遠い誉の明日見ウタ
注意書き
重めの胸糞バッドエンドです。
人たる者は気高く優しく生きるべし
例えば
不正を働かぬこと嘘をつかぬこと
虐げられている者が居れば率先して庇うこと
此等は人として当然のことである
出来てこそ、人であるのだ
出来ぬ者は、ヒトデナシである
ほら、立ち上がれ
ほら、君なら出来る
共にやろう
ならば出来ないことなど何も無い
そうだろう?
我等は人の子なのだから
金に汚い奴でも
多少距離感の可笑しい奴でも
人であるならば分かり合える
我も彼等も人の子だ
話し合えばわかるものだ
あれ?
違うのかもしれない
腹に刺さるナイフに赤が映える
「少しずつでもいいから金を返せ」と言った
そんな気がする
怒らすことなど言ったはずもない
ならば、
全て我の思い込み
ヒトデナシはこの世に存在したのである
あの日信じたヒトデナシの背中見て
(バカみたい)と歯軋りしては見上げた空
誉は遥か遠くに吸い込まれ、やがて雨が降る
流れ出でたる血を献身的に雨が流してくれた
ひどく冷たく痛い
そうか
我は雨のような存在だったのかもしれない
空高くから言葉の雨を降らし
最初は生ぬるく後に冷たくなってゆく
そうなのだろう
な……、
我は雨
あぁ、こんなにも憎い空は初めてだ
だが、誉だけは我のもの
『誉のみ持ちてゆく空ひとりたび秋は短し乞いせぬ命』
持ってゆく
すべて、己のすべてを
そして明日を呪い殺す
な~んにも浮かばないから、恨みの原液みたいなの出来た……なんだこれ、こわ。
(どう生きたって明日は来るから『それなりに』生きたらいいよ!どうにかなるよ!ならなきゃ明日を眠って明後日にしよう!)提案




