第一話 異世界転移
電車に乗り込んだはずだった、ただ何気ない一瞬の瞬きをしただけで俺が見ていた景色は一変した。俺が踏み込んだのは車内を踏む感触では無く草むらを踏む感触だった。
目を見開き世界を見る、そこには俺がいつも見ていた景色では無く、いつのまにか森の中に立っていた。
「どうなってんだこれ」
俺はいつのまにか知らない場所に立っていた。いつも通り学園に向かう道を歩き、電車に乗ったそのはずだった。なのに俺がいるのは森の中、エデンに森なんてあるわけがなくなぜこんなところにいるのかわからない。
それに空気が重い、エデンで吸ったことのない空気。普通森の空気ならもう少し良い空気なはずだ。なのにどうしてこんなこんなにも居心地が悪いのか、どうしてこんなにもこの場所に不安を感じてしまうのか、それすらわからない。
(ここにいちゃいけない気がする)
俺はすぐに今いる場所から移動することにした。自分自身の感がここから直ぐに移動しろと訴えている、全身の細胞が震えている。俺はいつもなら簡単にい身体もいう事を聞いてくれない。
(行かなくちゃ、今すぐここから逃げなくちゃ)
俺は今いる場所から逃げ出した、移動するなんて言葉は今は使う言葉じゃない気がしたから。重い足を動かし今いる場所から逃げ出した。何故か走れない足で俺は歩き出す。一歩一歩ここから逃げるように。
何時間かわからないほど歩き、足が痛くなる。自分の中の不安は少し遠退き休めるような少し森が開かれた場所にたどり着く。
(いったいここはどこなんだ)
これだけ歩いても人一人いなかった、生き物の気配すらしない。そこで俺は気づいた、森の中だというのに虫の鳴き声すら聞こえない。近くに川があり川の水を手ですくい水を飲む。
特にこれといって喉が乾いていたわけでもない、だけど確かめたかったこの世界が俺がいつもどおり住んでいた場所である事だと。生き物がいないこの場所でも俺は確かに自分が住んでいた場所だと確かめたかった。
そして俺は夜までその場に止まることにした、歩き疲れ俺は木にもたれかかる。そして俺はそっと目蓋をとじ眠りについた。
どれくらいの間寝ていたのだろう、目覚めると辺りは暗くなっており灯ひとつない。森の中だということもあり人工的に作られた灯りは何一つない。ただ光るものといえば川の水面を照らす月の光と、木々の間を通り抜け地面にたどり着いた月の光だけだった。
俺はどの位の時間眠っていたのだろう、学園に行くために背負っていたリュックの中にあるデバイスをとりだし、時間を確認する。デバイスは圏外になっており画面に表示されているのは時を刻む時間だけ。
デバイスを操作し、写真の一覧に入っている一枚の写真に目がいく。そこに映されているのは俺と雪菜が模擬試合を勝ち抜いた記念で日向が撮ってくれた写真だった。
(雪菜……どこにいるんだよ)
俺はデバイスの画面を切り立ち上がる。その瞬間遠くで何かが聞こえた。
(今何か聞こえたような)
俺は耳を澄ませる。
その瞬間確かにそれは聞こえた。
「こっちに来るな」
悲鳴の様に聞こえた男の声で俺の眠気は吹っ飛んだ。人の悲鳴なんて普通聞く事はない、だけど今の俺は悲鳴だったとして誰かの声が聞こえたことに安心した。それと同時にその悲鳴が聞こえた場所には向かってはいけないと体が伝えている。
(だけど行くしかない!!)
俺は全力で走り出す悲鳴が聞こえた場所まで全力で。
そして悲鳴が聞こえた場所あたりまで辿りついた。あたりを見廻し悲鳴の元凶を探す、月明かりが照らしている場所に人影と黒い何かが動いていた。
男は俺が女の子を助けた時に俺をボコボコにしてきた鉄の棒を使う能力者だった。
(たしか道長の仲間だったはず、どうしてここに?)
そして俺は目を凝らししっかりとその場を見る。よく見ると男は黒い狼と闘っていた、目は真っ赤な狼。全身は漆黒に染まり夜の闇に溶けてしまいそうなほどその全身は黒く染まっていた。
男が相手しているのはその黒い狼二体、鉄の棒で応戦するが全く当たっていない。
そして黒い狼が男に飛びつき男のアーツが弾かれた。そして男は倒されてしまう。
「止めろ!! 離せっ!!」
男は叫ぶが黒い狼には言葉が通じない、暴れても大きな足で押さえていて動けない。
そして次の瞬間黒い狼は男の首元に鋭い牙を突き立てた。
いつもご愛読ありがとうございます。
第一章が終わり第二章突入です。
第一章では集の無能力とその他能力の存在や位階などの大まかな内容を書かせていただきました。
第二章では能力バトルを中心に書いていきます。
投稿頻度は仕事の都合上バラバラですが、面白いと思っていただける内容を書いてい、自分が想像する内容を出来る限り文にしていきたいと考えていますのでこれからもご愛読お願いします。




