プロローグ
「ディズ! そっちに3体行ったぞ!」
「ウォン!」
ホブゴブリン5体のうち3体が、ダークハウンドことディズに向かって襲いかかっていく。 その2体の首元に素早く食らいつき、簡単に絶命させた。
「相変わらずディズは、はぇーなぁ~」
「ウォン!ウォン!」
もっと撫でろって言うように尻尾を振り頭突きの勢いで頭を擦らせてくる
希な巡り合わせで自分ことチェインとダークハウンドのディズは友達と親友と戦友を越え相棒としてタッグで冒険者活動をしていた
「そろそろ日が落ちてくるな、今日はもう引き上げて討伐証と素材を売りに行くか」
そう言いながらホブゴブリンから討伐証の耳を切り取って、近くの村に帰っていく、冒険者ギルドに戻ってきて常設された討伐依頼の報告を済ましていくチェインに受付嬢が
「チェインさん まだパーティーを組まないのですか? 実力は一般よりも高いんですよ?」
「悪いね… 自分のスキルは使い方が分かっていない死にスキルなんだよ だから使い物にならなくてな…」
チェインが持っているスキルは【絆一丸】 スキルは本能のような感覚で 自然と使い方が分かるはずなのに チェインのスキルは両手の指輪10本に銀の指輪がつけられた事以外わからなかった。 この指輪は右手に5種類の見た目があり 左手には右手と同じ見た目と指に指輪はついていた 不思議な事に右の指輪はどう頑張っても抜ける気配がしない 左手の指輪は簡単に任意でスポスポ抜ける チェインは見栄えを選んでそのまま指輪をつけていた
「チェインさんのスキルって… その指輪ですよね? 何か特殊な指輪じゃないんですか?」
「いや ただの銀の指輪だったよ 実際に鑑定士に見てもらった結果だ」
「じゃあそっちのディズちゃんは? いつも連れてますけど… どうやってテイムしたんです?」
「こいつか? こいつはテイムしてないぞ? 何の縛りもしていない 自分の相棒として一緒に居るだけさ」
チェインはスキルで使えない呼ばわりをされ一人で冒険者を目指すことにした それが6年ほど前の16歳の時だった そしてその1年後に強力な魔物ダークハウンドの子供が傷だらけで倒れていたのを見つけて手当てしたのがきっかけだろう それから一緒に居るようになり、狩るようになり、今では高さ1m 横2m程の巨体となっていた それでも相棒となって一緒に狩りをするその姿は まさしくお互いを信頼しあっていると言えた
そうした雑談を少し挟みつつ会計してもらい報酬を受け取ったチェインは 頑張ってくれた相棒のために何か食べようと言ってギルドを出ていく