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機械仕掛けの殲滅少女  作者: サンボン
プロローグ
1/146

『役立たず』

すいません、我慢できずに書きました!

どうぞよろしくお願いします!

「“アデル”……悪いが、お前とはここまでだ」


 クエスト対象であるオーガを討伐して魔石を取り出している最中、拠点とする都市アイザック最強のパーティー『黄金の旋風』のリーダーである“エリアル”が、突然僕に告げた。


「は……? い、いきなり何を……!」

「いきなりじゃない、これは俺達全員の総意だ。なあ、みんな?」


 エリアルは後ろへと振り返り、他のメンバーへと同意を求めると。


「ええ、ハッキリ言って、アンタって足手まといなのよね。大体、アンタの武器のボウガンだって、アタシの魔法があれば不要じゃない?」


 そう言ってせせら笑うのは、魔法使いの“レジーナ”。


「だ、だけど君の魔力が尽きた時、一体誰が遠距離から支援を……「はあ? アタシの魔力がそう簡単に尽きるとでも思ってるワケ?」……い、いや、それは……」


 レジーナにすごまれ、僕は思わず口ごもる。


「キャハハ! それにアデルのボウガンって連射きかないし、なんの支援にもならないよねー!」


 今度は斥候で獣人の“ロロ”が僕を指差しながらケラケラと笑う。


「で、でも、その分命中率が……「アハハ、かすり傷程度しかダメージ与えられないんじゃ意味ないでしょ!」」


 た、確かに僕のボウガンは、連射できないし非力な僕じゃ威力を出そうにも弦を引けないけど……。


「だ、だったら! それ以外のこと……物資の調達とか、ギルドとの交渉だって……!」

「はあ……そんなものは、私達の稼ぎなら専門の奴を雇えばいいだけだろう。戦闘に役立たない時点で、君は無用なのだ!」


 イライラした様子で怒鳴るのは、パーティーの守りの要、騎士の“セシル”だった。


「そ、そんな……な、なあ、“カルラ”、君も何とか……「悪いけどアデル、私もみんなと同じ意見だから」……カルラ!?」


 パーティー最強の剣士で、幼馴染で……そして、恋人でもあるカルラが無表情で突き放す。


「ど、どうして!? 四年前に村を出る時、誓ったじゃないか!『一緒に最高の冒険者を目指そう』って!」

「ええ……そうね……」

「な、なら……!」

「でも、あなたの職業(ジョブ)……なんの役にも立たないじゃない」


 冷たく言い放たれた言葉に、僕は思わず俯く。


 僕の職業(ジョブ)は[技術者(エンジニア)]。


 能力は、必要な武器や道具を【設計(デザイン)】し、【加工(キャスト)】し、【製作(クラフト)】するといったもの。

 ただし……高性能で希少なものになればなる程、僕の身体に大きな負担が掛かるため、結局は簡単なもの、原始的なものしか作れないけど。


「た、確かにみんなみたいな強力な職業(ジョブ)は持ってないけど、それでも、僕の職業(ジョブ)があれば必要なものをその場で作ったり(・・・・)できるじゃないか! それだけでも役に……「役に立たない」」


 僕はカルラから、無情にもハッキリと告げられた。

『役に立たない』、と。


「……私達は、ガラクタや“役立たず”なんていらないの。必要なのは強くて優秀なメンバーよ」

「そ、そんな……」


 最愛の幼馴染の言葉に、僕はガックリと膝をついた。


「心配するなアデル。カルラのことは、この俺が大切にするから」

「…………………………え?」


 エリアルはそう告げると、カルラを抱き寄せ、カルラも(とろ)けるような表情を見せた。

 そして僕は、そんな二人の様子に思わず呆けた声を漏らす。


 え? だって僕はカルラの幼馴染で、そして、恋人で……?


「キャハハ! アデルってば知らなかったの? 随分前からこの二人付き合ってるのに!」

「フン、ホント鈍いわね。そんなだから役立たずのクズなのよ。生きてる価値なし!」

「プッ、ククク……い、いやすまん。だ、だがこれは……!」


 そんな僕に、他のメンバーは嘲笑と侮蔑の視線を向ける。


 するとカルラは何を思ったか、討伐したばかりのオーガから抜き取った魔石を放り投げ、僕の目の前にコロン、と転がした。


「……まあ、それは餞別よ。しばらくは生活の足しになるでしょ?」

「ハハハ、カルラは優しいなあ……」

「エリアル……」


 そう言って、見つめ合うカルラとエリアル。


「……っ!」


 僕はそのオーガの魔石を素早く拾うと、その場から逃げるように走り去った。


 ◇


「チクショウ! チクショウ! チクショウ!」


 がむしゃらに森の中を走りながら、大声で叫ぶ。


 悔しくて、情けなくて、つらくて、切なくて……!

 この四年間、僕はあのパーティーのために尽くしてきた! 僕にできることは何だってやった!

 なのに……なのに、その結果がこれかよ!


 僕は腕を振り上げ、握り締めていたオーガの魔石を思いきり投げ捨てようとして……結局、思いとどまった。

 こんなもの、持っていたってどうにもならないのに。


 でも。


「……これがないと、生活もままならない、か」


 パーティーの金は全部エリアルが管理していたから、僕は少しの金も持ち合わせていない。

 少しは分配してくれと頼んだ時も、『お前は活躍していないから金の分配はなしだ』っていつも断られていたから。


 それでも、カルラを支えようと思って、そのまま必死で頑張ってきたのに……なのに……!


「う、うう……」


 僕の目から、涙が(こぼ)れる。


「うああああああああ……!」


 僕は四つん這いになり、地面をひたすら叩いて泣き叫んだ。

お読みいただき、ありがとうございました!


本日は四話投稿いたしますのでどうぞよろしくお願いします!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、ブクマ、評価、感想をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] こんにちは。まさしく正統的な追放系テンプレですね! [気になる点] えごさいとで指摘されていた「」内での「」 確かに使っちゃいますよね^^
[一言] 男私はこれらのちょっとした女の子が嫌いです。あなたが付き合っているなら、それをすでに明らかにしてください。彼女が殴られることを願って読み続けるつもりです(⌐■-■)。仕事に感謝します。
[良い点] 追放されて能力が覚醒する感じでないのが良いですね。 [気になる点] 幼馴染が別の男性に惹かれるのはしょうがない。 同じ前衛で命を預けあってるわけですから。 人の心は移ろうものです。 しかし…
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