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40 がっつり食うで
〇まえの回のあらすじです。
『ようせいの少女リリコが、フローラに案内役をおしつけられそうになる』
「ブルーベリージャム。アップルパイ。かぼちゃのプリンにキドニーパイ。サーモンのつつみ焼きと……うさぎのリゾットを七人まえ。……あと、キングボアの丸焼きをひとつご用意してくださいますか。明日の昼までに」
リリコは巫女の少女に、両手のゆびをまげて品数をたしかめながら言った。
フローラは即答する。
「それでいいのね」
「……。ほかのかたを巻き込むのは無しですよ。それと、正午までにおねがいします。一家の昼食にするので」
「いいわよ」
さらっ。と承諾したフローラに、ユノはとなりではらはらする。
そんなにいくつもの料理を、たったひとりでこさえられるものなのか。調理の経験にとぼしいユノには見当がつかない。
(だいたい、キングボアってなんだよ。いのししの王さま? それ、狩るところからはじめるのかな)
やきもきしながらも、ユノはフローラに耳打ちした。