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クロッシングワールド  作者: たぬきいぬ
第一章     序章
22/151

第二十一話 強くなるために

「夏希、お前アウトだからな」


 日向は勢いよく教室に入ることができたが、三枝の判断で遅刻になった。まあチャイムが鳴り終えたか終えてないかギリギリのところではあるが。


「そんなこと言わないでくださいよセンセ!」


 日向はそう言いながら、自分の席に着いた。


「まあ今回はギリギリだから見逃すが、次はないからな」


 日向は何とか遅刻にはならずに済んだみたいだ。


 三枝がホームルームで今日の予定を話していると、隣の席の日向が話しかけてきた。


「昨日何があったか後で教えてもらうからな」


 日向は俺にしか聞こえない声で話してきた。


「後でな」


 それだけ話し、俺たちはホームルームに集中した。


 昼休みになり俺は日向と風音それと真也で昼食をとる。


「んで、話してもらおうか昨日何があったか」


 日向たちが帰ってからの出来事だったため、日向と風音は周りからの噂でしか内容を知らない。あの後の俺と雪菜の決闘の内容やパートナーになったことは本人にはまだ直接話していない。


「雪菜さんとパートナーになったんだよ」


 俺は結論だけ伝え購買で買ったパンをかじる。真也はニヤニヤしながら話を聞いている。


「過程を話せ過程を! パートナーになったとかは噂で聞いてるから!」


「わかったわかった。 ちゃんと話すから興奮するな! 日向たちと別れた後、訓練場で少し休んでから外に出たら、決闘しててさ、それを見てたら真也と会ったんだよ!そんで一緒に決闘見てたんだが、決闘が終わった瞬間コイツ俺のデバイスで雪菜さんに決闘申請しやがってさ」


「真也、流石にそれはやばいだろ……」


 まだ能力者が雪菜に決闘を挑むならわかるが、無能力者が序列六十位に挑むなど、無謀にもほどがある。


「いいじゃねーか、結果勝ったんだからよ〜」


「奇跡的にな、 まあ真也のおかげなところもあるが……」


 真也が渡してくれた擬似アーツを目くらましとして使えなければ、勝てなかっただろう。


「俺も見てなかったがどうやって柊さんに勝ったんだよ?」


「それ! 私も聞きたかった、Dランクでも序列六十位に勝つなんて想像できないぞ!」


「どんな姑息な手を使ったのか聞きたいところですね」


 三人揃って俺がどうやって勝ったか聞いてくる。風音に至ってはひどい言いようだ。


「あれだよあれ、日向は見たことあるけど、アーツが壊れた時の光を利用したんだよ」


「あの光を利用するにしてもどんだけ打ち合ったんだよ! まず攻撃耐えたことに驚きだよ!」


 日向はアーツ破壊時の光を見たことがある、俺との練習の時に擬似アーツを破壊してしまっているからだ。


「なんか、動きがわかるっつーか、勝手に体が動いたっつーか」


「そんなんでよく柊さんに勝てたよな」


「あたしとの練習の時のあれとは違うのか?」


 前回の日向との練習のことを言っているのだろう。


「あれは日向の決闘を何度か見てたから、癖とか隙とかをついただけであって、動きがわかるって感覚ではないんだよな、現に俺は雪菜さんの試合は初めて見たわけだし」


「もしかしてそれが集の能力なんじゃないか? 相手の未来が見える能力」


 俺自身、能力を使ったことがないため、自分が能力を使っているという感覚がわからない。


「トランス系能力ってことか? でも俺擬似トランスシステム使えないぞ?」


 基本的に擬似アーツやトランスにも相性がある。アーツ使いが擬似アーツを使うことができるが、アーツ使いが擬似トランスシステムを使うのは苦労するそうだ、ましてや無能力者の俺は試したことはあるが、擬似トランスシステムは使うコツさえわからない。


「なら、能力じゃないのか〜」


「そう簡単に能力は発現しないってことか、まあしゃーないな」


 現実はそんなに甘くない、研究員も言っていたが、実践や様々な刺激で能力が発現する可能性があるということらしい。


「それよりさ、二人にお願いがあるんだ」


 俺は唐突だが、日向と風音に向かいお願いをした。


「付き合ってほしい!」


 俺は二人に頭を軽く下げる。これから強くなるためには日向や風音の協力は大きなメリットになる。雪菜さんの足を引っ張らない程度には自分自身を強くしなければならないからだ。


「な……何言ってんだ!」


「集様、死にますか?」


 日向は顔を赤らめ、風音は怒りの形相を浮かべて蔑んだ目で見ている。


「集お前、いきなり二人に告白とかやるね〜」


 真也がニヤニヤした表情を向けてくる。俺は誤解があったことを訂正した。


「ちっげーよ! そうじゃない、二人にTOEに向けて練習に付き合ってほしいってだけだ」


 二人の誤解を訂正し、本来のお願いをした。


「そういうことな! ほんとビックリさせるなよな!」


 日向は少しホッと一呼吸置いていつもの日向に戻る。


「考えてから発言してください」


 風音はゴミを見るような目で俺を見ている。


「ほんと悪かったよ、で、お願いは聞いてくれのか?」


 俺がこれから挑まなければならなくなったTOEで勝ち抜くためには日向や、風音レベルの能力者とやりあえなければならない。


「あたしはいいぞ」


「お嬢様がするなら、私も付おき合いさせていただきます」


 日向と風音の二人から協力を得ることができた。これで少しでも雪菜の力になることができる


「なら今日の放課後からお願いしてもいいか?」


 当日のいきなりのお願いを聞き入れてくれるとは思えないが聞いてみることにした。


「あたしは放課後用があるからな〜、風音なら空いてるぞ?」


「それはそうですがお嬢様、私はお嬢様のお側にいなくては!」


 風音は常に日向の側にいるため、離れることを嫌う。


「風音……お願いだよ」


 日向が上目遣いで風音を見つめる。


「お嬢様、それはズルいです……、わかりました、集様の練習にお供させていただきます。


 日向は風音に俺の練習に付き合うよう促した。風音は日向のお願いを断れるのだろうが、何でも聞いてあげたいというか気持ちになっているのだろう。


「それでは集様、今日の放課後4時に訓練場でいいですね?」


 風音は少し低い声のトーンで時間の指定をしてきた。


「お手柔らかにお願いします……」


 風音は日向と少しの時間でも離れることを嫌うため、この特訓でいたぶられるのは間違いないだろう。

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