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クロッシングワールド  作者: たぬきいぬ
第一章     序章
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第五十話   最終戦の前


俺たちも試合の観戦に集中する。TOE優勝を目指すなら様々な試合を見て自分自身を成長させる必要がある。

試合を観戦し様々な戦いを勉強しなければならない。その勉強にうってつけの試合が今から始まろうとしていた。


日向と雪菜が試合会場に入場するなり会場内は大きな歓声をあげた。


「日向頑張れ〜〜」

「キャーッ風音様〜〜」


日向と風音は女子生徒に人気がありファンクラブも存在するほどの有名人だ。


「相変わらずの人気だなアイツらは」


「ここまでの人気だとは思わなかったよ」


「それもそうだかど3日目ってのもあるのかもな、今まで観戦に来なかった人も最終戦ともなれば観戦にくる奴が多いんだろう」


今までは二つの会場で模擬試合は行われていたが、3日目だけは本試合会場で全ての試合が行われる。


日向と風音が戦う準備が出来き、対戦相手もまた準備が出来たみたいだ。


「第八試合試合開始です」


「「「「第一位階アクセス!!」」」」


開始の合図と共に両チームが第一位階にアクセスした。流石上位のランカーなだけはある第一位階にアクセスしただけで周りの能力者とは違うオーラを感じる。


「前回は突っ込んで失敗したから今回は慎重にいかせてもらおうかな」


「わかりました、お嬢様はどちらを相手しますか?」


日向と風音は対戦を始め戦いは激しさを増す。俺はそれをただ観戦する。


そして戦いの末日向と風音は戦いに勝利した。観戦していた観客席は大歓声をあげ二人の3戦連続勝利を祝福しているように聞こえる。そして二人はこの学園最強の三井拳晴への挑戦権を手に入れた。


「あの二人とうとう代表に挑む権利手に入れちゃったね」


「アイツらなら勝つかもしれないな」


学園の中でも最強の強さを誇る二人が、この学園最強に挑む。どういう対戦形式になるかは分からないが、代表に勝利すれば日向か風音がこの学園の最強になりこの第三学区序列第七位になる。


そうなると無能力者の俺が二人の側にいられる時間はあまり長くないかもしれない。ガーディアンの幹部になればエデンの治安維持をしなければならないため、第三学区のガーディアン本部に出向くことが多くなる。そんな生活の中に俺の居場所はないだろう。俺が強くならない限りガーディアンに入らない限りは。


「そろそろ俺達も準備するか」


「そうだね、私たちの対戦相手はあまり良い相手じゃないしね」


俺達の対戦相手はBクラスの道長、Bクラスの代表としてクラスをまとめ、俺をボコボコにしたグループのリーダーだ。だから今回の試合俺は正式な試合で道長に逸し報いてやりたいと考えている。


あれだけ無能力者と言われてきた俺が道長と同じ舞台に上がり戦おうとしている。こんなチャンスもう二度と巡り合えないかもしれない。だから俺は必ず道長に勝利し無能力者の俺でも戦えることを道長に、この学園の生徒に証明したい。


「だけど俺達なら勝てるさ、雪菜の叶えたい願いも、TOE優勝以外に、序列七位以内に入れれば叶えられるしな」


TOEで優勝すれば可能な限り何でも願いが叶えられるそれがこの島に住む学生の目標、そしてもう一つが学園代表、学区内序列第七位以内に入れればその瞬間にエデンに可能な限り何でも願いが叶えてもらえる。だがTOEへの参加権利は失われる。学区代表がTOEへ参加すれば出来レースになってしまう。 学区代表が出場すれば代表が勝つのは目に見えてしまうため参加出来なくしているのだ。最強の能力者同士の戦いは見応えがあるかもしれないが、もし唯一最強の能力者が現れればその能力者が三年連続願いを叶えてしまうことになる。それはエデン側もあまりよく思っていないためこの制度が作られたらしい。


「でもそれを叶えるには日向と風音より強くならなきゃいけないけどね、だけどこのチャンスを物に出来れば願いに近づける……」


雪菜の目は一瞬だけ暗く鋭い目になった。それは恐ろしいほどに冷たく自分に突き刺さるような感覚を感じさせられた。普段の雪菜からは全く感じさせられる事のない視線だった。


だけど俺はこの視線になぜか覚えがあった。それはなぜだか分からないが。


「ゴメンね、何か変な感じにしちゃって」


雪菜が暗かったのは一瞬ですぐにいつも通りの雪菜に戻った。


「いや、願いが叶えられる可能性が近づいてるんだしょうがないんじゃないか」


俺もいつも通りに雪菜に言葉を返した……と思っている。あの雪菜の視線に一瞬だけいつもの自分ではいられなかったから、いつも通りに言葉を返せたか自分でも心配になる程不安になったしまった。

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