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クロッシングワールド  作者: たぬきいぬ
第二章     アビス
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第十一話     新しい手がかり

 それと同時に後ろの扉が開く。


「またその喧嘩をしているのか、いい加減飽きないか?」


「皆、おはよう。二人は相変わらずだね」


 香澄と雪菜が同時に部屋に入ってきた、そしてそのまま俺たちが座っている向かいのソファーに腰掛ける。


「飽きるとかの問題じゃない!!」


「わかったわかった」


 香澄も呆れたようにため息をつく、だがそのため息は本当に嫌がっている時のため息ではなく、どことなく安心したと言う雰囲気を出していた。


 そして校長室に隣接している部屋から葉風と眼鏡をかけた男が現れた。


「そんじゃ、全員集まったところで作戦会議と行きますか、っとその前にまだ集にメガネの自己紹介がまだだったな、コイツの名前は戸田 才人、ここで博士と同じ援護班を担当してもらってる」


「戸田 才人ですよろしく、同い年ですから呼び捨てで構わないです。というか蓮さんメガネと呼ぶのは辞めていただきたい」


「まあいいじゃねーか、それより集にアレ渡してくれ」


 才人はポケットから小さな箱を取り出した。そして箱を開け中身を見せてきた。中に入っていたのはイヤホンだった。


「これは皆が耳につけているイヤホンです、主に探索班がこれをつけ、僕達がココから指示したりします」


 才人はイヤホンを俺に渡す。


「動作は確認していますが、一応貴方がつけたときに反応するか確認したいのではめてみてください」


 俺は才人の指示に従いイヤホンを耳にはめた。


「動作確認を行います、声が聞こえたら手を軽くあげてください」


 葉風がマイクに向け声を出すとイヤホンから葉風の声が聞こえた。俺は軽く手を上げ声が聞こえていることを二人に知らせる。


「動作は問題ないみたいですね、また何か不具合があれば教えてください、直ぐに修理しますので、イヤホンは使うときになるまで集さんの方で保管に手置いてください」


「それじゃあ話も終わったことだし会議を始めますか」


 蓮は机に置いてあるリモコンを操作する、すると部屋は暗くなり天井からスクリーンが降りてきた。


「博士頼む」


「博士じゃないと言っている、まあいいブリーフィングを始める。今回の探索で救出出来たのは三名うち一人は怪我をしているため治療中、うち二人は無事蓮と雪菜が救出に成功、この施設にいる生存者は全員で33人になった」


 俺はふと疑問に思った。


「悪い、質問いいか?」


「なんだ集?」


「俺はココにいていいのか?」


 俺は何の能力も無いただの無能力者だ、その中でここの幹部に当たる連中と一緒に話を聞いている。援護班が劣っているとは言わないが、探索班がこの施設でみんなを率いている連中だということはわかる。


「ああ、そのことか、それなら雪菜が推薦したんだ、これからの話を聞いてもらいたいってな、集くんは私のパートナーだからって」


「えっ……」


 俺は驚いた、この世界に来てもなお雪菜が俺をパートナーだと思ってくれていることに。


「その話はしなくていいのに!!」


 雪菜は顔を赤くしている。


「まあ別にいいじゃないか、集も喜んでいるみたいだしな」


 俺も顔が赤くなっていた、それを見られたくなうて腕で自分の顔を隠す。


「いい雰囲気だけど話を進めるよ、今の現状、生存者の救出が優先だ、そして戸田くんの偵察機が人らしきものを撮影した」


 葉風が手元にあるリモコンを操作すると、スクリーンにはボヤけた人の様な姿をした何かを撮影した写真が表示された。


「これ人影か?」


 蓮が疑問の声を口にした。

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