第1章 01
初投稿です。不定期更新になってしまうかと思いますが、宜しくお願い致します
催眠導入型VRシステムが社会全般に普及しつつある少しだけ遠い未来。とある地方都市の高校からこの物語は始まる。
「ねぇねぇねぇねぇミナちゃん、一緒に『GPS』やらない〜〜?」
「きゃっ、ってなによイキナリ。依里」
放課後の教室。ホームルームも終わり生徒が帰り支度を始めている時に、小柄な少女がもう一人の少女へ背後から飛びついた。
飛びつかれた少女の名前は『二神 水兎』。背中まである綺麗な黒髪を持つスレンダーな落ち着いた雰囲気の少女である。
後ろから飛びついた小柄な少女の名前は『渕上 依里』。明るい色の髪をポニーテールにしている活発な雰囲気の少女である。
「依里。私が忙しいって知ってるでしょ?家の事とかバイトとか」
依里を背中から引き剥がしながら水兎は溜息を吐き、やんわりと断ろうとするが、
「その事ならとっくの昔に話は付いてるよ♪」
尚も水兎に纏わりつきながら依里は笑顔で遮った。
「はぁ......?」
呆然となった水兎は依里に無理矢理引きずられながら教室を後にするのであった。
「で、どう言う事なのか、私に詳しく教えて欲しいんだけど?」
学校からの帰路につきながら、水兎は依里をジト目で睨み付ける。
「チョットチョット、ミナちゃんこわいこわいっ」
水兎の剣幕に涙目になる依里。それでも纏わりつくのをやめようとしない。
「巫山戯てないで説明しなさい。流石の私でも怒るわよ?」
そう言われて依里は水兎の正面へ来ると、カバンの中から一枚のパンフレットを取り出して水兎へ手渡した。
「え〜と、『Grand Plain Saga Rpg』、ね。確かに面白そうだけど...さっきも言ったけど遊ぶ暇無いわよ?」
「ミナちゃんが忙しいのって、家の剣術道場の手伝いと、VRでバイトしてるからだよねぇ?」
「そうよ?」
「そのゲーム作った会社がミナちゃんのバイト先の会社で、しかもあたしのパパの会社でね、ミナちゃんのおかげでスゴく助かった〜〜ってミナちゃんの家にソフトと謝礼金贈ったって♪」
「ちょっと待って?!あのバイト依里の紹介...って事はアナタ全部知っていたの?」
いきなりの暴露話に驚いた水兎は、目の前に居る依里を捕まえようとするが、
「うんっ♪さ、ぷ、ら、い、ず♪」
小柄な体を生かしてすり抜けながら満面の笑みでウインクする依里にそう言われ、呆然となる水兎であった。
今回は投稿テストを兼ねてますので思い切り短いです。