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クロッシングワールド  作者: たぬきいぬ
第一章     序章
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第十一話 不穏な気配

 学校の生徒が多くいる中、一際目立つ生徒の集まりがそこにはあった。


 ガラの悪い連中の中心は道長、昨日女の子に迫り俺をアーツで暴行したメンバーの中心人物。

 長道が実際に俺に危害を加えたわけではないがメンバーの一人で間違いない。道長はこっちに近づいてくる。


「昨日はダチが迷惑かけたみたいで悪いな。怪我はなかったかな無能くん」


 謝ってはいるが悪いとは思っていない態度。喧嘩を売っているとしか思えない。


「いいよ別に俺も目的を果たせて感謝してるんだ。」


 道長に少し威圧的な態度で答える。


「これからは俺たちに関わらないでくれ。」


 俺は『俺たち』という言葉を使いそこに雪菜も含まれていることを強調する。


 雪菜もこの言葉を聞き集の近くによる。この態度に道長は苛立ちを見せ始める。道長は俺の目の前まで近づき耳ものとで小さく囁く。


「調子こいてんじゃねーぞ。これで終わりだと思うなよ」


 道長はこの先何かしてくるような言葉を残し校舎の中に消えていった。


「何だあいつ知り合いか? 昨日なんかあっん?」


 日向はいつもの雰囲気で話すが俺を心配していることは伝わってくる。


「いや何にもないよ、雪菜さんを探していた時に少し話しただけだ」


 少しの嘘と本当のことを日向に話した。心配させないための気配りだ。雪菜も俺に合わせるかのように日向と話す。


「昨日たまたまバイト帰りの集くんと会った時あの人もいただけだよ。クラスメイトだから話さないわけにもいかないしね」


 雪菜は集の気持ちを悟ったのか日向にそう話した。そのまま集たちも校舎の中に入りそれぞれのクラスに向かう。


 AクラスとFクラスは反対側の位置にあるため雪菜さんとはここで別れる。


「じゃあね雪菜さんそれと風音また」


「雪菜、風音まあ後で~な〜」

 集と日向は雪菜と風音に別れを告げる。風音はBクラスに所属しているため俺たちとは逆方向だ。


「ばいばい集くん、日向さん」


「それではお嬢様また後で」


 それに雪菜と風音も答えた。


(俺には何もないのかよ。まあいいけど)


 風音が俺を目の敵にしていることは日向も知っているためそこはスルーしていた。


 雪菜と日向は方向が同じなためそれぞれの教室に向かう。俺と日向は同じFクラスなため並んで教室へと歩く。


「そういえば何で日向はFクラスなんだ?お前の実力ならAクラスくらい余裕だろ」


 日向はボーイッシュな喋り方ではあるが学力・能力共に優れた学生だ。だがFクラスにも優秀な生徒は配属される。


「まあクラス分けはある程度ランダム要素あるからな~。私ならAなんて余裕だけどまあ色々あるんだろ」


 学園のクラス分けもどういう風に決まっているのかは生徒にはわからない。教室にたどり着きそれの席に着く。


「よっ集。今朝は雪菜さんと登校とかやるな~〜」


 真也は集の前の席のため俺が席に着くや話かけてきた。


「やるな~って。なんもねーよ。ただあのペンダントは雪菜……柊さんのっだっわ。」


 真也に『雪菜さん』なんて言っていることがバレたら面倒臭いことになりそうだ。ペンダント探しに協力してくれた真也に一応結果だけは報告しておく。


「『雪菜さん』とか集お前どんだけ距離近づいてるんだよ。まあペンダントの持ち主が見つかってよかったな」


「その件はほんと助かったよ。いろいろ当たってくれてたみたいだな。ありがとよ」


 真也は友達思いで手当たり次第ペンダントの持ち主を探してくれていたらしい。ある程度のことは日向から聞いていた。


「それより最近女の子が眠らされる事件が起きてるらしいぞ。睡眠薬を嗅がされて意識を失うらしい」


 世間では行方不明者が出たり、睡眠薬を嗅がされるなんてことが起きている中、俺は不良に囲まれボコボコにされる始末。


「俺たちの学園で被害者とか出てんの?」


 そんな事件があれば普通ならニュースにでもなるはずだ。まだ学生の間での噂でしかないのだろう。


「うちではまだ出てないみたいだけど、この学区内での事件らしいな他の学区ではその話は出てないみたいだ。」


 俺たちの学園があるこの第三学区内での事件ということは犯人はこの学区にいるのだろうか。他学区で事件が起これば犯人の幅は広がるのだろうが、この学区内でならばかなり絞られるだろう。


「まあ俺の能力でわかる範囲の情報だけだけどな。こんなことにしか使えないけどな。」


 真也は苦笑いしながら俺に話す。真也の能力は聴音能力。ある一定の場所を指定しその場所の音を聞くことができる。


 戦闘向けの能力ではないため本人はあまりよく思っていない。『男ならやっぱり火を出したり剣で戦ったりだろ』とか言っていた。


「まあ、いつかいい使い道があるさ」


 俺にとって能力があることが特別なのだ。何もない俺には自慢話にしか聞こえないが、真也とのこの会話には嫌な思いはしない。


 この島に来てからの付き合いだ。特に何か感じることもない。そんな他愛もない会話も終わり始業のチャイムが鳴る。それぞれが真剣に授業を聞く中、俺は別のことを考えていた。


 今朝真也が話していた睡眠事件のこと。学区内で起こっている事件なだけあって、自分自身みじかなことに感じていた。


 昨日不良に絡まれ、普段ではあまりない経験をしてしまった俺は、こういった事もみじかに感じてしまうのだ。


 日向や風音は運動能力も高く、風音に関しては警戒心がひときわ高い。日向や風音を心配する必要はないのだろうが、雪菜は人当たりがいいあたり騙される可能性がある。


 そこから想像される事はあまり考えたくはないが、雪菜ほどの能力者ともなれば心配する必要はないだろう。だが心のどこかでは何かが引っかかっていた。

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