???ちゃんは捕獲したい3
「私は、そう言う意味で言ったのではない。私は人類…ホモサピエンスではないから、お前を呼ぶのに種族名で呼んだだけで」
「そ、そうですよね。神様じゃなくて天使様ですよね!ありがとうございます」
「…まあ、とりあえず面倒だからそれで良い。それよりも貴様のさっき言っていた願いを叶えてやろう」
「本当に!」
「ああ本当だとも」
そう言うと、美少女はニヤリと笑い、宙に浮かんだ。ああ、やっぱり天使様だったんですね。暴言を吐いてスミマセンでした。おお、主よ。
俺は彼女を抱き止めるべく両手を広げる。
さあ、おいでマイエンジェル!
そして彼女は煙突の上から、オレに向かって真っ直ぐに飛び…飛び蹴りを!
「さあ、おブヘッ」
「ふう、何か気持ち悪かったので、つい蹴ってしまった。許せ…」
「ん?おい…気絶してしまった様だな。」
「まあ、丁度いい」とその時、通信が入った。
『タンサ様』
「人造人間107号改か、どうした?」
『今、ゴーグルと日本の官公庁全てのサーバー及び回線を掌握しました』
「そうか…少し遅かったな」
『ハッ申し訳ありません』
「良い、引き続き、この世界の全てのサーバー及び回線を掌握せよ」
『ハッ24時間以内には必ず』
「こちらは検体を滷獲した。データを送る」
『なるほど、大増洋一…フム、独り暮らしで家族も居ない様ですし、キモオタDT非イケメンと素晴らしい条件ですね。性癖に多少問題がないでも無いですが、良いのでは無いでしょうか?』
「うむ、最初に見つけたのが、この男で良かった」
『では、後の手続きはこちらでやっておきます』
「頼む」
『ハッ…私はタンサ様のコンシェルジュですゆえ』
「頼りにしている」
『ありがたき、御言葉』
「メリークリスマスオーバー」
『はい、メリークリスマスオーバー』
「さて、この男の家は南東1200mといった所か、屋根づたいに目立たない様に行って1分程度か…」
そう言って、どこからともなく取り出した白い袋に洋一を詰め込むと、タンサと呼ばれた少女は、10メートル以上は高さのある銭湯の隣のマンションの屋上に飛び上がり、夜闇の中に消えていった。