第4話
王都の中心街に到着したときには、既に朝日が昇っていたらしい。
馬車の中で眠ってしまうとは、我ながらまだまだ緊張感が足りないらしい。
人攫いやら強姦魔がいると言われる王都内でのこの体たらく・・・。まったく、我ながらなんとも情けない。
夢に相棒が出てきたのは、頼れる人を探せという暗示なのだろうか?
残念なことに生まれてから今までまで頼れる人間など居たことが無い。
ぶんぶんと顔を振って、思考を切り替える。
今それを考えても仕方ない。
気を取り直して、王都の中心街の下ろされた場所を見渡す。
馬車の操縦者に、お勧めの値段が高くなく、目的地に近い普通の宿屋を紹介してもらった。
見た目は普通の宿屋。少なくとも表にご休憩の文字は無い。
入り口は西部劇にでてきたような扉。冬は寒くないのだろうか?
入り口に何時までもまごまごしてても仕方ないので、入り口の戸を明けて中に入る。
1階は受付と、レストランもかねているようで、何人かが食事をしているのが見えた。
良いホテルのようだ
「いらっしゃいませ。おや?」
受付に居た男性がこちらを怪訝そうな顔で見ている。
あぁ、そうか。見た目子供だし、冷やかしかなんかだとでも思われているのか。それともこの赤目の見た目か。
「こんにちは。馬車の操縦者からここのホテルが凄く良いと聞いたんだけど、一週間ほど泊めてもらえるかしら?」
「えぇ、お部屋が空いてます。料金は先払いですが、大丈夫でしょうか?」
「大丈夫よ。」
「では、当ホテルの説明をさせていただきますね。」
そういいながら差し出された部屋案内と書かれたファイル。
中には三種類の部屋案内が書かれていた。
一番安い部屋はベットのみの簡素な部屋。
二番は普通の金額で、普通程度の設備
三番目は普通の部屋にお風呂が着いている。
「一番高い部屋でお願い。」
「かしこまりました。こちらが鍵になります。」
「ありがとう。」
料金は一週間で14万ほど。朝食つき。
まぁ、安くも無いが風呂がついてるだけでもありがたい。
この世界では風呂は高級品で、普通の家に薪を燃やしてお湯を出す五右衛門風呂式だが、その設備を取れないホテルなどでは高級品の魔法石を使用しなければならない。
魔法席とは、、、まぁ、よく分からないが便利な物だ。
元の世界でもいちいちガスが出る理由なんて調べてなかったし、知る必要も無かった。
まぁ、ガスの代わりになるものだと思えば良いみたいだ。
鍵は401と書かれており、その通りで4階の一号室らしい。ちなみにエレベーターは無い。
まぁ、若くなければ即死だった
「しんどい。」
馬車の中で眠ったとはいえ、今のところ殆ど動きっぱなしだ。
馬車での移動も快適とは程遠い物だった為、少しばかり気が緩むとどっと疲れが出てくる。
まだ朝方だというのに、とても眠い。
401の部屋について、鍵を開ける。
普通に良い部屋だ。
簡素な机とイス、あとはシャワールームとトイレの部屋が二つ。
そして肝心なベットは二つ。
本来は夫婦ようなのだろうか。
「はぁ・・・。疲れた。」
人間、疲れるときは疲れるものだ。
それもまだ13歳。ぴちぴちである。
「シャワー浴びて・・・。や、無理ぽい。」
ベットに腰掛けると、ものすごく眠い。
ねーよー。