エピローグ
こういうのってエピローグとは言いません。
お気をつけください。
「あのさぁ、何であの時、私が、私じゃないってわかったの?」
咲が、不思議そうな顔で尋ねた。
「だって、あの場所に本当に咲がいるなんて、思わないだろ?」
「・・・それだけの理由で斬ったの?」
「うん。」
「・・・ばーか、死んじゃえ。」
咲は、少し怒った顔で、祐樹の肩を押した。
「痛っ・・・何だよ、別に、助かったんだから良かっただろ?」
夕方、
祐樹と咲は、二人で誰も居ない小さな道路を歩いていた。
「っていうか、さ。」
咲が、少し早足になりながら言った。
「あの子達とは、・・・どういう関係?」
「何が?」
「ほら、そのお姫様とかいう・・・いや、やっぱりいいや。」
「だから、何がだ?」
「んーん、何でもない。」
「・・・そうか。」
「あ、あのさ?祐樹ぃ。」
「・・・?」
「・・・あー・・・ありがとね。今度、パン奢ってあげる!」
「・・・お前の命を助けた対価はパンかっ?!」
「いいじゃん!別に!」
「何がだっ!・・・ってか、おい、待て!」
咲は、手を振りながら、一人走っていった。
「・・・何なんだ、あいつは・・・」
祐樹は空を見上げた。白い雲と赤く染まった空が広がっている。
「帰ってきたんだな、本当に。」
嬉しいような、悲しいような、少しばかりの感傷に浸りながら、祐樹は家の門の前に立った。
「あ、『お隣さん』」
「ん・・・お隣?」
振り向くとそこには、一人の少女が立っていた。
背が低く、笑顔が可愛い少女だった。
「お前は・・・」
「あの・・・初対面だと思うんですけど、いきなり『お前』です?」
「ん・・・あぁ、そうだね。」
そういって祐樹が門を開けると、
「って、ホントに帰るんですか?!何か無いんですか?!
やほーう、ただいま、マイハニー?くらいのこと言わないんですか?!」
「っていうか、・・・何でここに住んでるんですか?」
二人の男女が現れ、女のほうが露骨に嫌そうな顔して言った。
「あ、リータ、それにクロイド。結婚おめでとうね。」
「え、え、えっ!いや、べ、べ、別にまだ決まったわけじゃ・・・」
「そうなのか!リータ!おめでとう!となると、後は姫と俺が結婚すればそれで・・・」
また何処からか現れた少女が言った。
「だめよ、フランチュール。私は、『祐樹っていう人』と結婚するんですから。」
「あらあら!シトリアも大分素直な子に・・・お姉さん嬉しいわぁ〜♪ま、祐樹は渡さないけどね?」
「あのー・・・さっきから・・・お前たちはいい加減にしろよ?!何でいるんだっ?!」
「んー・・・アリシア王子に全部任せてきちゃった。」
「おいおい・・・」
「何はともあれ、『祐樹さん』・・・お帰りなさい!」
そういって可愛らしい少女は、ズイっと背伸びをして、祐樹の唇にそっとキスした。
祐樹と少女は、顔を見合わせて笑った。
・・・祐樹が二人の少女に其々の理由でボコボコにされたのは、それから程なくしての話だ。
というわけで、
『あおのクラウドしろのスカイ』
5ヶ月間に渡る執筆が終了しましたー!
途中、色々ありましたが、
・・・それは、この後の執筆後記で語られます。
ではでは!
お暇でしたらこの後の執筆後記をご覧ください♪