60 じょーずに焼けました!
〇まえの回のあらすじです。
『フローラが、親イノシシをくし刺しにする』
三つの鉄芯によって、キングボアはその場にぬいつけられた。
オーバーキルはなはだしいが、もとよりはこうするつもり。「うらむならうらめ」と、目のまえで親を殺された仔イノシシらに念じて、フローラは追加の魔石をはなつ。
バッ!
投擲したのは、紅とヒスイの色をひとつずつ。
ヒスイの石は高圧の空気砲となり、鉄の杭につらぬかれた獣の顎から、内腑へと着弾した。
ぶおっ!
ひとまわり大きくふくれたイノシシの身体に、今度は紅蓮の業火が、渦をまきながら被弾する。
圧縮された空気が、火種を受けてイノシシの内部で爆発した。
黒い巨躯が、ふうせんのように膨張する。
熱ではがれやすくなった毛皮が、うちがわからの衝撃によって、おもしろいようにはじけた。
林のたかみから、大イノシシとフローラの対決を見まもっていたユノのもとに、灰色のけむりがのぼってくる。
焼き肉めいた、香ばしいにおいも。
「こんなもんかしらね」
こんがり焼けて、すっかり『獣』から『お肉』へと変わった猪。その鼻づらをぽんぽんたたいて、フローラはひとりごちた。
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