第6話
私にも友達がいた
小学生の頃の友達だ
子供の頃も反抗期も思春期も全部知ってる人だ
だから良いことも悪いことも知ってる
心を開きすぎているというか、隠せないほどに時間を過ごしたというか、長い付き合いだ
私が彼女といて楽しかったのは、過去の話だ
だから、小学生の頃"から"の友達ではない
彼女と遊んでも楽しくない
私といても楽しそうじゃないし、むしろ機嫌が悪い
彼女と別れたあとに、もう会いたくないと毎回思う
それでも、他に友達がいないから誘うしかなかった
友達枠が、本当はずっと空いたままだった
大人になって、別の友達ができた
彼女は、小学生の頃の友達に似ていた
だから同じ結末になってほしくないと思った
結果は、全く同じ結末にはならなかった
小学生の頃の友達よりも、悲惨な結末になった
私を大切にしていないのが伝わってきて、我慢して気付かないふりをしたけど無理で
耐えられなくて、連絡先を消した
恨みつらみを書き連ねて送ったが、返信が来たかはわからない
もう確認することはできない
今の彼は、どんな結末だろうか
嫌いなあいつに似ているが、結末は変わるのだろうか
もっと悲惨な最後が待っているのだろうか
私は、彼を殺しそうで怖い
ずっと、それだけはダメだと思っていたけれど
人生で初めて、そのブレーキが壊れそうになる瞬間があった
アクセルとブレーキを、間違えずにいられるだろうか