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クロッシングワールド  作者: たぬきいぬ
第二章     アビス
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第二十三話     この世界の楽園4

「葉風大丈夫か?」


 葉風は俺達に目も向けずに部屋に入って行った。


 放送室には一人が寝られるくらいの小さなベッドがある。休憩用のベッドは主に作戦の指示で疲れている葉風と才人のために作られたものらしい。


「葉風さんの能力はとても強力な能力です、ですが大きな力にはそれなりの反動がある事があるんです」


「反動?」


 能力に反動なんてものがあるなんて思わなかった。俺は能力者じゃないからわからないが、強力な力にはそれなりの反動が出てしまうとは思わなかった。


 俺が前に使っていたグラトニーは攻撃向きではない能力者に力を与える擬似アーツ。本来なら第一位階にもなれないはずがグラトニーの力で強引に引き出す事が出来る。だがその反動で大幅に体力を消費し倒れるような事までなってしまう。


「皆同じように能力を使い過ぎれば心力を消費します、心力が底を尽きれば次に体力が失われます。それは知っていますよね?」


 授業で聞いたことのある内容、でも関係ないとほとんど聞き流していたから覚えていなかった。


「なんとなく覚えてる程度だがな」


「ですが強力な力を扱える能力者は心力を大幅に消費します、そうなれば次に失われるのは体力。そして体力は心力よりも消費が激しいのです」


 心力は人それぞれ持っている量が違う、心力の量が多いほど能力者の能力は強くなる。現にガーディアンの幹部達の心力は計り知れないほどの量を誇る。


 心力は自身の経験や気持ち、様々ことからその量が決まる。 過去のトラウマなども心力の絶対値に関わってくるのだ。


「葉風の能力なら消費が激しくてもおかしくはないのか……。 なかなか能力者も大変だな」


 俺にはわからない感覚だ。 


 グラトニーを使っている時は振るうだけで体力が持ってかれた。 


 心力が無い俺は直に体力を消費してしまう。


「大変なのかも知れませんね、僕の能力は優秀なものでは無いので体力を消費するところまではいかないのです」


「そういうもんなんだな」


 心力の消費う感覚なんてものは俺にはわからないがそれでも心力を消費し体力を消費する仲間達を支える。 それがこの世界で俺に出来ることなのだろう。


「僕たちも部屋に戻って皆さんのサポートをしましょう」


 俺と才人は放送室に入る。 

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