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クロッシングワールド  作者: たぬきいぬ
第一章     序章
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第四十九話  第三学区序列七位

そして模擬試合三戦目が行われる当日、俺と雪菜は俺のデバイスを二人で覗き込む様に画面を見た。


二人とも声はです、ただ画面に映っている対戦相手の名前をただひたすら見ていた。


三日目最終試合、高坂・柊ペアVS道長・樋口ペア


画面に表示されていたのは俺達と道長ペアの対戦予定表。


「まさか最終試合があいつらとだなんてな」


「集はいい思い出ないもんね」


俺は道長グループと喧嘩しボコボコにされたことがある。女の子を助けるため飛び込んだはいいが、相手は無能力者の俺に容赦なくアーツで攻撃を仕掛けてきた。


その時は雪菜に助けてもらえたが雪菜が来なければどうなっていたかはわからない。


だけど今度は違う……。 

今の俺には能力者と渡り合える力がある。グラトニーがある。使いこなせれば俺はアイツらに勝つことができる。


(必ず勝ってみせる)


俺は心の中で決意を固めた。いつか雪菜に助けてもらった俺ではなく、雪菜を助けられる俺になった事をあの時の雪菜に伝えられる様に俺は戦わなくてはならなない。


「最終試合が俺のリベンジでもあり、雪菜の夢への一歩だ、頑張って行こうぜ」


俺は雪菜に拳を向ける。雪菜はそれに応える様に俺の拳に自分の拳をぶつける。


「頑張ろうね、お互いのために」


俺達は三日目の試合を見るために観客席へ向かった。


観客席で見る試合は模擬試合が始まる前の俺では想像がつかないくらい身近なものに思えた。


最終日の今日、この試合を合わせて全ての試合で勝ったペアは、この学園の最強にして、第三学区第七位の 三井 拳晴 と序列を賭けた試合をする事ができる。


ここで三井に勝つ事ができれば序列を七位まで上げることができる。


それは無能力者の俺も同じ、何とかして序列七位に勝つ事ができれば俺はエデン最弱から学区内最強の一人になる事ができる。


いっときでもそんな環境に居られれば俺はエデン来た事に意味を見いだせる気がする。


俺はデバイスでこれまでの試合の戦績を確認していた。この模擬試合の参加人数は百人、二人組のチームで参加しているため計五十組がこの模擬試合に参加していることになる。


人数は多く、その中で2戦連続で勝ち続けているチームは12組。その中には日向と風音ペアそして俺達が戦う道長ペアも含まれている。


最終戦は2戦連続で勝ち抜いたペア同士の戦いになる為、序列七位に挑戦できる六ペア、十二人の能力者が序列七位に挑戦出来る。


模擬試合を全て勝ち抜いた猛者は学区が認めた公式の試合で序列七位を倒しガーディアンの主軸になる、そうする事で今とは別格の環境で生活できる様になるし、様々な優遇措置がなされる。


だがガーディアンには役目があり、序列一位を主軸とした学区内の治安の維持と統制を行わなければならない。


各学園には必ずガーディアン幹部を配置し、学内の風紀の維持と能力の向上に努めなければならないなどのやるべき事が沢山ある。ガーディアン幹部は自身の下に部下を配置できるなどの特権を得られるため、全てのことをしなければならないわけではない。


部下になりたい学生は、憧れなどもあるかもしれないが強い能力者を見て自分自身を成長させたいと考える者が多く、進んで部下になりにいく学生が多いのだ。


だが部下になるには幹部の許可を得なければならず、ただなりたいと言う理由だけではなれないのだ。


観客席で観戦中、試合の最中観戦していた学生達の視線が戦っている学生ではなく観客席の一部に集中した。


「ガーディアンの仕事で中央に集められてるって聞いてたけど」


雪菜も視線を向けている。俺も視線を向けるとそこには、この学園最強の第三学区序列七位三井 拳晴がいた。


拳晴の部下らしき四人が人物が周りを囲み、異彩を放っている。拳晴の体格はかなりの大柄で観客席の一番端の椅子を二つ分使い椅子に腰掛けた。手すりに肘をつき試合を観戦する。


「あいつらの試合はもう終わっちまったか?」


拳晴が部下に話しかける。誰に話したかわからないが近くにいた一人の女の部下がそれに答える。


「日向・風音ペアでしたらまだ終わってはいません、彼女らの試合は第8試合ですのでもうすぐになります」


女の部下は丁寧に拳晴に説明した。


「アイツらの対戦相手の序列は?」


「二十九位と二十六位になりますね、この学園では日向・風音に次ぐ学園トップレベルの能力者になります」


「トップレベルって自分で言うかね? お前のが序列上じゃねーかよ」


拳晴は高々に笑をあげる。それもそのはず、拳晴の隣で話している部下はこの学園の副会長にして第三学区序列十一位 水戸部 咲だ。


高々に笑い続ける拳晴に水戸部の顔に苛立ちの表情が見え始める。


「笑すぎですいい加減笑うのやめて貰っていいですか?」


水戸部は槍のアーツを出現させ拳晴の首元に突きつける。


「悪い悪いその物騒な物をしまえって」


拳晴はまだ顔をニヤニヤさせながら素手で槍に触れ軽く退かしてしまう。


「第七学園の代表としてもっとしっかりしてください」


水戸部は槍のアーツをしまい、拳晴の隣に立ち他の部下に解散を指示している。


他三人の部下はそれぞれ散らばり試合を観戦し始めた。

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