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クロッシングワールド  作者: たぬきいぬ
第一章     序章
21/151

第二十話 変わる視線

 ベットに横たわる。


 あの決闘後、俺は雪菜とパートナー契約を結んだ。だが雪菜のことを知っている第七学園の生徒達の大半は大きく俺を批判した。


 まぐれでの勝利を利用して雪菜に近づいたなんて言われている。


 俺でもそう思う。無能力者の俺が能力者に勝つ事すらあり得ないのに、その中でも序列六十位を倒したとなれば大きな話題にもなる。


 中には雪菜を脅して仕組まれた試合だったと言う人も現れ騒ぎだす。


 突然雪菜は自分のアーツで地面を切り裂く。


 無言の圧力、今まで騒いでいたギャラリーは皆黙り込む。


 雪菜は俺が侮辱されていることに対して怒ってくれたのだ。


「ありがとう雪菜さん、これからよろしくね」


「こちらこそ、ありがとうね。パートナーになってくれて」


 そして俺の、無能力者のTOEへの挑戦が始まった。




 次の日、学園に着くと学園はいつもの空気とは違っていた。


 俺を取り巻く環境は元から良いものではないが、今は前よりも違う意味で重く刺さる。


「おはよっ集くん!」


「おはよう雪菜さん」


 登校中の周りの学生に注目される。昨日のあの決闘は第七学園の生徒にとって大きな話題になった。


 無能力者に負けた序列六十位。その記事はその日すぐに出回った。新聞部がこの学園には存在し、あらゆる情報を発信している。新聞部にとっては今回の出来事は大スクープになっただろう。


「そういえば私達まだコネクト交換してないよね?」


 コネクトとは学生間で流行っている、SNSだ。コネクトはメッセージのやり取りや、通話ができるアプリだ。


「交換してないね。なんかあるとあれだし交換しとこうか」


 俺たちはコネクトでお互いの連絡先を交換した。


「なんかあったら連絡するよ! 」


「別にもなくても連絡してくれていいけどね!」


 雪菜は何も考えずにそんな事を言ってきた。


「あいつまじなんなんだよ……」


「やっぱそういう目的なんじゃないか?」


 周りに痛い目で見られる。


 流石にこれは、俺が周りの立場でもそう思う。自分で言うのもなんだがイチャイチャしてるように見える。


「用事があるときに連絡するよ」


「用事がない時でも全然連絡してね!」


 そんな他愛のない会話をしながら俺たちはそれぞれのクラスにへと向かった。


「集、あれからどうなったんだよ」


 机に着くなり、真也に話しかけられた。あの騒ぎの首謀者は突然あの場からいなくなっていたため、その時問い詰められなかったのだ。


「お前があんな事したのに何でいなくなってんだよ!」


 真也はあのあといつのまにか居なくなっていた。この手の話題は真也は大好きなはずなのだが、雪菜との決闘が終わり真也を探したが、見つからなかった。


「あのあと急用が入ってな、集の勝つとこ見たかった〜」


 いつもの軽い口調の真也。


「まあいいけど、これからは色々と頑張らなきゃだしな」


「まっ対戦相手の情報とかは俺に任せろよ、俺がけしかけた事だしある程度はサポートするぜ!」


 真也の情報網は広く、能力者の情報を色々と知っている。これからの対戦相手の情報など手に入れば、雪菜への負担も減るせるだろう。


「そこんとこはよろしく頼むわ、そういえば模擬戦っていつからだっけ?」


 先日、学内の模擬戦の告知を見たがいつから開催されるのか見ていなかった。


 雪菜とパートナーになった今、模擬戦へのエントリーをしておいたほうがいい。


「来週の火曜からだぞ、対戦相手の発表はその前日の正午に行われるから、ちゃんと見とかないとヤバイからな」


「いつまでにエントリーしなきゃいけないんだっけ? まだ昨日の今日だからなんもできてね〜」


「そりゃそうか、締め切りは明後日までだから、気おつけろよ」


 模擬戦はエントリー方式なため、ここでエントリーしていないと模擬戦に参加できない。


「雪菜さんと話とかないとな、まだあれかコネクトで連絡先しか交換してないし」


「あの柊とコネクト交換したのかよ! 男と交換した話初めて聞いたぞ! 昔に男と交換して随分つきまとわれたって話は聞いたことあるけど、それ以来初じゃないか?」


 雪菜を好む男子学生は多く、過剰に接近したいという男性がストーカー行為を行ったのだろう。それ以来雪菜は男性との接触を控えているらしい。


 だが決闘でなら雪菜は応じてくれるため、それにより男子学生は雪菜に決闘を挑む者が多くなった。


 雪菜は挑まれる全ての男子学生と決闘をし勝ち続けた、その結果序列六十位にまで上り詰めた。


「そうなのか? 」


 雪菜は前に俺を助けてくれた事はあったが、多分あれは善意でしかないのだろう。ああいうところがモテる理由なのだろう。


「俺が知ってる限りではな」


 情報量を持っている真也が言うことはまず間違い無いだろう。


 話していると、始業のチャイムがなり、三枝が教室に入ってきた。


「お前ら、席につけ! 出席を確認す……」


「あぶねー、セーフ」


 チャイムがなり終わるギリギリで、日向が勢いよく教室に飛び込んできた。

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