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【異世界転移】をやってみた《4》 ―旅のおわり―  作者: とり
 第2話 セレンのなくしもの
25/82

 25 ぼったくり





   ・まえの回のあらすじです。

    『ユノの持ちものをりゅうがほしがる』











 「それをよこせ」とりゅうは手を動かした。

 なんだ絵をるのは『有料ゆうりょう』だったのかとユノはだまされた気持ちになる。

「これはあげられないよ。もらってすぐだし……どんな効果があるのかも知れないし」

 ひょっとしたら貴重きちょうなアイテムかもしれない。

 今後も【冒険者ぼうけんしゃ】として活動をつづけていくユノにとっては、用途ようと不明ふめいな道具は『いのちづな』となる可能かのう性もあった。もちろん、無用むよう長物ちょうぶつか、最悪さいあくわざわいをもたらす『疫病神やくびょうがみ』の危険性もあったが。

「ふー」

 しょうがねえなあと突き出たはなから息をくと、竜は「じゃあこっちをくれ」とユノのむなもとに両手りょうてをあてた。

 防護ぼうごようのあつでのシャツのおくに、おまもりのようにったぶくろがある。


「ちょっとってね」

 ユノは首にかけていたかわひもを持って、服のなかからひっぱりだす。

 ちいさな巾着きんちゃくぶくろのなかには、『たね』がはいっている。人間界にあった【ミース】というむらで、【テノン】という少年しょうねんからもらったものだ。

 それはテノンが【精霊】からゆずられた「ねがいのかなう種子しゅし」だった。

 ユノはひもをかんぜんに首からはずし、自分の手のひらにのせる。

「これがしいの? でも、このなかにある『種』は、土を『えらぶ』んだ。だめなところに植えても、ぜったいにまらない。はじかれたみたいに飛びだしちゃう。ボクも道中どうちゅうにちょっとだけためしてみたんだけど、どこもわなかった」

 精霊の神殿からやまをおりて、【バーライル】のまちへ行く途上とじょうに、ユノはいくつかの土地で種が植えられるかやってみた。

 種は植えたもののねがいをかなえる――とテノンは言っていたが、ねがいの成就じょうじゅうんぬんについてはさしたる興味きょうみはない。ただいつまでも持っていて、なにかのまちがいで悪党あくとうの手にわたってしまうのをおそれて、はやめに消費しょうひしたかった。

 ユノの質問にりゅうはコクコクとがえんずる。

 どうせまんぞくにつかいこなせるものでもないし。

 へんな人にうばわれるよりかは、邪気じゃきのないおさなにあたえたほうがましだろう。ユノはそう考えた。


「わかった。いいよ、あげるよ」

 金色の両手りょうてに、小ぶくろに入れたままの『たね』をぽすんといた。

「ぎゃっぎゃっ」

 とりゅうはわらってかわひもをにぎりしめる。

 プランプラン右手みぎてにさせたまま、ほらあなの木戸きどをあけてそとへ飛びだしていく。






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