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クロッシングワールド  作者: たぬきいぬ
第一章     序章
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第六十三話     小さな目覚め

俺は握りしめている擬似アーツに全力で意思を送る。そして俺の怒りは限界を超えその意思の全てを擬似アーツに送り込んだ。


「それ以上雪菜に触れてみろテメーをぶっ飛ばす」


俺が叫んだ瞬間、擬似アーツは大爆発を起こした。爆風を放ち俺の手元で爆発した擬似アーツは道長の能力で作られた岩を吹き飛ばした。


「何が起きた!!」


道長は急な爆発に驚いていた。空気は大きく振動し、砂埃が巻き上がる。


そしてその中を俺は全力で走る。さっきの爆発で道長の能力の岩は砕け散った。擬似アーツが何故爆発したのかは分からないが俺自身に怪我はない。


ただ擬似アーツが爆発しただけあって能力で受けたダメージを受けた感覚を受ける。体力は大幅に減り心にもダメージを受ける。


(だけどそんなこと関係ない)


俺は砂煙の中全力で走り抜ける。無の世界はとうに解け、今あるのはリング型のシールドアーツのみ。


「何したか知らねーが大人しく寝てろカスが!!」


道長は多分能力の岩を出現させ俺に向け攻撃しようとしている。


俺はそれを予想し手を前に構える。だがシールドアーツで攻撃を防げる回数は三回しかない。道長も俺自身を見えてはいないが、俺自身も何処から攻撃が飛んでくるか分からない。


(だけどわかる!! 道長がいつ攻撃を放つのか)


今までの模擬試合でも感じた感覚、何故か相手の攻撃が解る感覚。何故攻撃される場所が解るのかはわからないがそれは俺の能力じゃない。


今は進むしかない!!自分の感覚を信じ走る。目には見えない攻撃を自分の感だけで防ぐ、一歩間違えれば直撃を受け取り返しのつかないことになる、俺が一撃受ければもう立ち上がることもできないかもしれない。俺が一歩間違えれば雪菜に最悪が降りかかる。


(そんなこと絶対にさせない!!)


俺は自分の感を信じ突き進む、そして道長の攻撃が俺に当たると感じたその時俺はシールドアーツを展開した。その瞬間シールドアーツに道長の攻撃が直撃した。シールドアーツはパリンと言う音を上げ道長の攻撃を相殺する。


(間違ってなかった、だけどこのまま真っ直ぐ進めば道長に場所を特定される)


俺はただ真っ直ぐ進むだけではなくジグザグに走り道長との距離を詰める。そして俺は自分の感を信じシールドアーツを展開し道長の攻撃を残りのシールドアーツ可能回数いっぱいまで使い切る。それと同時に俺は道長の目の前までたどり着いた。


砂煙を抜け全力で地面を蹴る。道長が反応できないほどの勢いで道長との間を詰めた。


「テメーいつの間に!!」


道長は驚いた顔をしていた。俺があの砂煙の中道長の攻撃で倒されていたと思っていたらしい。だが道長は保険として何発も余分に追加攻撃をしていた、だがそれが仇となった。道長が攻撃するほど砂煙は舞い上がり視界を遮る。俺自身の視界は遮られても最初に道長の場所さえ分かっていればそこにただ走るだけ。


「俺はお前を許さない、終わりだ道長あああああ」


俺は道長の顔面を思い切り殴りつける。今俺が持っているものはこの拳だけ、その拳に全体重を乗せ、今ある全てを込め俺は道長の顔面を力いっぱい殴りつけた。重心の乗った拳は道長の顔にめり込み道長は地面に倒れ込む。


「ハア……ハア……」


俺は地面に倒れた道長を眺める。もう気を失い動く事はない。工場の中には俺が吐く息の音だけが聞こえる。それと小さな呼吸が聞こえる、雪菜の呼吸音。スースーと聞こえる雪菜の呼吸音で俺の心臓の鼓動は少しづつ落ち着いていく。


そして俺は雪菜の所まで歩き俺が来ている制服を雪菜の体に被せる。道長に破られた部分が見えないようにそっと制服で覆った。そして雪菜の額に手を当て頭を撫でる。


「もっと早く来てやれなくてごめん、俺がそばにいてやれなくてゴメンな」


俺は俺自身が雪菜の事を避けていた事を悔やんだ、退院から数日俺はグラトニーが壊れた事で自分自身が能力者と戦えないことがわかってしまった。それが雪菜自身にも伝わってしまうのが怖かった。だから雪菜と距離をとろうとした。


俺が打ちひしがれていると工場の出口から声が聞こえた。


「おい道長アイツ足早すぎて逃げられたぞ」


「走って疲れたわ、早くスッキリさせてほしいわー」


何人かわからないが数人の道長の仲間が近づいていた。俺は身を隠そうと雪菜を抱え動こうとするが、もう体に力が入らなかった。


(このままじゃアイツらに見つかる!!)


だが俺は体が動かず、もう立ち上がることすらできない。


「おい、道長倒れてるぞ? っていうか何だアイツ」


道長の仲間が数人工場に入ってきた。そして俺達は見つかり道長の仲間が近づいてくる。


「こいつにやられたのかよ」


「まあ良いじゃん? アイツボロボロで動けそうにないし」


「さっさとやっちまおうぜ」


「やっちまいますか」


道長の仲間の中で女の声が聞こえた。その声と同時に男の一人が吹き飛ばされた。

いつもご愛読ありがとうございます。

投稿順を間違えてしまったため投稿し直しました。

よろしければ第六十三話を見る前に六十二話を見ていただけたらと思います。


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