精霊からのプレゼント
性的な表現、ボーイズラブ要素を含みます。注意して下さい。
ーー突然だが、目の前にもふもふした変な生き物が浮かんでいる。
俺は魔物を狩るハンターだ。この世界では魔物がわんさか湧いて大変なので、魔物を狩る仕事もあるんだ!
今は、魔物を狩ってきてギルドに帰る途中だった。ギルドに行って魔物の皮とかを換金して貰おうかなとしていた途中だったのだ。
「もふ〜」
もふもふしたかわいらしいやつがくっ付いてくる。……そういえば、知り合いに動物に詳しいやつがいたはずだ。スマホで写真を撮ってそいつに送りつけた。
返事は5分もしないで帰ってきた。そいついわく、
『その子は精霊の仲間だよー、超めずらしいんだ〜。人間に幸福をもたらすって言われてるよ〜、ラッキーだねー( ´ ▽ ` )』
最後の顔文字がうざいと思ってしまったが、もふもふしたやつはまだ付いてくるらしいので、付いてこさせる事にした。
程なくして、ギルドに付いた。
「やあやあ、お姉さん〜、今日もきれいだねー」
なぜか、いつも開いている胸元を見てニヤニヤしていると、
「きゃあ、今日も変態ですね! んっ、その子は?」
「ああ、魔物退治の帰りに出会って、そのまんま付いてきたんだ。知り合いに写真を送ったら、精霊らしくて、幸運を呼ぶそうだから、そのまま連れてきたんだ」
「それくらい、知ってますよ〜、きゃあー、かわいい!」
もふもふがお姉さんのおっぱいに顔を埋めている。あっ、ずるいぞー。
「もふー」
「ずるいぞ、もふもふ!」
「あなたみたいに変態な目で見てこないから、良いんです〜。名前はもふもふって言うんですか?……なんて言うか、見たまんまそのままですね」
おいっ!?ちょっと、お姉さん呆れてるだろ!というか、さっき付いてきたばっかりだったので、名前とか決めて無かったが、いつの間にかもふもふという事になってたようだ。
「名前決めて無かったんだけど、いつの間にか、もふもふって呼んでたからね、もう、もふもふでいいや!」
「ふーん、それよりこの子男の子なんですね。ほら、ちん◯付いてますし」
「男の子だったのか!? つーか、お姉さん、ちん◯とか言うなよ!」
「えー、だって、ちん◯はちん◯じゃないですかぁ〜。ほら、確認して見ます?」
そういうと、お姉さんはお尻を開いて見せてきた。うん、確かに、ちん◯付いてる。
「もふ〜〜!?」
あんまり、もふもふのお尻を見ていると恥ずかしかったのか、姿を消してしまった。
「もう、恥ずかしがりやさん♪」
……お姉さん、あんたのせいだよ。
次の日、急にもふもふが引っ張ってくるのでついて行くと、3ヶ月前くらいに出来たジムがあった。
「もふっ、もふもふ!」
かなり強い力で引っ張られた。ジムに入りたいらしい。
「トレーニングがしたいなんて、もふもふも男の子って事か?」
俺自身は、ジムに興味なんて無いが、もふもふが入りたいと言うので、入る事にした。
「いらっしゃいませ〜。もしかして、初めてのお客様ですか?」
そこには、ガチムチマッチョがいた……。顔はイケメンだが、あんまし、タイプでは無い。
「いや〜、俺自身はあんまりジムには興味は無いんですよ。こいつがどうしても入りたいっていうんで……」
っと、もふもふの姿が消えていた。精霊は姿を消したりするのが自在に出来る。
「もしかして、精霊様がいたんですかっ!?精霊ってロマンチックで良いですよね……」
おい、その体でうっとりするな。きもい。
「そうか〜? まあ、俺はたまたま選ばれただけさ」
「精霊は幸運を呼ぶとも言われてるし、君も近々良い事あるかもね! ところで、ジムは会員登録する?」
「せっかく、精霊が連れて来てくれたんだし、ジムで頑張ったら、何かご褒美があるかもしれねぇ! お願いします!」
「じゃ、こっちに名前と連絡先を書いてね。今日も練習していく?」
「ああ、今日はハンター稼業も休みで暇だしな、やっていくよ!」
その日2時間くらいやったのだが、結構キツイ……。ガチムチマッチョのお兄さんがそのまま、担当コーチになってくれて、そのお兄さんが言うには『鍛えれば、ハンター稼業にも役立ちますよ!』との事だが、絶対宣伝だ……。明日から、どうすっかなー。
次の日、もふもふにジムに連れて行かれ無かった。やったー、これで終わり!かと思ったら、また次の日に無理矢理連れて行かれた。以降、仕事があったら3日に1回位、無かったら2日に1回くらいのペースで連れて行かれる事になった。
ジムに通い始めて、1ヶ月くらいがたった時のこと、ようやく、もふもふがジムのみんなの前に姿を見せてくれるようになった。
「やっと、僕たちにも、なついてくれたって事かな。精霊は警戒心が強いんだよね」
「結構、家ではやんちゃですよ〜。気に食わないと、すぐパンチがとんでくるし」
「話には聞いてたけど、実際に見るとやっぱり可愛いなー、んっ、な、何をしようとしてるんだいっ!?」
いきなり、もふもふが手?の部分でダンベルを持ち始めた。
「こっ、こらっ! 危ないよ! んっ?」
すると、もふもふがダンベルを下ろし、今度は腹筋?を始めているではないか!
「5キロのダンベルだったし、あんまり、重く無かったのかもね。精霊様もトレーニングするかい?」
「もふもふですっ!」
「じゃあ、もふもふで!」
次に行った時から、もふもふ専用のマットが用意されていた。
それから、2ヶ月後、コーチに前から好きだったと告白され、相手は男で俺もホモになっちまうけど、良い男で悪い気はしなかったので、付き合う事になった。
今は、デート中である。
「ねえねえ、次はどこに行こうか?」
「そ、それより、手、離して……」
「うん、周りの視線が気になるの? 大丈夫さ! 今の時代、ホモなんていっぱいいるしね! もっと、自信を持って!」
うぅ……、そう言われても周りの視線が突き刺さってるのだが……
「そう言えば、ジムに来てから1ヶ月くらいたった時ぐらいのことだっけ? 彼女が欲しいってボヤいてたよな〜」
「うん、実際に出来たのは彼女じゃなくて、彼氏だったけどね」
「でも、恋人が欲しい!って願いは叶えられたんだろ? もふもふのおかげだな!」
「うん、本当にそうだね!」
俺たちが恋人同士になって1ヶ月くらいがたったある日の事、もふもふはいなくなってた。精霊は役目を果たしたら、いなくなるらしい。
それでも、信じてる。今も、もふもふがどこかで見守ってくれているって。
ありがとう、もふもふ!
お読み下さり、ありがとうございました!