第1章 06
「まずは種族はどの位あるのかな…?って種族だけで20種類超えるなんて嘘でしょ?」
早速『種族』で検索をかけてみた水兎。その結果だけでも驚愕して声を上げる。
「ねぇ、管理AIさん?一回選択したものは途中でキャンセルできる?」
早速気になった事を質問する水兎。
「はい。可能です。種族であればキャンセル前に容姿を確認する事が可能となっています。」
軽く一礼して返答する管理AI。
「もう一つ助言致しますと、ルーツ順位によって種族の小分類が発生する事も有り得ます。」
さらに爆弾を投下してくる。
「あ~~~~っ!!それじゃ目に付いたものから適当にっ!!」
第一ルーツに『翼人』、第二ルーツに『貴族』と適当に入力したところでアナウンスが流れる。
『第一ルーツと第二ルーツが統合対象です。統合しますか?』
「えっ?統合って何?これって?」
軽くパニックに陥る水兎。管理AIに縋る様な視線を向ける。
「統合ですね。説明致します。只今入力されました『翼人』を含む異種族ルーツと『貴族』等上位階級ルーツは、統合可能な組み合わせの一つです。統合すると、上位種族ルーツへと変化致します。因みに『貴族』単体では、武器戦闘能力・汎用知識の各項目の能力上昇及び社会的地位・初期金銭の優遇といった能力です。『貴族』の説明を表示して下さい。…そうです。」
「なら、統合してみますね…。『翼人(王族の血統)』になりましたね。説明は…って何これ?」
ルーツ解説ウィンドウを表示した水兎。その内容に驚いて固まっている。
『翼人(王族の血統)』
この世界では殆ど見る事の無くなった、古代の王族の血統を引く純血の翼人。
飛行能力(A)、身体能力(B)、風魔法適正(A)、無属性魔法適正(B)
「どうされました?…成程。これは凄いですね。因みに人間(種族ルーツ無し)が属性魔法を取得した場合の初期値は(C)なので…高いですね。成長次第ですが、単独で飛竜を討伐できるようになりそうですね。この能力は。因みに飛行能力に関しても、第一ルーツ翼人でも(B)までです。」
水兎が開いたウィンドウを覗き込んだ管理AI。さらりととんでもない事を言ってしまう。
「そんなに凄いならこのままにする。統合したならルーツの枠は空いてるんですよね?」
質問する水兎。それに管理AIは頷く。それならとルーツ選択を続行する。
「これでいいかな?偶然選んでみたけど、空を飛んでみたかったんです。だから、これで決定します。」
選択ルーツ
『翼人(王族の血統)』『鷹の目』『剣』『弓』
水兎はウィンドウの『決定』ボタンを押す。そうすると管理AIが光に包まれて形を変えていく。
暫くすると水兎の目の前には、背中に大きな一対の翼を持った自分が立っていた。
次はアバター調整です。それが終われば本編ですね。