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【異世界転移】をやってみた《4》 ―旅のおわり―  作者: とり
 第2話 セレンのなくしもの
27/82

 27 こらああああ





   〇前回のあらすじです。

    『【金のドラゴン】がユノからもらった【たね】を植える』










「こらああああ!」

 突如とつじょとして聞こえたおたけびに、ユノはぎくりと肩をはねさせた。

 「こらあ」なんていう人はひさしぶりだった。

 ガケのしたをたしかめると、銀髪ぎんぱつ少女しょうじょが立っている。

 フローラだ。

 かつてすこしのあいだだけ【パーティ】を組み、ともに旅をした女剣士おんなけんし。そのときは【ローラン】と名乗なのっていて、ユノが彼女かのじょ本名ほんみょうを知ったのはそれよりあと。

 ユノとしては【ローラン】のほうが親しみやすくてよいのだが。「本名でぶのが礼儀だろう」と合点がてんして、ローランと言いたいのをグッとこらえている。

「フローラ王女おうじょ。どうし――」

 フローラはあおをつりあげていた。それは遠目とおめにもわかる気迫きはくをまとっていた。

 彼女かのじょの手にはみどりの石がにぎられている。魔法まほうの石。【ジェム】だ。彼女はそれを握りこむ。

 【風の魔法】が発動はつどうする。


「このっ。ひとさらいー!」

 フローラは旋風せんぷうって飛びあがった。

 ちいさな竜巻たつまきが、しろい長衣ちょういのおとめを地上ちじょうからすうメートル高いところへ一瞬いっしゅん飛翔ひしょうさせる。

 『ひとさらい』。

 とにおぼえのないそしりを受けて、ユノは「ええっ」とをまるくする。

 弁解しようとフローラをあげる。

 ときすでにおそし。

 見あげたユノの顔面がんめんに、上空じょうくうからの飛び蹴りが炸裂さくれつした。

 どさあッ。

 ユノはガケのうえにたおれる。

 ちかくでは金の小竜こりゅうが、『たね』を植えたところにすわりこんで、ふたりのやりとりをみつめている。






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