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カルテット狂想曲  作者: 本庄梓
私の好きな人は彼女持ち
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はぁ……幸せ


この二度寝にずっと浸っていたい…


「楓~!いつまで寝てるの!起きなさいよ!」


「…………」


「楓~!!」


「うるさっ!!もう台無し…」


下からの声に勢いよく起き上がり髪をグシャグシャする


お母さんが私の睡眠邪魔してくる


声の加減とか考えないのかな!?


煩くて御近所さんにも迷惑


「………………」


今のワタシには地雷にも近い言葉を思わず発してしまいその ままベットに逆戻りしようとした時部屋のドアが勢いよく開 く


聞こえた階段の音で犯人はまるわかり。


「楓!いつまで寝てるの!朝ごはんちゃんと食べなさい!」


「起きてるじゃん……」


「そんな格好で起きてるなんてよく言えるわね~紅葉はもう 髪も完璧よ?」


出た、得意の妹との比較


朝から嫌な事言うったらありゃしない


「それに紅葉と比べて貴女は受験生なんだから……」


「はいはい、着替えるから出てってよ!」


「ちょっとその態度は…もう!早く降りてきなさいよ?」


忙しそうに降りてくスリッパの音に溜め息が出る


着替えをするから部屋から家族を追い出すのは思春期では良 くある事だけど、相手は同性。


お父さんならまだしもお母さんも私はいつも追い出す


着替え云々と言うよりどっちかと言うとお父さんより厄介だ から


「夏休みかぁ……」


パジャマのままカーテンを少し開けて近くの家の一室を見つ める


ずっとカーテンが閉まったままの部屋


今年は帰って来るかな?


全寮制の学校に入学するのも渋ってた奏だったけど、休みの 度に良く帰って来てたのに…最近は長い休みも少ししか家に 居ない…


前は帰って来たら直ぐに会いに来てくれたのに……


最近は2人でゆっくり話したり出来てない


話す時はいつも蒼太か紅葉が側に居るから


「今年は…どうなのかな…」


いつもなら蒼太に聞けるのに今回は聞けないし


それに……蒼太との事も、あのまま夏休みに入っちゃったの は良かったのかな……


「楓!何してるの!?」


「…………」


取り合えず着替えて下に降りなくちゃ…。


「お姉ちゃんってば遅い~」


「ほら、言われてる、お父さんはもう会社に行ったわよ?」


「…………」


リビングのソファに座り足を組んでる紅葉は本当にキッチリ 髪を結んでた


これから出掛けるみたいな気合の入り方だけど普段から紅葉 はこう


本当に女子力が高い


流石に化粧はしてないと思っても肌もちゃんと手入れしてる んだろう……小学生に手入れなんて必要無いのに。


「楓、ほら食べなさい」


「うん……いただきます…………買って貰ったの?」


「え?」


「……携帯」



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