2.クール系イケメン!
イケメンくん一人目の登場
「……………………」
あ、あの、、、
「………………………。」
なんでずっと無言なんだよ!!
こっちは見られるの知っててめちゃくちゃ緊張したし、恥ずかしかったけど、勇気出してドア開けたらこれだよ!!
いくらこいつがクールといってもこれだけずっと黙ってしまうってことは
や、やっぱり変、、なのかな?
さっき妹も可愛いとか言ってたし、オレ自身もこの制服似合ってた…………と思ったけど、
こいつからしたら、今は女の見た目してるとはいえ、何年も前から知ってる男友達がいきなりセーラー服着てたら、おかしいって感じるよな。
…………うん、やっぱり変なんだ。オレ。
あいつまだじっとこっち見てるだけだし
かける声も無いほどなのかも
着替えてこよう
あ、でも何に着替えたらいいんだ?
男の制服は中学のときのやつしか持ってないし、それを着て行くわけにもいかないな
決めた、行くのやめよう。せっかく家にまで来てもらって申し訳ないけど。変なやつといて入学式であいつまで浮いてしまうかもしれない。
「ごめんこの格好おかしいよな!オレ入学式行くのやめるわ!!」
そう言い切って、やつを視界から外して、背を向けた。ドアノブに手をかけたその時
「___________っ! おい待て」
パシッ
わ!肩掴まれた
なに!?
「何もおかしくない」
「……颯太、、」
「似合っ、あぁーーおかしくないから。大丈夫だ。」
「それに」
「?」
「俺はお前と一緒に入学式に行くって約束しただろ。 ほら行くぞ」
変、じゃない…………?
おかしくないのか!!よかった!!
しょうもないことばかり言う妹も目はまだ腐ってなかったんだな!!
「そうか?サンキューな。お前ずっと無言だから不安になったじゃないか!」
なんか言おうとしてたけど、何だったんだ?
まぁいいや! というか、
「颯太、肩。ちょい痛いかも」
「え、あぁすまん。……って軽く手のひらで摘んでただけだぞ。透お前、肩うっすいな」
「肩を"つまむ"なんて言わないから!あと小さいなら分かるけど、薄いって何!?」
「そのままの通りだ。改めて見るとお前、元からちっさかったが、さらに縮んだよな」
「くっ!!オレに対してお前は_________
須藤颯太。
この辛辣な口撃から分かると思うが、普段は落ち着いた口調で冷静なツッコミかましてくるんだけど、こんな風にすぐオレのことをチビだとかいじってくる。
まぁ……今のはたぶんオレの様子がおかしくなったから励ましてくれたのかも。たぶん!
とりあえず、性格は、優しい。
オレが女になって呆然としたときもすぐ来て励ましてくれたし。今日だって、学校に一緒に行こうってその約束守ってくれたわけだし。
そして、外見は
「ほんっと!背ぇ高くて信じられんくらいイケメンだよな!!!!!」
「去年測って176センチだったか、多分もうちょい伸びてるな」
ありえない。高校一年で176cmって卒業時に何メートルになるつもりだよ
男の時からそうだったけど、背高いやつと話すの首しんどいんだよね。今もずっと顔上げて喋ってるけどほんと疲れるわ。
ただ背が高いだけじゃなくて、いい感じにがっちりとこう、程よく筋肉質で強そうって感じ。空手もやってたって言ってたっけ。
チートじゃん
キリッとした目と高い鼻。黒髪短髪でサイドをツーブロックにした今風の塩顔イケメン。
それがあいつの容姿。
……こんなイケメンにオレもなりたかったよ
中性的だって褒められたこともあったとはいえ、地味で平凡な顔だったチビがこうしてまぁ、可愛い?よりチビな女の子になったわけだけど、
そうじゃないんだよなあああぁぁぁぁ
「颯太!入学式行くぞ!急げ!!」
何を言っても負け惜しみになると考え、話をやめ、早いペースで歩き始めたオレを、
「ん?あぁ
どうせお前の歩幅のが短いからお前が急ぐことになるんだがな」
圧倒的な身体の差を誇る颯太はすぐに追い抜かしてしまう。
「ああぁもう!!」
向こう早歩きしてるだけだけど、オレもう走ってるぞこれ!!追いつかない!!
うーーーやっぱ性格悪いな!!あいつ!!
______________でも
「颯太!!」
「なんだよ」
呼びかけてやっと、止まってもらった。
振り向いたあいつに、気持ちを伝える
「颯太!! ありがとな!!」
「__________________っ!」
こんなオレと一緒にいてくれるって言ってくれたんだから
なんか3話めにしてふつうにクサいですね。
少女漫画風を心がけてる所為かな。
とりあえず登場人物をひと通り出したら、少しは面白くなってくるんじゃないですかね(無思考