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【異世界転移】をやってみた《4》 ―旅のおわり―  作者: とり
 第4話 はじまりの庵(いおり)
49/82

 49 恥じらう乙女(男)





   〇まえの回のあらすじです。

   『セレンが【ユノ】への不安(ふあん)をくちにする』







   〇




 斜陽(しゃよう)円型(まるがた)の窓を射貫(いぬ)いていた。

 うすく(あか)(がね)色のかかった白いひかりは、しかし『日没(にちぼつ)』をむかえることがない。

 便宜(べんぎ)的に妖精(ようせい)の世界ぜんたいに()ちる『()(りょく)』によって染色された日光は、もうあと数刻(すうこく)もすればふたたび(ひる)のあかるさを取りもどす。

 だからいまが正確に何時(なんじ)なのかを知るすべは、ここにはなかった。


 あかい部屋のなかでユノは()をさます。

 ちょっとからだをやすめるだけのつもりだったのが、ぐっすりねむりこんでしまっていた。

 夕刻(ゆうこく)の色をみとめて、ベッドから()()きる。

「ゆうがた……!? 寝過(ねす)ごした!」

「どっかに行く用事(ようじ)でもあったの?」


 声がして、とっさにユノは布団のシーツを自分のからだにあてた。べつに(はだか)だったわけではないのだが、反射(はんしゃ)的に出た行動だった。

「あんたは『()じらう乙女(おとめ)』かってのよ……」

 ベッドから(はん)メートルほどのところにあるテーブルに、銀髪(ぎんぱつ)少女(しょうじょ)と金の小竜(こりゅう)がいる。

 少女は日中(にっちゅう)()たときの白い装束(しょうぞく)ではなく、かつて【冒険者(ぼうけんしゃ)】として活動していたときに着ていた、【ミスリル】の胸当(むねあ)てにハーフパンツ、腰にレイピアを()いたルックスだった。


 かのじょ――フローラは木製のイスに、背もたれをまえにして(すわ)っていた。

 おおよそ『王女(おうじょ)』らしくない姿勢だが、「こっちのほうがかのじょらしい」とユノは(おも)った。






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