第4話 風の音だけが残った
屋上から飛び降りたという先生と、謎のキャラクターが残した動画。
真実が明らかになる。
屋上の夕闇。銀河のように輝きはじめた街の灯り。
スマホが固定されたフェンスから遠い反対側のフェンスの前でカムパネルラとサルの将軍が、向かい合っていた。サルの将軍は金色の肩章を光らせ、長い腕を振り上げる。
カムパネルラが一歩、あとずさる。
風の音が強くなって、セリフは聞こえない。
けれど、将軍の口が開き、なにかを叫んだ。その瞬間、将軍はカムパネルラの腰をつかみ持ち上げた。
「やめて、やめて、やめて!」
わたしの声が、部屋の中に響いた。
けれど画面の中では止まらない。
「キャアッ!」
カムパネルラの悲鳴。
サルの将軍が腕を振り下ろす。
そして、白い光の中にカムパネルラの姿が消えた。
沈黙。
サルの将軍はしばらくフェンスのほうを見つめていた。
それから、ゆっくりと背を向け、歩き去り画面から消える。
画面が揺れる。
しばらくして、ジョバンニの姿をしたキャラクター——つまり、わたし——が現れる。
ふらふらと歩いてきて、フェンスの前で立ち止まる。
顔がゆっくりとこちらに向き、画面いっぱいに大写しになる。
その顔は震えていた。
涙を流しているように見えた。
そうか、わたし、泣いていたんだ…。
そして、画面が激しく揺れ、真っ暗になった。
動画は、そこで終わった。
わたしは息をするのも忘れていた。
手が冷たくなって、スマホを落としそうになった。
先生は、殺された。
教頭先生が、先生を屋上から投げ落としたんだ。
先生を殺したのは教頭だった。
真実を知ったわたしは仇をうつ覚悟をきめるが…




