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鬼の嫁取り

むかしむかし、ある村に女がいました。

容姿や能力から見ても平均的な女でしたが、どこから得たのか判らない。妙な知識を持っていると疎外されておりました。


そんな女が住む世界は鬼によって支配されていました。

鬼1に対して人は1万程の割合で生まれており、人数としてみれば人間は圧倒的におりましたが鬼の力に成すすべもなく、人は碌な抵抗も出来ずに頭を垂れているのが現状です。


支配といっても鬼の要望はただ1つ、30年に一度、6つになった子供を1鬼につき1人ずつ捧げることでした。まぁ他にも勝手に陣地に入るべからず、仲間を傷つけたら死刑等々あるそうですが省略いたします。


話を戻して女の年齢は25。1人暮らし、ご近所づきあいは皆無。

友達もいない女にとって鬼はどこか御伽噺のような、遠い存在だったのです。


そんなある時、女は村長に呼び出されました。


「お前が鬼の交渉役に決まった」と


「なんて ?」


目を点にした女に、村長の隣にいたどこかの偉い人が話し始めます。

曰く、女には微かにではあるが鬼に対する抵抗力があると。


人が鬼に勝てない理由の最もたる理由として、圧と呼ばれる力にありました。

威圧感のような、鬼を目の前にすると恐怖で気絶する類のものです。

鬼からすれば立っているだけでバタバタと倒れる人は鴨がネギをしょって鍋に直行するような感じでしょう。鬼は調味料を用意するだけでいいのです。


説明の中、偉い人はいいました。


人が0 鬼が100の圧だと例えると


「君は3だ」と。


「さん?」


ぽつりとつぶやいた言葉に誇らしいとばかりに頷く村長と偉い人を前にして(誤差の範囲内だな)とは女は口が裂けても言えませんでした。

でも顔には出ていた筈です、それはきっかりすっかり無視をされて話は続きます。


偉い人、もとい領主から命じられたのは鬼との交渉です、

生贄を減らす、もしくは生贄を無くす説得をしろとのことでした。


いままでは会うだけで気絶してまともな話し合いも行えず、女はやっと現れた救世主だと。


(3に対する期待値があまりに重すぎる)

口元の筋肉がひくひくするのが嫌でも現実を感じさせます。



手紙で鬼とやり取りしろよと思いましたが人は手紙からも圧を感じてしまい、人は手紙を空けるだけでも20年かかると。その内に紙が劣化して読めなくなるまでが一連の流れだそうです。万が一無事だとしても50年前程前のものも未だ解読できてはいないそうです。


ちなみに私は文字が読めません。

こんな田舎に文字を教えにくる奇特な人間もおりませんでした。


「まぁ、そんな感じで私がきました」


広い玄関の地面に正座した私の目の前で角の生えた男は頭を抱えました。


つるりとした形のいい頭に2つの角を生やした男は3つ、私に問いかけます。


お前は嫁入りに来たのではないのか

 

人が我らと最後の意思疎通ができたと認識しているのはいつだ


何故お前はそんなに汚いのだと


私は答えました。

 

嫁入りは何のことだかさっぱり分からない


おそらく100年前に書かれた生贄の条件が書かれた石盤が最後


道中にいた鬼の子供達に遊びという名の泥団子の猛攻撃をくらったと


 私は泥だらけで正座をしていました。

 座っているだけでマフラーについた泥がしたたり落ちます。


 坊主頭の鬼は一度唸り、その後すみやかに子供達に代わり謝罪するとすぐさま私をお風呂に案内してくれました。

 体を洗ってすみやかに出ようとすれば扉を挟んで待機していた男がゆっくりつかれと言ってくれたので広々とした温泉を堪能していると汚れた子供達も乱入してきました。


 慌てた坊主頭の人が止めようと乱入しましたが私の顔を見て慌てて扉に戻っていきました。まぁいいかとしばらく目を瞑り、目を開ければ体を洗い終わった子供達が私を物凄く見つめていました。子供ながらに圧が凄い。

 くらりとする眩暈をなんとか押しとどめ見つめ返します。


「あなたは人間よね?」


「ええ」


「はじめてみたわ」

「僕も」

「わたしも」

「私は鬼と会うのが初めてです」 

 すると子供達がよろしくねーと友好的なのでこちらこそと返しました。

 意外と平和である。

そういっても話は広がらないので聞きたいことを聞くことにしました。

「ここのお風呂って、男女混浴なんですか?」

「?ここは子供風呂だから混浴なんて概念ないよ」

「7歳までは皆ここを使うの」

「私25歳なんですが」

「ああ、ここ女・子供風呂だったね」

「そうだね、久しくお風呂を使う女の人なんていなかったから」

「お姉さんはここを使って大丈夫だよ」

「はぁ、どうも。つまり子供とお母さんというか女性は、男女関係なく一緒なんですね」


「違うよ、鬼は形が7つまでは性別がないんだよ。母親と来るなんで絶対にありえないし」

「へー」


 女にとって、いや――人類にとって初めて知る事実でした

「7つまでにどっちにするか決めなきゃいけないんだけど・・・」

「男だよな」

「当然男に決まっている」

「父さんだって男以外ありえないって言ってるしな」


 子供達は決まっているとばかりにうんうんと頷きます。


「女はだめなの?」


 子供達は一様に苦い顔をしました。


「ありえないよ」

「あんな弱い生き物に自分からなるなんて」

「戦いに敗れたら一定数はならざるを得ないけど」

「「絶対女はいや」」


 酷い言われようです。

 ですがまぁ、鬼から見ればそうなんでしょう。

私は納得したとばかりに頷きました。


「少子化の原因は、女性という性への軽視ではないでしょうか?」

 

 ほかほかと体から湯気を出したままの私は再び真面目そうな鬼の前に座っています。


「分かっている。分かってはいるが・・・」


 まぁ、話を聞く限り女を選ばない理由も分からなくはなかった。

基本的に女の性を選ぶと力は極端に弱くなる。

角が根元からポキリと折れる。

そのせいか性格は内気になり、外に出たがらない。


「そもそも」鬼は続けました。


鬼は嫁を家から出さない。

見せない

自分の子供すら形が7つで追い出す


なんとも言えない顔をした私に鬼は気づき口を閉じました。


「人と鬼の価値観の違いに戸惑うのはわかっている」

「あの、先ほどから気になってはいたのですが…形が7つとはなんですか?7歳とは違うのですか?」


「ああそれは」


確かこの小説は夢で見てテンション上がって書きました。書いた部分くらいで目が覚めたので続きは書けませんでした。

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