第五話
俺が負けるなんて誰がきめた!!!
やばっ!
数分歩くと開けた場所に出た。
「ここが訓練場よ」
「うむ、ご苦労」
ゴンッ!!
ロイはおもいっきりシグルドの頭を叩いた。
「いってぇな!なにすんだよ!」
「いい加減にしなよ!いつまでそんな言葉使いなんだ!少しは自重なよ!」
声をあら下て言うロイ。
「あ、あの。おきになさらずに...」
「ほらな。本人もこう言ってるんだしよ。少し落ち着け」
「まったく、君というやつはいつもいつも....」
「ではお二方。模擬戦をされてはいかがですか?
そう言ってきたのは騎士長、エグバードだった。
「...だとよ。どうする?」
「いいだろう。今日こそは君に勝たせてもらうよ」
「え、え...」
レイナはまだ状況を飲み込めないでいた。
「これより!シグルドとロイの模擬戦を始める!」
二人が模擬戦をやることはすぐに知れわたり見学者もちらほらといた。主に二人にまけたものたちだか。
「後悔しないか?」
挑発するようにいい放つシグルド。
「もちろん。今日こそ、君に勝って君を更生させる」
口調は強くないが、見た目からしてその強気がうかがえる。
「では、始め!」
エグバードの声と共に模擬戦が始まった
「『炎の精霊の剣』」
開始と同時にロイは刀を抜き、魔法を使い刀は炎に包まれた。
「お、いきなりか。いいぜ、来いよ」
シグルドは余裕の表情。
「はぁぁぁー!!!」
ロイはシグルドに突っ込みまずひとふり。
それをシグルドはバックステップで回避。
ロイは続けて刀を振るがかすりもしない。
「くっ!」
「そんなんじゃ勝てねーよ、っと」
シグルドは踏み込み抜刀する。
シグルドの刀はロイの頬をかすめた。
抜いた刀をすぐに鞘に収めるシグルド。
「くっ!『爆炎剣』!」
すでに炎に包まれているロイの刀はさらに十倍ほどの炎が包み込み思い切り振る。
そして、ロイの炎がシグルドに襲いかかる。
『無効化門』
シグルドの前に光の壁が現れ炎が吸い込まれる。
「ロイくんまだまだだね。こんなんじゃ俺はたおせないよ」
「そんなのわかってるよ!」
そしてまた二人がぶつかる。
「一体何者なの?あの二人...」
二人の戦いをみて唖然とするレイナ。
「ふむ、凄まじいな。これは私以上だな」
「騎士長様!?」
エグバードの発言に驚きを隠せないレイナ。
「あの二人は次元が違う。自分の魔法を最大限に引き出して戦っている。特にシグルド。あの者の魔法はどのようなものか全くわからない。戦う相手としてあれほどいやなものはない。それに加え剣術も一流。ロイもなかなかだが、今のままでは一歩及ばずといったところだな」
「そ、そうなんですか...」
「おーい、そろそろ本気出した方がいいんじゃないの?」
まだ余裕たっぷりのシグルド。
「言われなくてもそのつもりだよ」
ロイは静かに目を閉じた。
「『不死鳥の剣』」