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神出鬼没

「あなたズルいんじゃない?人の不幸話だけ聞いておいて、自分のことは話さないなんて。自分の弱いところは見せられないプライドだけ高い男はモテないわよ」いきなり木の陰から現れたのはババアと言いたいところだが、きれいな大人の女性だ。本格的な装備をしているところを見ると自殺志願者ではないだろう。女「女の子は男子の弱いところにギャップ萌えしたり守ってあげたいって思うものなのよ。あなた誰に対しても他人行儀で話がつまらないって言われるでしょ?」女はさらに続けてきた。耳が痛い…「ずっと聞いていたんですか」女「ずっとって?私はこの男が木に縄を掛けているときからここにいたわよ」「それまで止めなかったんですかあなたは」女「怒ってるの?あなただってこの男が死のうとしているのを止められなかったじゃない。それにあなたはこの男の不幸話を聞きたかっただけでしょ?あなたも私も最低よ」心を見透かされている。この女の前で嘘はつけないような気がして落ち着かない。「あなた一体何者なんですか?こんな樹海に女性一人でキャンプって訳じゃないでしょう?」女「キャンプよ。私今流行りのアウトドア女子なの」「ふざけないで下さい」この女が分からない。自分のことだけ見透かされている。さっきこの女はあなたも私も最低と言った。まさか…「あなた人が死ぬところを興味本意で見にきたんじゃないですか?」女「ピンポーン!正解!って言いたいところだけど残念。それはあなたでしょう?荷物の少なさから見てあなたも死ぬつもりでしょうけど、多くの人が死に場所に選ぶところを見ておきたかったんでしょ?不幸なのは自分だけじゃないって安心したかったんでしょ?あなたみたいな臆病者が集団自殺計画しなかっただけえらいわ」読心術とかそういう類いのものは信じてこなかったが、この女人の心が分かるのか?女「どうせあなた逹死ぬつもりでしょうから教えてあげるわ。私は剥ぎ取り屋よ。死体から金品を取って売るの。坊やは安心して金目のものはなさそうだから。」剥ぎ取り屋っていつの話だよ。この時代、そんなことしてるやつがいるとは。世紀末かよ…女「でもそこのおじさん。あなたはもったいないわね。お金はあるんでしょう?私なんてどうかしら?新しい愛人として?」男「すまない…忘れられないんだ彼女のことが…」女「そうね。あなたの彼女を思う気持ちは本物だわ。羨ましいくらい…少し私の話をいいかしら」

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