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【異世界転移】をやってみた《4》 ―旅のおわり―  作者: とり
 第2話 セレンのなくしもの
29/82

 29 天空裁判





   〇前回のあらすじです。

   『ユノがあらぬうたがいをかけられる』







「はなしくらい聞いてあげたら? フローラ」

 あきれたちょうしでユノとフローラのそばに着地したのは【パンドラ】だった。こので最も冷静で――それゆえにつめたくも聞こえるのだが――最もユノがほっしていた対応たいおうなだけに、内心ないしん彼女かのじょ仲裁ちゅうさい喝采かっさいする。

 パンドラはユノへのあいさつもそこそこに、地面じめん鎮座ちんざしている金の小竜こりゅうを抱きあげた。すこしさみしい気もしたが、パンドラとはまだわかれて一月ひとつきと経っていないのだ。そんなものだろうとユノは自分に言いきかせる。

「【ハルモニア】さまがセレンから逃げるのに、ユノさんをうまいこと利用りようしようとしていたのかもしれないし」

「ちょーおっと。聞きてならないわね。うちのハルがそんなことするわけないでしょ」

「かと言って。ユノさんがさらったとも考えにくい。ってゆーか。それより苗木なえぎだよ。ハルモニアさま。【霊樹れいじゅ苗木なえぎ】についてなにか知りませんか」

 ぱちん。

 とフローラもゆびらした。ふたりはもうユノのことなんてほったらかしで、金の竜にかかりっきりである。

(なえぎ?)

 ユノは気になったものの。

「ハルはい子だから、なあんにもしてないわよねー。セレンがなくしちゃったみたいなんだけどさ」

「訊くときにはちゃんと訊こうよ。あまやかしすぎってよくないよ」

 ちいさいりゅう愛想あいそよく「ふぎゃあ」といた。パンドラの腕からもぞもぞしてのがれる。ちいさいつばさを動かして。空中くうちゅうをおよいで。フローラのむねに飛び込む。あたかも「自分はそんなのはじめて聞いたよ」と言わんばかりに。

 おおきな黄金こがね両目りょうめをきらきらうるうるさせている。あねのフローラをつめている。






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