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クロッシングワールド  作者: たぬきいぬ
第一章     序章
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第四話 落とし主を探して

 翌朝いつも通りの時間に起き、いつも通りに学校へ登校した。


 学園に着き昨日のペンダントの持ち主の女の子を探そうと各クラスを回ろうと思ったが、時間がなく朝のホームルームが始まってしまった。


 一時限目が終わり、と入りあえず友達の女の子の夏希 日向にペンダントをなくした女の子がいないか聞いてみることにした。


「日向~~。 昨日街で女の子とぶつかったんだけどさ」


「なんだよセクハラの話か? お前そこまで落ちちまったのかよ」


 日向はぶつかったという内容だけでセクハラと勘違いし俺を冷たい目で見て来る。


「ちげーよ!! なんで朝からセクハラの話をお前にしなきゃいけねーんだよ!!」


 日向は女の子なのだが男友達のようなネタを振ってきたりする。ボーイッシュで言葉遣いも乱暴な為、女の子っぽい雰囲気を感じさせない。


「セクハラの話じゃねーけど。昨日漫画買いに行った時街で女の子とぶつかったんだよ、そん時に女の子がこれを落としたんだよ」


 俺はポケットからペンダントを取り出し日向に渡した。


「ロケットペンダントじゃんか! 中になんか入ってるの確認すれば手がかりになるんじゃないのか?」


 日向はペンダントを開けようとするが俺は流石に人のものを勝手に開けることをためらい日向のを止める。


「流石に人のものを勝手に開けるのはやばいだろ。裏にはイニシャルが彫ってあるんだよ〈Y・S〉って」


 俺は日向にわかるようにペンダントの裏側を見せた。


「ならこのイニシャルの子を探せばいいじゃんかよ」


 この学校で知り合いが少ない俺はイニシャルがわかっていても誰がどの名前かまではわからなかった。俺は日向に渡していたペンダントを掴みポケットにしまった。


「思いつく名前の人がいないんだよ。落とした子はこの学園の制服着てた、ネクタイが青だったから同じ学年だと思う」


  この学園は ネクタイの色でどの学年かわかるようになっている。今は一年が緑、二年が青、三年は赤と色分けされている。これは生徒や教師が一目でどの学年かわかる仕様にしてあるらしい。


「容姿とかはどんなんだったんだよ、髪の長さとか、かわいいとか不細工とか?」


  日向に悪意があるわけではないが何も考えずに発言するところはたまに背中をひやひやさせることがある。


「容姿を聞くのはいい、可愛いまでは許す、だけど不細工かどうか聞くのはどうかと思うぞ」


 日向の質問があまりにもストレートすぎるため返答に困ってしまった。


「そこ大切なところだろ~。どっちかってだけでもだいぶ的が絞られるしな」


 俺は間違ってはないがそれを肯定してはいけないと思う自分がいたため、スルーして話し出した。


「髪は長くて黒髪で、顔はかなり可愛かったな」


  俺の好みの女の子だったため忘れることはない。


「ほら! 結局可愛いから落し物とか言って、その女の子とお近づきになろうとしてるんじゃないか! 下心が丸見えだね~」


 いちいち茶化して来る日向に少しイライラし始めるが、その雰囲気を察したのか日向は俺にその女の子のことかどうかは分からないが情報を伝えた。


「そうイライラするなって、可愛いかどうかは私の中じゃかなり重要な情報だったの。たしかAクラスに超絶美少女がいるとかなんとか聞いたことあるかも。たしか黒髪ロングって話だったし。」


 日向から聞き出せた情報の中で一番貴重な話を聞くことができた。この情報を聞くまでに時間がかかりすぎたが、ありがたい情報だった。


「Aクラスって成績優秀クラスじゃんか。まあよく考えればあんな綺麗な女の子なんてそういないわな」


 昨日の女の子の顔を思い出す。成績優秀であんな美人そしてAクラスなんて文句の付け所もない。


 この学園はAからFまでクラス分けがされており、成績憂愁者は基本的のAクラスに振り分けがされる。ちなみに集たちはFクラスで一番問題児が多いクラスだ。


「なになに、何の話ししてんの?」

 日向から情報を聞いていると同じクラスで友達の真也が現れ会話に入ってきた。


 情報は多い方がいいと思い、真也にも先程日向に話した内容を話した。

「なんだ早く俺にその話をしろよ。女の子のことなら俺にお任せだぜ!! たしかに日向が言う通りAクラスにいたはずだぜ。なんせメチャ可愛いからな、だけどさっき通りすがったけど教室にはいなかったぜ」


 真也は俺が話す前にAクラスの前を通ったらしい。女好きの真也は普段からクラスにいることが少なく、他クラスの生徒と交流を深めていたらしい。


「教室にはいなかったのか、そのこの名前のイニシャルってY・Sか?」


 俺は真也にヒントになりうる情報を伝えたが、答えは違っていた。


「Yは合ってるだけど苗字が違うな。その子の名前 柊 雪菜って名前なんだよ」


 真也の話が本当ならY・Sというイニシャルは間違っていた。

 名前通りならY・Hになるはずなのだが、親が再婚して今の名前になったのかはわからないが、あまり深く聞くものではないのかもしれないと俺は思った。


  「今日の放課後Aクラスまで行って聞いてみるわ」


  放課後はAクラスまで行き昨日会ったのが柊 雪菜であるかどうかを確かめることにした。

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