表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

お嬢様はわがままです!

「工藤、これも。」


 私は両手いっぱいに大量の服を抱えている。


「工藤、これも。」


 お嬢様と私は、ショッピングに来ている。


 既にお嬢様が選んだ服で、私の視界が遮られている。


 お嬢様は、2つの服を手に取っている。


「ねえ工藤。これとこれ、どっちがいい?」


 お嬢様が私に尋ねられる。


 これは、絶対に外すことが許されない2択だ。


「あの、お嬢様、すみません。その、お嬢様の選んだ服で視界が遮られて、見えないのですが。」


「はあ!? そんなの根性で見なさいよ!」


 お嬢様はいつも私に無理を……ごほんごほん!

 少し厳しい助言を下さる。


「は、はいい!」


 私は服を抱えながら、なんとか、2つの服を見る。

 

 青いフリルのワンピースと、ピンクのシンプルなワンピースだ。


 お嬢様はたしか、青が好きだったはず。


「どちらもお似合いだと思いますが、青い方が、よりお似合いになると思います。」


「へー、青い方ねえ。じゃあ、試着するから待ってて!」


 どっちを選んでも怒られると思っていた私は、少し驚く。


「どう?」


「あ、凄くお似合いだと思いますよ。」


 私は服の山を通してお嬢様に回答する。


「……絶対見えてないじゃないの!」


「す、すみません。想像で申し上げました。」


「ちゃんと見なさいよ! ちゃんと!」


 私はなんとかお嬢様の試着した姿を見る。


 色白のお嬢様には、青いワンピースがとてもよくお似合いになっている。


「とってもお似合いです! お嬢様!」


 私は素直に感想を述べさせていただいた。


 お嬢様は、「あら、そう。」とおっしゃった。


 お嬢様の頬は、ほんのりながら、ピンクに染まっていた。


「工藤。これ、着て帰る。」


「はい! お嬢様!」


 ようやく、長いショッピングが終わる……!


 お嬢様は、その後しばらく機嫌が良かった。


 




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ