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【異世界転移】をやってみた《4》 ―旅のおわり―  作者: とり
 第4話 はじまりの庵(いおり)
57/82

 57 ユノ、飛ぶ





    〇まえの回のあらすじです。


    『ユノが、物理(ぶつり)授業(じゅぎょう)のおさらいをする』








 ごっ!

 振動がユノを直撃(ちょくげき)した。

 極度(きょくど)緊張(きんちょう)に神経がマヒしたのか、からだがフッとかるくなる。

(死んだ――)

 のだろうか。

 全身が、たかく、たかく飛翔(ひしょう)する。

 まるで肉体から()()した(たましい)が、死後の世界にみちびかれてゆくように。


「ちょっと」

 フローラの声がする。すこしはなれたところから。

 昇天(しょうてん)していく感覚に()をゆだねたまま、ユノは衝撃(しょうげき)のときに()じていた目をあけた。


「フローラ。きみも死んじゃったのか」

「かってに殺してんじゃないわよ」

「だってさあ」

「あしもと、()てみなさい」


 ちょいちょいと指差(ゆびさ)されて、ユノはしたを()た。

 一〇(じゅう)メートルほどさきに、夕暮れの地上(ちじょう)がある。

 そこには体高(たいこう)三メートルはあろう(おお)イノシシがいて、ユノとフローラがさっきまでいた(りん)(ぼく)のあたりを、くろがねの巨躯(きょく)で消しとばしてしまっていた。


 ユノは、自分たちが、やさしいつむじ(かぜ)につつまれているのに気がついた。

「そっか、魔石(ジェム)でうえに()けたんだ」

「ご明察(めいさつ)

 フローラの手のなかで、(みどり)の石がよわよわしく点滅(てんめつ)する。


 すとん。

 すとん。

 と、ユノとフローラは、飛ぶちからをうしないつつあるからだを、おなじ高木(たかぎ)の枝に着地(ちゃくち)させた。





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