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蒼太が何を言ったのか正直あまり気にして無かった私は、聞こえた声に返事をした
朝の爽やかな風に息を吸う
あぁ、朝から気分悪かったけど…蒼太のお陰で上昇した!
「楓先輩、おはようございます!」
「一宮先輩、おはようです!」
「楓、おはよー」
学校が近付いて来ると顔見知りの後輩やクラスメイトが声を掛けてくれる
「おはよー!」
うん、遅刻もしなかったし、今日はいい日になりそうだ
「見事に女子ばっか……」
「何がよ?」
駐輪場で蒼太を待ってると笑いながら言われた
「楓に挨拶する奴だよ、男子1人も居なかったじゃん」
「…………普通でしょ?」
女子が女子に挨拶されるのなんて普通じゃない?
それこそ男子ばっかりに挨拶される女子の方がどうかと思うけど…
「ま、俺的には良いけどな」
「……?」
「あのさ、楓」
「ん?」
「……今日、一緒に帰ってくんない?」
「……別に良いけど…何か話あるの?」
家も近いから一緒に帰る事なんて良く有るけど、改まって言われると何か有るのかと思ってしまう
「まぁ……じゃ、授業終わったら迎えに行くから!」
「ちょ……蒼太……!」
駐輪場からいつも一緒に歩いてたのに……昇降口付近で言いたい事は終ったとばかりに走ってく
追い掛ける事も出来るけど、もう友達と話してるし……
変なの…
「ま、いっか!」
「楓~!」
「おっ……琴音、おはよ……あれ?髪少し切った?」
後ろから突進して来たのは私の親友の二ノ宮琴音
高校もずっと同じクラスで部活も一緒
息が合うから何でも話してる
「……マジ?」
「え、違った?」
琴音の髪型はベリーショートですごく似合ってる
今日はいつもより少し短いと思ったけど……間違ったか。
「凄い、楓!家族は誰も気付かなかったのに………楓がモテるのはその観察力も有るわ」
「あ、やっぱり切ってた?良かった……モテるのはどうせ女子にでしょ?」
「まぁね、でも楓ってば見た目悪くないし、出る所出てるのに…哀れよね」
「ちょ……どこ見てんのよっ!」
立ち止まって私の全身を舐め回す様に見たと思ったら胸を触って来る琴音の手を払う
「良いじゃん、女の子同士なんだから」
「……それでも恥ずかしいでしょ?」
「…………」
「何よ、黙って…」
「今の姿を動画でUPすれば男子にモテる……奴さえ居なければ」




