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第1章 02

じゃれつく依里を無理矢理引きずるように家路に就く水兎。勝手に自分抜きで話が進んでいた事に対してご立腹のようである。


暫くすると、視界に周りから浮いた雰囲気の、立派な日本家屋が見えてきた。表札には『二神』の文字。


そう。ここが水兎の家である。因みに小さくはあるが枯山水を備えた日本庭園が敷地内にあり、裏庭に道場が一棟建っているという一般市民には手を出せない豪邸だったりする。


「ただいま」

「おじゃまします~♪」

水兎が玄関で帰宅を告げると同時に依里が当然のように付いていく。二人は所謂幼馴染というやつである。


「お帰り水兎。それに渕上君もいらっしゃい。」

そこに現れたのは和服の男性。ただ立っているだけなのに立ち居振る舞いに全く隙がない。この男性こそが水兎の父、樹である。


「そうだ、渕上君。君の御父上からの荷物、届いているよ。水兎の部屋に置いてあるから二人で行きなさい。後で茶菓子でも届けさせようかね。」

「わぁ~~いっ♪ミナちゃん早く行こ!!」

樹からの言葉を聞いた依里は水兎の返事を聞かずに走っていった


「…お父様、後で話し合いましょうか?何で私抜きで話が進んでいるのかも含めて」

すれ違いざまに樹へと言う水兎であった。


「ふむ。なかなかいい殺気を発するようになったじゃないか。」

全く動じていないのだが。


《水兎の部屋》

「で、説明してくれるのよね?」

威圧感のある笑顔(漫画なら背景に『ゴゴゴゴゴ・・・』と書き文字で効果音が入るレベル)で依里へと迫る水兎。


「ミナちゃんこわいこわいこわいこわい話すから話すからぁ〜〜」

涙目でそう言いながらも片手でしっかりとお茶請けの煎餅を一枚掴んでいる依里。

「まず、ミナちゃんのVR使ったバイト自体が、パパの会社が開発していた『GPS』のテストの一つだったの」

そこまで言うと、依里は二神家に置いてある『マイ湯呑み』を掴む。

「んで、同時期にパパの会社で別にβテストをプレイヤーを限定募集してやっていたんたんけど...」


「やっていたんだけど?」

聞き返す水兎。


「アーツ、いわゆる技とか魔法とかをプレイヤー任せのマニュアルのみにしてたら格好だけの使い勝手最悪なアーツしか作られなくってパパとか開発の人達がうわぁーって感じで頭抱えていたのホント家でパパ泣きそうな勢いで愚痴ってたもん!」

ワンブレスで言い切った依里は手に持った湯呑みから煎茶を一口飲み、

「パパもミナちゃんのコト知っていたから『武器のアーツだけでも手伝って貰えないか?』って言われたワケ。ミナちゃんには樹小父さま仕込みの武術があったワケだし」


「そういう事は先に言いなさい。全く、昔から私を巻き込む時に説明を後にするわね。許しちゃう私も私なんだけど。色々お世話になったから怒るに怒れないし」

溜息を吐きながら依里の頭を撫でる水兎。

「それじゃ、届いた荷物は何処?どうせお父様から聞いてるでしょ?」


「確か押入れに入れてあるって聞いてるよ?」

そう言いながら、勝手に押入れを開ける依里。

「これこれ〜〜♪それじゃ開けるね?」


「荷物の中身は...ゲームのソフト、封筒二つ、それとこの箱は?」

贈答用にラッピングしてある小さな箱を見つけて依里へと訊ねる水兎。


「それはねぇ、パパからのサプライズだと思うけど開けていい?」

水兎の首肯を見た依里は、すぐにラッピングをはがし始める。

「これ、あたしが欲しかったパパの会社が作った最新型のVRギアじゃない?スゴイよこれ!!軽いしメチャクチャ速いんだよ?...なんで2つあるの?『依里へ。水兎ちゃんと二人で仲良く遊びなさい。パパより』って、あたしまでサプライズされてるじゃない?」





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