1 爆弾投下
初めての投稿となります。
誤字脱字、言い回しがおかしいところが多いと思いますが、
どうか寛容な心でよろしくお願いいたします。
「はぁ!?私が結婚!?」
栗色ブラウンのカラーで、毛先にふんわりと内巻きカールのついたストレートの髪を、振り乱しながら私は叫んだ。
朝6時45分。出勤の為、いつもと同じ時間に父と母と朝食を摂っていたら、爆弾が投下された。
いつもと何も変わらない朝。いつもと変わらない食事風景。
だったはずが、そこに私の大きな声が響き渡った…。
「お父さん、お母さん、突然何言ってんの?!私、結婚なんてしないわよ!」
突然の結婚話に驚きと苛立ちを露にしている私に、母は目尻を下げ、ウッキウキした、とても楽しい声を出しながら言った。
「愛梨、そんな大きな声を上げないで♡愛梨にとって絶対幸せになる結婚なんだから♡」
「そうだぞ、愛梨。それに、イケメンだぞ。愛梨だってすぐに好きになるさ。いつ会いたい?どんな相手か早く知りたいだろう~?」
…なんて、のんきな発言をする父…。
…え?イケメン!?
…イケメンって?
わ~~♪どんなひとなんだろぉ~~~♪年上かしら?
イケメンって性格良いのかしら?優しい人だといいわ~♪
って!!ダメダメ!!私、親に決められた結婚なんて絶対しないんだから!!
まだ23歳、恋だって!!…してないけど、これから素敵な恋をするんだし!!
ぶんぶんと頭を振って、『イケメン』を脳から追い出す。
「とにかく、私は結婚なんてしない!!会いたくもないわ!!」
食べかけていたご飯をそのまま…ではもったいないし、作ってくれたシェフたちにも悪い!
と言う事で、一気に口へ運び、思いっきり玄関から飛び出し、出勤した。
食卓に残った父と母は、相変わらずのんきに話していた。
「愛梨、絶対結婚しないと言ってるけど、あんないい子見たら絶対気持ちも変わるわよ、ね!あなた!」
「確かに、愛梨にはあの子以外考えられないよ。」
「私、早くかわいい孫に会いたいわ♡」
「それはちょっと気が早くないか?でもとても楽しみだ」
愛梨の父と母は、未来の話をしながら、嬉しそうに話をしていた。
******
「はぁ~~~」
いつもより早く出てしまったので、会社にも早く着いてしまった。
8時前だというのに、社内にはもうたくさんの人が出勤していて、ザワザワしていた。
みんな出社するの早いのね~とか思いつつ、私もパソコンを立ち上げ、メールチェックを終わらせ、少し早いけど業務に取り掛かった。
朝から両親からのあんな爆弾発言のおかげで、最悪の週の終わり・・・。
どうしていきなり私の結婚話になったの…ほんと憂鬱だよ。。。
何度もあの光景を思い出してため息をついてしまう。
けど、1週間の始まりの月曜日じゃなくてよかった。
「はぁ~~~~~~」
「朝霧さん、朝から溜め息やめてくれない?こっちまで気分が悪くなるんだけど。ため息ばかりつくんなら、どっか行ってくれないかしら?仕事の邪魔よ。」
隣の同期の子に冷たく注意され、ムッとして言い返してしまった。
「あら、それは失礼。私の"息づかい"が気になるなんて、あなたも仕事に集中してないんじゃないかしら?」
「なっ!あなたね、いつもいつもなんなのその言い方!これだからご令嬢とやらは嫌なのよ!ご令嬢だからって、良い気に乗るんじゃないわよ!」
バンッ!っと机を叩いて立ち上がると、ヒールをカツカツ鳴らしながら行ってしまった。
この同期とはいつもこんなカンジ。いつも怒らせてしまう。
私自身、嫌味を言ったつもりはないんだけど、そういう言い方しちゃうんだよね~
すぐムカッとして、言い返しちゃう…とため息をついた。
「愛梨~またやってるの?」
振り返ると、高校の時からの親友、浅見瑠依ちゃんがくすくす笑いながらコーヒーを持ってきた。
「おはよ、瑠依。私また怒らしたみたいだわ。」
なんでかしらね?と眉を垂らした顔をしながら言った。
それなのに瑠依は楽しそうに言う。
「愛梨は”目には目を、歯には歯を”的な感じで、嫌味を言われたら言い返すような言い方するのよ。まぁ、私もだけどね~。んでもって、社長令嬢な癖に一般社員と混じって仕事してることが、他人にまず気に入られないところよ。」
実は私、日本で有数のいわゆる大手と言われる会社の社長の娘。
その事は、社員なら誰でも知っているという周知の事実。
それ故に、媚を売ってきたり、逆に敵意むき出しにされたりと、快適社会人生活ッ★というわけでもない。
名前を偽って仕事したいと言ったんだけど、弟のくせに過保護の慧維がそれを許さなかったんだよね。
おかげでうんざりするような生活ですよ。
まぁ、それだけでなくて、私も言葉がキツイみたい。
さっきみたいな感じでムッとしたら言い返してしまうので、敵が多いのよ。
悪気はないんだけど…口が動いちゃうんだよね。
ははは・・・と自嘲していると、瑠依が心配そうに問いかけてきた。
「で?愛梨。朝からどうしたのさ?昨日と打って変わって今日はため息ばっかりじゃん。」
「それがね、ご飯食べてる時にお父さんとお母さんから爆弾落とされたのよ」
「爆弾?」
「・・・・・・・・・」
「黙ってちゃわかんないんだけど?言えないこと?」
「言えないわけじゃないんだけど…ここじゃ言えないわ」
うん、そう、ここでは言えない。周りの同僚が私たちの話を耳を立てて聞いている。
社長令嬢の話は格好のネタになるから、聞き逃さまいとしてる人も多い。
「23にもなってイタズラでもして怒られた?」
「そんなことするわけないじゃんッ!!」
憂鬱な気分の私を少しだけ元気づける様にいじわるを言って、良いことを思いついたという顔をした。
「よし!今日は二人女子会しようね!愛梨、定時で終わらせてよ!定時に迎えに来るわ♪」
瑠依は、今日は飲むぞ―――!っと両手のこぶしを上げ、自分の課へ戻って行った。
はぁ、とまたため息をついてると、隣の同期の子が戻ってきていた。
「朝霧さん、たっぷり仕事はあるの。私も残業したくないわけ。定時で上がるなら、ため息なんてついてないで仕事してくれない?迷惑。自分で出来なかった仕事を私に押し付けて帰るなんてこと、ご令嬢様はしないわよね?」
嫌味を大量に詰め込んだ言葉を言われ、また売り言葉に買い言葉。
「あら、いつも仕事の振分はあなたより私の方が多いのよ。それでも残業なんてしないわ。あなたは残業ばかりだけど、無駄口叩いててさばけるのかしら?」
ふわりと髪を揺らしながら微笑んでみる。
苦虫を噛み潰したような顔でこちらを見たが、ふん!っと鼻を鳴らし仕事に取り掛かった。
私も瑠依との待ち合わせに遅れない様にハイスピードで仕事をしていった。
だけど、朝の出来事が頭の中でエンドレスで流れている。
なんで私が結婚?
恋人でもない人と?
好きでもない人と?
ましてや、会ったこともない人と?
いや、無理。
うん、無理しか考えられない。
信じられない。
なんで?
NOOOO――――――!
悩み過ぎてお弁当ものどを通らず、ご飯食べるのは諦めた。
とにかく、どうやって父と母から言われる結婚を回避するのか、考えなくては!!
でも、回避できなかったら?
その時は結婚しかない?
そうだ!慧依が止めてくれるよね!
慧維は過保護だし、いつも私の味方だもん!
…だけど、慧維が止めれなかったら?逆に止めてくれなかったら?
…やっぱり自分でなんとかしなくちゃダメだよね…
うん、自分でなんとかしなくちゃ‼
結婚なんて、無理。
絶対無理なんだから!
The 前向き!
ぐるぐると考えていると、あっという間に定時になり、瑠依が迎えに来た。
「おつー、愛梨。仕事終わった?」
「おつー、瑠依、なんとか終わったよ。」
力なく返事をすると、河内さんが会話に入ってきた。
河内さんは、この会社の営業成績トップ3に入る若手営業さん。
容姿端麗で、人柄もよく、男性から尊敬な眼差しで、女性からは、恋愛対象で見られることがほとんど。
「今日の愛梨ちゃん、百面相みたいで見てて面白かったよ~。何があったか聞いても答えてくれないし。瑠依ちゃん、今日の女子会で情報仕入れたら、横流しよろしく!」
サラッと"横流し"とか言ってるし。
河内さんは、私の事を社長令嬢と特別な扱いはせず、同僚として指導もしてくれるし、対等に接してくれる。
ただ…
「河内さん、ちゃん付けで呼ぶのは止めてください。勘違いされたら迷惑被るのは嫌なんで。」
じとーっとした目で睨み付け、ハッキリと言ったよ。
だってほら、河内さんファンクラブのお姉様方に要らんいじめは受けたくないし。
河内さんは、クスクスと笑うだけ。
…まぁ、お姉様方の痛い視線は…今は放っておきます。
やられたらやり返すけど、痛い視線を送られてるだけじゃやり返せないしね。
会話も落ち着いた頃に、瑠依が、さて行きますか!と私の腕を掴み歩き出した。
河内さんに、情報横流しは任せといて!と腕を振り上げ、ニカッと笑って、いつもの居酒屋へと向かった。
ご覧いただき、誠にありがとうございます!!!