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機械仕掛けの殲滅少女  作者: サンボン
第三章 復讐その三 ハリー=カベンディッシュ
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テオの裏切り

ご覧いただき、ありがとうございます!

「ライラ様……その、テオはどうして……?」


 僕はライラ様に尋ねながら、引きずるテオを指差した。


「……南門にいたので捕まえました。衛兵にも確認しましたが、人(さら)いの連中と一緒に話していた、と」

「はあ!?」


 そ、それってつまり……。


「テオ……君は、仲間を売ったのか……?」

「っ!?」


 僕が恐る恐る尋ねると、テオが息を飲んだ。

 やっぱり、テオが……。


「どうして……?」


 僕はテオに尋ねると、彼は顔を背け、両手で耳を塞いだ。


「アデル様が聞いているでしょう。早く答えなさい」

「痛あっ!?」


 ライラ様に地面に叩きつけられ、テオが悲鳴を上げる。

 そんなライラ様の右の瞳が、無慈悲にテオを見つめていた。


「……だって……だって、そうしないと僕が! ……僕が、(さら)われちゃうんだ……」


 テオがガバッと顔を上げると。


「仕方ないじゃないか! 僕だってこんなことしたくなかった! でも、怖かったんだよ! どうすれば良かったんだよ……!」


 ぽろぽろと涙を零し、テオが訴えかける。

 まるで、罪の意識に耐えられずに理由をつけてなすりつけるように。


 だけど。


「あなたの言い訳なんてどうでもいいですから、連中がどこに向かったか、早く言いなさい」

「ヒッ!?」


 ハンナさんに冷たく言い放たれ、テオは軽く悲鳴を上げた。

 そうだ、僕達は一刻も早くメル達を助け出さないと……!


「早く!」

「はは、はい! あ、あの人達は、馬車で南門を出て真っ直ぐ行きました!」


 ハンナさんに怒鳴られ、テオが直立不動で南門の方角を指差した。


「ライラ様! ハンナさん! 僕達も馬車で追いかけましょう!」

「「はい!」」


 僕達は馬車の置いてある宿へと急いで向かう。

 そして、ハンナさんがテオの肩をポン、と叩くと。


「……逃げられると思わないでくださいね?(ボソッ)」

「っ!?」


 そっと、耳打ちした。


 ◇


「クソッ! どこだ!」


 馬車に乗ってヘイドンの街を飛び出し、僕達は人(さら)いの連中の行方を追っている。

 まだ連れ去られてからそれ程時間も経っていない筈だから、そろそろ追いついてもおかしくないんだけど……!


 見つからない焦りからか、イライラが募る。


「アデル様……大丈夫、無事助け出せますから……」


 左隣に座るハンナさんが、そっと僕の左手に自分の手を添えた。


「ハンナさん……はい」


 そんなハンナさんに、僕は頷く。


 すると。


「っ! アデル様! 前方に大型の幌馬車が見えます!」

「本当ですか!」


 よし! 何とか追いついたみたいだ!


「ライラ様! 先に先行する連中の馬車に追いついて、足止めしてきてください!」

「分かりました!」


 ライラ様はクロウ=システムを起動させ、ものすごい速さで疾走する。


「僕達も急ぎましょう!」

「はい!」


 手綱を振り、馬車の速度を最大限に上げた。


 そして。


「追いついた!」


 前方には、車輪が破壊され、その場で停車している幌馬車とライラ様がいた。


「あ! アデル様! ハンナ!」

「ライラ様! 子どもは!?」

「そ、それが……」


 馬車を止め、大急ぎでライラ様の元に駈け寄ると。


「子ども達が……いない!?」


 馬車には、ライラ様に死神の鎌を向けられて震える男が一人いるだけだった。


 こ、これはどういうことだ!?

 確かにテオは、馬車で南口を出て行ったと……!


「アデル様」


 男の首筋に死神の鎌を当てたライラ様が僕を呼んだ。


「おい! 子ども達はどこだ!」

「ヒイッ!? ここ、子ども達ってのは、あの孤児のガキ共のことか!?」

「そうだよ! それで、どこにやった!」


 僕は男の胸倉をつかみ、問い質す。


「ガ、ガキ共はお頭の味見中(・・・)だ! だから、今はまだ街のアジトに……!」

「クソッ! テオの奴……!」


 どうやら僕達はテオに一杯食わされたようだ。


「アデル様! すぐに戻りましょう!」

「ハンナさん! ええ! オマエも一緒に来い!」

「グッ!?」


 僕と代わり、ライラ様が男を引きずって馬車に乗せると、馬車をクルリ、と反転させ、今度はヘイドンの街へと全速力で戻った。


「お、おい! 止ま……うわあ!」


 南門を護る衛兵が入口を塞ごうとするが、お構いなしに馬車で突っ込んだ。

 こんなことで時間をかけている暇はないんだ!


「おい! オマエ達のアジトはどこだ!」

「ひ、広場のはずれの路地裏だ……」


 広場を突っ切り、路地裏に馬車を横づけすると。


「どれだ!」

「あ、あの建物だよ……」


 男が指差したのは、赤い屋根の二階建ての建物だった。


「行きましょう……ライラ様」

「あは♪」


 ——ザシュ。


 僕の合図でライラ様が男の首を鎌で掻き切った後、僕達は建物の扉の前に駈け寄る。


「開けます……【加工(キャスト)】」


 扉のノブに手を掛けると、僕は鍵をただの金属に変化させて無効化し、扉を開いた。


「……まず私が中の様子を……っ!?」


 ハンナさんが驚いた表情を見せるが、その理由は僕にも分かる。


 だって……入口の向こうから、むせかえるような血の匂いが漂ってきたのだから。

お読みいただき、ありがとうございました!


次回はこの後更新!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、ブクマ、評価、感想をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] テオ〜!!お前ってやつは……!!!! って血の匂い!?いったいなにが……
[一言] テオゆるせねぇ
2021/04/06 18:50 退会済み
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