第7話:戦いの決意
・・・目が覚める・・・。
目を開けるが周りには誰もいない。
俺は小さな部屋のベットに眠っていた。
そうか、俺はシャミューシャにやられて・・・
ガチャッ!
ドアを開ける音と共に、シトリアが入ってきた。
「祐樹さん・・・起きましたか・・・良かったです・・・。」
「どうなったんだ?」
「シャミューシャにやられて、
リータと私で祐樹さんを連れて逃げ帰ってきたのです・・・。」
「な・・・」
「じゃあ・・・・」
シトリアは震える声で言った。
「え?」
「じゃあ祐樹さんが勝ってくれれば良かったじゃないですか!!!私は戦いたくても戦っちゃいけないんです!!
人々のために戦いたいのに戦っちゃいけないんです!!私が死んだら国は国として終わりだから!!!」
シトリアは泣きながら続けて言った。
「貴方のせいです!!!クレパは武器紙を持つシャミューシャの手に落ちました・・・。
何が勇者?!!何がエクサー?!!何の役にも立たない!」
クレパが・・・?
シトリアは散々泣いて、その後落ち着きを取り戻し言った。
「・・・すみません・・・。
そりゃそうですよね・・・。急につれてこられて・・・死ぬような思いまでした祐樹さんにそんなこと言っても・・・」
「俺・・・何も考えてなかった。俺の戦いに・・・
どれだけ大きな物がかかってるのか・・・。
シトリア・・・・・・クレパに、行っていいか?」
自分で始末をつけないといけない。そんな気がしたから。
「ダメです。」
シトリアは強い口調で返した。
「なぜ?」
「祐樹さんが今行っても・・・今度こそ・・・殺されてしまいます・・・。」
シトリアは震える声で言った。
・・・確かに・・・その通りなのかもしれないけど・・・何も・・・しないわけにはいかないよな?
「・・・世界のために死ぬってのも乙なものじゃないか?」
「え・・・本気で言ってるんですか?そちらの世界で言うゲームじゃないんですよ?」
「もう分かってる。でも、俺がやらなくてもみんな死ぬんじゃないのか?」
「・・・。」
「だから俺は行く。自分のけじめは自分でつけなきゃいけないんだよ。」
「でも・・・」
「いいよ。俺は一人で行く。姫様を戦わせちゃいけないんだろ?」
そういって俺は笑った。
「シトリア、武器紙を。」
「・・・渡せません。・・・私も一緒に行きますからね。」
「戦えない姫様守りながら戦うなんて、
ゲームみたいなことできないぞ?」
「遠くから手助けくらい・・・させてもらいたいですね。言ったからには祐樹さんにはとことん付き合いますし、とことん付き合ってもらいますからね?」
そういってシトリアは少し笑った。
「あぁ、じゃあ、行くか。姫様。」
「はいっ!」
元の世界では何もやることがなかった。誰かに必要とされることもなかった。
この世界には俺の力が必要。できることがあるならばそれに答えたい。
間に合うかどうか、俺は世界を救う決意を固めた。