第七話 地下施設
二人は汗をかいたから、シャワーを浴びてくると言いこの地下施設の風呂場になっている施設に向かう。俺もここに来るまでにアビスに襲われ泥だらけになっていたため、雪菜が風呂に入る様勧めてくれた。
脱衣所で服を脱ぎながら雅人に尋ねた。
「この地下施設には風呂まであるのか、施設充実しすぎじゃ無いか?」
「それはここを作った前任者に感謝するしか無いな、この地下施設全体はほぼ学園をモチーフに作られているらしいからな。前任者はここで生活する気満々だったのかわからないが、食料施設まであるからな、すげーよここは」
「すごすぎるだろ」
ここで生活する気満々なんて昔ここに来た人は、外の世界を見て絶望したのだろうか。ここにいる皆みたいに世界に抗ったのだろうか、何にせよ前任者がいればここの事を聞き出せる。だがここにいないと言う事は先に進んだのかもう死んでしまったのか……。
俺と雅人は施設内の浴場に入る、浴場は小さな銭湯ほどの広さで浴槽は数人ほど入っても余裕のある広さだ。俺と雅人は先に体を洗うためシャワーの所に二人並んで座る。俺はここまで来るのに汚れた体をシャワーで洗い流す。
「そういえば香澄もシャワー浴びるとか言ってたけど風呂って二つもあるのか」
俺は雅人と香澄が練習後話していた事を思い出し雅人に聞いてみた。
「いや、風呂は男女共有だ。流石に前任者も風呂を二つも作る必要はないと思ったんだろ」
「じゃあ香澄はどこ行ったんだ?」
「アイツは風呂入る前に自室に戻ってなんかしてんだよ」
「そう言うことね」
俺と雅人は一通り汚れや汗を流し、お湯に浸かる。
「は〜〜〜〜」
俺はお湯に使った瞬間魂が抜ける様な声が出た。
「まあ、初めてアビスに遭遇してこの世界に気て初めての風呂となるとそうなるわな」
雅人は天井を向き、タオルを顔に乗せる。
「雅人もそうだったのか?」
「俺もそんな感じだ、俺が初めてこの世界に来た時、アビスに囲まれてな、あんな化け物初めて見たときまともに動けるやつなんて居るのかよとか思うわ」
「俺も初めてアイツらを見た時、怖さで逃げるしか出来なかったな、雪菜が助けてくれなかったら俺死んでるし」
俺はあの時のことを思い出し、恐怖心が戻る。あの黒い狼は俺を殺すために俺を追いかけ、その大きな牙と爪で襲いかかってきた。あんな経験をすればこの施設から出ようなんて思えない。
「お前もか、俺は蓮に助けてもらったよ」
「蓮に?」
「アイツはマジで強いぞ、ランクDとか言ってたけどそんな次元の能力者じゃないぜ。十体以上いたアビスを瞬く間に倒していったからな」
「そんなに強いのか?見た感じタダの気さくなやつにしか見えないかったぞ?」
初見の雰囲気はタダの気さくなやつ、リーダーと聞いたがそんなふうには見えなかった。
「俺が十数多いのアビスに囲まれた時、アイツは颯爽と現れてアビス全体倒していったからな、本当怖くて動けなっかた俺からしたらアイツは英雄に見えたよ」
実際に蓮の戦う姿は見たことがない、だがその中でも普段表には出さない強さがあるのかもしれない。
「アイツがここのリーダーでいるのも、強さと人望があるからだしな。リーダーでありながらここから脱出するために最前線で動いてるしな」
「蓮ってそんなにすごいやつだったのか、というか蓮って呼び捨てで呼んでるけどアイツ何歳なんだ?」
雅人が『蓮』とタメ口で呼んでいたからそのまま呼び捨てにしてしまった。自己紹介の時葉風には年齢を聞いていたが蓮からは聞くのを忘れていた。
「ああ、というかここにいる奴らは全員同い年だぞ」
まさかこの施設にいる全員が同い年だとは思わなかった。




