第6話
良い服が見つからない。
ホテルの従業員にお勧めされた洋服屋。確かにお勧め名理由は分かった。
可愛いファッション物が多いのだ。あと、大人向けの下着。
他意は無いが、セクシーな下着を数着買ったが、それ以外に特に買いたいと思える洋服は無かった。
欲しい服は、ロングコートタイプの服と、かっこいいものが良い。
残念ながらそのような服は無い。
店を出て、新しい洋服屋を探すことにした。
今出た服屋は大通りにあったが、横道に入ると少しばかり安い中古の洋服などを売っている店が建ち並んでいた。
そのうちの一軒の洋服屋に目をつける。仕立て屋(銀ネコ)
入り口は綺麗に掃除されており、なんかよさげ。
からんからんっ!という鈴の音がなりながら扉を開けると、中から茶髪の少女が出てきた。
「いらっしゃいませ!御用は何でしょうか!」
「えーっと。洋服を仕立ててもらいたいのだけど。」
「わかりました!ではこちらへどうぞ!」
少女に案内されながら店の中に入る。店の中は綺麗に片付けられており、とても快適そうだ。
案内されたテーブルに座り、どういった服が良いのか聞かれる。
「同じタイプの服を四着。ズボンと上着は黒色。中はTシャツをお願い。」
「わかりました!では身長を測りますね!」
「えぇ。お願い。」
下準備を始める茶髪少女は、とても手際が良い。
布の種類や、材質などを決めて、値段を示される。上下四着合わせて5万円ほど。
体のサイズを測りながら、少しばかり話しをした。
「お客さんは王都は初めてですか?」
「えぇ。持ち物は着てるものだけだから、そろえたかったの。」
「初めてで私の店を使ってくれてうれしいです!小さい店ですが、がんばって良い物を仕上げますね。」
身長や胸のサイズなどをある程度はかり、服を作り始める。彼女。
名前はライラというらしい。
「シズさんは王都に何をしに来たんですか?」
「騎士団の試験を受けに来たの。」
「騎士団の!」
彼女自身も、騎士団の面接に過去に王都害から来た一人であり、駄目だったらしい。
試験は大きく分けて2種類。(経理部隊)(実働部隊)の二つに分類される。
実動部隊は、王都を守る警察的組織。経理部隊はそれを支えるお金などの管理だ
ライラは駄目元で経理部隊の試験を受けて、駄目だったらしい。
根本的な、問題が普段の計算とは違ったそうだ
「シズさんは勉強しました?」
「私は実践のほうを受けるつもり。」
「えええ!?かなりの難関で、毎年死亡者もでるそうですよ!?」
知らんかった。
「一応、秘策は考えてあるから、それが通用しなかったら降参するわ。」
「えぇ。もし駄目なら、また別の物を探してくださいね。」
と、かなり心配されてしまった。
彼女は自分の夢をかなえる為に、親の反対を押し切って田舎からやっていた。他の店で働いて服の作り方などを学びつつ、三年ほど立って中古の店を買い、建てたのだそう。
「洋服屋を営むという夢はかなったけれど、常連さんも居ないので他の大手の店に自分の作った服を買ってもらって、売ってもらうのでなんとか生活してます。」
とのこと。少しばかり話しながらも、てきぱきと洋服を作るライラ。
「今日は一着作りますので、残りの3着は明日のお昼ごろまでにお作りします。」
「早いのに越した事は無いけれど、大丈夫?」
「えぇ!滅多に来ないお客さんですから!」
扶養してしまいたい。
「とりあえず、上着のほうが出来上がりました。どうぞ。」
「ありがとう。とても、良い。」
私の理想の上着、黒い皮製の上着で、フードもついている。
革製品は火に強い特徴もあるので、かなり使い勝手が良い。
「あと、追加で布のマスクを。口元を覆える物。」
「黒色です?」
「えぇ。黒色。」
「かしこまりました!」
ズボンとTシャツは既製品で良い物があった為、それをそのまま購入。
残った上着などは明日受け取る約束をし、代金を先に支払って店を出る。
「ありがとうございましたぁ!」
ライラに見送られ、店を出た。