格からは想像できない、ほどの速さでフーゼの前に出てくるロット。そのまま左腕を伸ばし手のひらで受け止める。
そして右手でTpB-11の顔面を狙って殴り掛かる。
それをMRBは左で腕の手で受け止る。
その行動を見た、TpB-12が左腕を90度にあげ格納庫を開け、ミサイルを2発発射する。
バシューーー、
ミサイルば発車されたと同時に、TpB-11は背面と、足のブースターを一気に点火し飛び上がる。
ロットは、ミサイルを確認して、岩の壁を作ろうとするが間に合わず、ミサイルが着弾する。
ドーーーン!!!!
爆発音が轟く。
だが、間一髪でフーゼが防御魔法を展開していた。
「なんだんだあいつらは?」
やっといつも通りの冷静さに戻った、フーゼが答える。
「あれは、現在、科学側が研究開発している、対魔導士用の兵器だ。無人と有人があるがあれは無人兵器だ」
「無人兵器って、ありゃどう見ても鉄の鎧を着た人間だろ!!」
「あぁ、たしかにな。でもまだ開発段階でまだ戦闘できるはずでは……、実際戦闘できれっ!」
また、ミサイルが飛んでくる。
ロットが岩の盾を作り攻撃をしのぐ。
「弱点はないのか!!」
ドーーン!!!
ロットが叫ぶ。
ミサイルが岩に着弾して、岩の破片が飛び散る。
「弱点は、周辺を認識するセンサーが多い頭部か、胸の光っているところだ!」
「わかった!!!」
「よせっ!!ロット!!! 俺らのような魔道士が敵う相手では!」
ロットがMRBに向けて走り出したが、足を止め、フーゼの方向に振り向く。
「どうゆうことだ!?」
「こいつらは、上級位の魔道師との戦闘を前提に開発されて!!?」
フーゼの話している最中TpB-11が、ロットに向かって、突っ込んでくる。
ロットは近づいてくるTpB-11を、確認し、受け止める体制に入る。
TpB-11はその体を横にして水平飛行でロットにぶつかる。TpB-11はそのままロットの腰に手を回し、固定する。ロットが踏ん張ろうとするが、全く歯が立たず、ずるずるとそのまま押されて、足が宙に浮く。
「こいつ!!、離せって、ごらぁ」
といいなが、ロットがTpB-11の胴体を叩く。
叩く。
さらに叩く。
右手と左手を握り、魔力を込める。
そして!!
「おらぁーーーー!!!!」
その時!!TpB-11の胴体が真っ二つに、下半身と上半身が折れた。
TpB-11はそのまま体制を崩すかと思いきや、少しふらつきながらも、背中のブースターの出力を強め上昇をする。
下半身は、エネルギー供給が途絶えたため、そのまま地面に墜落する。
『下半部損失、背面部ブースター120%で展開、上昇開始。自爆プログラム起動』
今まで、内部のみで再生されていた音声が、外部にも聞こえる音声で発せられる。
すると胸部にあるコアが、赤く点滅し始める。
その音声を聞いたロットが暴れる。
「この離せって!」
ロットの姿を見て、フーゼは魔法の発動に入る。
「ロット!!くそっ!」
ロットの援護をしたいが、ロットはTpB-11と共に、空高く上昇していて攻撃が届かない。
ロットは目の前にいるもう一機に攻撃をしかける。
「てめー、これでもくらえ!」
TpB-12に向けてフーゼが魔法を発動の準備をする。
あの機体は、対魔導師戦専用に作られている。だから、並大抵の魔法では通用しない。片腕を犠牲にする覚悟で魔法を発動しなければならい。
フーゼは五指大きく開け、右腕を後ろに伸ばし、魔力を込める。すると肘付近から風が発生しだす。
その風は密度を増して、腕が見えなくなる。
「風魔!!」
魔法を発動するときの呼称のようなもの。
「烈風千牙!!」
《烈風千牙(刃)》上級魔法 ランクS級 殺傷能力が非常に高く、圧縮された無数の風が出現するのが特徴。加減を間違うと発動者自身にも影響が出る。
フーゼは魔法の名称とともに、右腕を前に突き出す。すると圧縮されて待機状態だった風が、牙の様な形をして無数の刃が、弧を描き、TpB-12に襲いかかる。無色透明で襲いかかる無数の攻撃にTpB-12は、頭部を左右に動かし、回避策を探すが見つからず、烈風千牙の餌食となり、切り刻まれる。
胸部のコアに食い込んだ、刃が爆発を発生させ、魔力を供給しているバイパスを伝い各部に連鎖爆発を起こす。爆発と共に煙が辺りを覆う。
TpB-12が爆発をしたのを確認すると、TpB-11はロットをつかんだまま急降下する。
「うぉぉぉぉ、はなせぇぇぇぇ、」
空の音が変わった変化に気がついたフーゼが空を見上げると、ロットとTpB-11が降下しているが見えた。
「ロットーーーーー!!」
右手から血が、大量に流れているフーゼが叫ぶ。助けようと左手を伸ばし、魔法を発動しようとするが、さっきの魔法で魔力をほとんど使い果たし、魔法が発動しなし、フーゼ。
そして、
ドゴーーーーーーン!!!!!
爆発はしていない。地面に叩きつけられた衝撃で、土埃が舞う。
「クッソ、生きている奴はこの場から退却しろ!」
フーゼが叫ぶ、それを聞いて倒れてい者や、隠れていた者ら4、5人が足をひきながら撤退する。
(生きている奴は何人かいたか、やつが起動停止しているか確認せねば、)
フーゼが、よろよろと歩き出した時、土煙のなかから銃弾とミサイルが無数に飛んで来た。
「うぉぉぉ!!!!」
フーゼらしくない雄叫びが響く。全身に謎の模様が、一瞬にして入りそして、風邪を身にまとった。
♢ ♢ ♢
村の中心地点から南の方角。
草木が多く、森林の様な場所に立っている一人の男。
「ん?」
その男、上半身が裸だ。その男が顔を上げ、空を見た。
重圧な胸板、無駄なく鍛え上げられた筋肉、彼こそ強者と言えよう。ロットとはまた別のタイプ。ガタイのいい、細マッチョ。
「仲間が一人、ロットか」
重く低い声。
彼の名は、ウッデ・ドーゴー 闇ギルド《ブラッドスコーピオン》のメンバーの一人。
異名 大木のウッデ。
得意魔法 『木』系統の魔法を使う。
木を自由自在に操る魔法を得意とする。ブッラドスコーピオンの幹部でもある。
「ん? これはまた不思議な人が、いや、モノかな?」
ゴン、ゴン。
TpA-01、TpA-02がウッデの前に降り立つ。
見た目はTpB-11とほとんど変わりないが、胸部や腕部には格納庫がなくTpBより全体的にシャープなフォルムになっている。
腕部のミサイルの格納庫あった場所には、小型のミサイルが1発入るほどの大きさで、スライド式の物になっている。基本はこの形態である。
B型は重武装型となり、C型《遠距離型》、D《対空戦闘型》も存在する。防御力、攻撃力、対空戦闘能力がバランスよく取れている型である。
『敵を確認。対象をウッデ・ドーゴーに選択。これより攻撃を開始する』
TpA-01、TpA-02が背面と、脚部のブースターを起動し、左右に開けて2機が移動する。
「ほう、二手に分かれるか。まぁよい、いい機会だ」
ウッデは初めてみたにも関わらず、あまり驚く様子がない。むしろ楽しんでいるという表現があっている。
すると、ウッドは右手の人差し指と、中指だけの二本の指を立て、手のひらを上に向け、手首を少し手前に倒す。
すると、地面から、いくつも芽が生え、木へと成長し2機のMRBを襲う。
この間にわずか3秒もかかっていない。魔法発動のスピードが早いことが伺える。
地面から生える木を回避するMRB達。右側を回る01は難なく回避するが、左側の回る02は右足が木に捕まる。
TpA-02はブースターの出力を上げ脱出を試みるが、右足に絡まった木が胴体の方にまで絡まってくる。
そして、宙に浮いていた片方の足にも、絡み付きそのまま地面に叩きつけられる。
「ふん!!」
木のジャングルを抜けたTpA-01は、ウッデに殴り掛かる。
ウッデが左からくるTpA-01に気がつき、右手の五指を開け、揃える。そして左腕を胸の前にもってき上から見たら、十時に交差する様に右腕を下の位置に置き、右手の手首を手間に起こす。
「はっ!」
すると勢いよく、地面から木の盾が出現しTpA-01の攻撃をガードする。
TpA-01のパンチ力は高く、木くずが辺りに散らばる。
ウッデは手の平を下にして両腕を伸ばし、体の前でクロスさせる。
すると、ひび割れた木の盾から、木枝が伸びてきてTpA-01を掴む。
ウッデがTpA-01との戦闘に気を取られている内に、TpA-02が木から脱出した。だが、そのれもつかの間。それに気が付いウッデは、クロスした手そのままにして、右腕だけ、手の平を上にし先ほどと同様に、二本の指を立て、上に向ける。
「ほうっ!」
さっきにと違い、地面から勢いよく、先の尖った気が次々と生える。
今度は捕まらないと回避するTpA-02だが、頭部の電子回路がオバーヒートを起こしその場で停止する。
オバーヒートを冷却する装置があるがうまく動作しなかった様だ。脱出と回避演算にかなりの魔力を消費し、胸のコアの色が青から赤に変わる。
瞬間的に大量の魔力を消費したため、冷却装置に回す魔力の供給が追い付かなかったのだろう。
停止したTpA-02の機体を鋭利に尖った木が貫き、爆発四散する。
TpA-01も掴まれ、さらに、足元からも木がの蔦が生え、全身にまとわりつく。そしてさらに木で包み込まれ、姿が完全に見えなくなった。
ウッデは右手をゆっくりと握る。
ギシギシと、音を立てて、潰されるTpA-01。
木と木の間から黒い液体が流れ出る。
「なかなか面白かったな。ん?」
ウッデはまた空を見上げた。
(もう一人も逝ったか)
「なかなかの手練れがいるようだな。」
すると、ぞろぞろとフルフェイスマスクをかぶった魔導士たちが25人、また25人とやってきた。
赤く大きな、目に左右に吐出して円形のフィルター。服は黒字に赤黒色のラインと、背中にはギルドの模様が入った服をきた魔導士。
かれらは周辺の調査に出ていたようだ。
ウッデの前で一列に整列する。
「ウッデ様、こちらにも村人いませんでした。」
「そうかぁ、次の場所に向かうぞ」
「はっ」
足を揃え敬礼する。
♢ ♢ ♢
場所は変わり、村のはずれの山中。
ーー インストール完了 ーー
ーー 再起動開始 ーー
『起動を確認、バイタル、パラメーター、魔力残量問題なし。
多次元移動準備』
黒いスーツを着た男が立ち上がる。
男は周囲を一瞥してから、目を閉じた。
そして、
”ブゥオン”
と音をたてて消える。
大変お待たせしました!!
気がつけば2020年……、
頑張ります!!
魔導師に、銃を持った兵士、
人間と機械の戦闘まだまだ続きます
お楽しみに!