夏前に髪を切る
渡した価値が
どんなに
大きかろうと
渡した物の事など
考えてはいけない
手元に無い物に
いつまでも囚われては
手を伸ばす事ができない
何に対しても
本気になれなくなるから
苦痛の音は
歯ぎしりに近い
服を脱ぐように
単純にはいかない
息を止めて
最初の限界点から
更なる時間
息を止める
苦しさを越えて
落とし切る
髪の毛ハラリ
夏前に髪を切る
頭の重さが変わる
些細な違いは
昨日と明日が
それだけ違うのだと
言っている
夏前に髪を切る
頭の温度が変わる
涼しげな風は
表面を少しだけ冷まして
通り抜けるのだ
壊れた物は
どんなに
足掻こうと
壊れた価値しか
作り出せない
目の前で失った事に
いつまでも囚われては
手を伸ばす事ができない
拒否しても良いが
本当にそれで良いのか
失敗の音は
眉間の鈍痛に近い
帽子を脱ぐように
簡単にはいかない
息が上がって
最初の限界点から
更なる時間
走り続ける
苦しさを越えて
落とし切る
髪の毛ハラリ
夏前に髪を切る
頭の奥が深くなる
消えた分に
何を思おうと
全ての時間を
変える事は無い
夏前に髪を切る
頭に空白ができる
涼しげな風は
新しい物を運んで来て
埋めて行くのだ
後ろ指を指されるなら
その指を折れば良い
転ばそうとしてくるなら
一緒に転べば良い
誰かを傷つけているなら
そいつを傷つけてやれば良い
黙っていても
周りは勝手に動いている
動かずにいても
必ず出番は回ってくる
黙っていても
周りは勝手に解釈する
動かずにいても
必ず形は変わっている
面倒な物だから
切り落とせば良い
夏前に髪を切る事から
始めてみれば良い
夏前に髪を切る
頭の重さが変わる
些細な違いは
昨日と明日が
それだけ違うのだと
言っている
夏前に髪を切る
頭の温度が変わる
涼しげな風は
表面を少しだけ冷まして
通り抜けるのだ
夏前に髪を切る
頭の奥が深くなる
消えた分に
何を思おうと
全ての時間を
変える事は無い
夏前に髪を切る
頭に空白ができる
涼しげな風は
新しい物を運んで来て
埋めて行くのだ