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風夜、一粒の希望を抱く

石板に手を置いた結果、全く光らなかった。

この結果を受け入れきれなかったのか、何度も繰り返し手を置いたが結果は変わらなかった。



「何回やっても結果は変わらん。諦めるのじゃ」

「.....」

ジルノの言葉に渋々手を離す。結果、魔法が使えないことがわかった。



「俺は今後、魔法を使えないのか?」

「わからん。ただ、魔法を使えるのは潜在的に備わっている者と後に偶発的に備わる者の二通りある。まあ、後者が圧倒的に少ないがの」

つまり、今はダメでも後者になれば魔法を使えるということである。


「なら、俺にも可能性はあるんだな?」

「まあの。今は使えんが、可能性はゼロではない」

風夜はジルノの言葉に希望を見いだしていた。一粒の希望であるが、可能性がある限り諦めず、気長に取り組もう。



そう思っている時、家のドアを叩く音が部屋まで聞こえてきた。



「ちょっと出てくるかの」

「セキの奴、意外と遅かったな」

「いや、充分早いと思うんじゃが」

気づいたら、もう日が暮れそうになっていた。この景色を見ていると、今日は散々な日になったなと、しみじみと思い返ってしまう。



そうしていると、セキが部屋へと入ってきたの感じ、其方に振り返った。



「ただいま戻りました~!」

「うるさい!」

「ウッ!」

いきなり抱きついたセキに対して反射的に殴ってしまった風夜。それでも、すぐに起き上がり、風夜に近づいてくる。


「何するんですか!何も殴ることはないのに」

「何抱きつこうとしている。野郎に抱きつかれる趣味はない!」

ヨヨヨと泣き真似をするが、無視してきっぱりと言葉を放った。すると先程までのやり取りが冗談とばかりに、急にセキの目が真剣実を帯びだした。



「風夜大丈夫でしたか?!体調は?!私がいない間にどこか殴られていませんか?!」

外見変わったところはないのに肩を揺さぶって心配するセキ。揺さぶられている風夜は嫌そうな顔をしているが、内心は心配してくれることに、少し嬉しさを感じていた。



「いい加減にしろ。俺は何ともない」

「そうですか」

「ホッホッホ!おぬしら仲が良いの」

今までのやり取りを見ていたのか、ジルノは何かを思い出すかのように呟く。



その目は、既に二人を写しておらず、まるでどこか遠くを見ているようだった......。

やっとセキが帰って来ました。次回は風夜とセキ、ジルノの三人の会話です。


因みに一緒にいた村人は風夜の正体あたりで、ジルノによって帰ってもらっています。



次回もお楽しみに~!

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