かみさま
掲載日:2026/10/14
村の片隅に祠があって
そこに神様が宿っていらっしゃいました。
丸いおなかの福々しい神様です。
身の丈は掌ぐらいしかありません。
村の皆が祠にお参りをします。
ついでに、ちょっと願いごともします。
「薪がたくさん売れますように」
・・・薪は全部売れました。
「赤子が夜泣きをしませんように」
・・・赤子は朝までちっとも泣きませんでした。
その頃、
大きな戦があって、
男たちは雑兵として駆り出され、
皆、食べるものにも困るようになりました。
「戦は嫌だなぁ」
「お腹が空いたなぁ」
神様は、戦を終わらせようと頑張りましたが、
なかなかどうして、簡単には終わりませんでした。
頑張りすぎて、
神様は米粒ほどの大きさになってしまいました。
「神様、大丈夫かね?」
「なぁに、皆のお供え物で、また元に戻るさ」
小さな子どもが走ってきました。
「あ!米だ!」
子どもは、神様をつまみ上げて
ぽいっと口に入れてしまいました。
よほど、お腹が空いていたのでしょう。
神様は、子どものお腹の中で
ふっくらとしたお米になって
少しだけ、お腹を満たすことができたのでした。




