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最終話:あおのクラウドしろのスカイ

本当に・・・すみませんでしたー!

やっと最終話です!いよいよです!

一ヶ月も更新空きましたけど、やっとです!

「あ」

「ん・・・」

「おお」

「ふぅ」


四人其々、適当な言葉を口にして出会った。


何故だか増えてる、二人ほど増えてる。

「えーっと・・・どちらさまで?」


俺は、フランチュールと一緒に来た男に向かって言った。

「俺は、・・・ま、自己紹介はこのくらいにしようぜ。」

「いや、名前すら言ってないだろ。」


「こいつは、アリシアって言うんだ。敵じゃないらしいから、安心しとけ。」

フランチュールが代わりに言った。


「それと・・・」

俺が、リータの隣にいる男をちらりと見ると、リータは言った。

「あ、この人は、この前言った・・・」

「あぁ、あの人か。」

あの、リータと一緒に俺のほうの世界に来てたって言う・・・

「クロイドだ。」

って言うんですか。


「早く行きましょう。時間がありません。」

シトリアが、遠くを見ながら行った。

リズレバークがあったはずのところが、クレパと同じように真っ黒に消えているのが見えた。


「・・・そうみたいだな。早く行こう。どっちに行けばいい?」


「ここを真っ直ぐですぅ〜♪少し先に変な建物が見えましたぁ♪」

ヴェイが言った。何故だかシトリアが少し不快そうな目で見ている。

『さっきまでと全然態度が違うじゃない?』とでも言いたげだ。


「よし、じゃあ行くか。」


7人と1冊は歩き出した。


辺りは一面の森。彼方此方に枝分かれしていた小さな道が、俺たちの出会ったところで一つに纏まっていた。

日はまだ、昇り始めたばかりだ。



「アリシア。お前って、何者なんだ?」

俺は、歩きながら言った。


「んー・・・なんだ、世界の主の配下の中ボスってとこだな。」

「マジか?!こいつ、思いっきり敵だろ?!」


「この人は・・・この国の王子ですね。」


・・・はい?


「ん・・・何、どういうことだ?」

シトリアの発言に、俺以上に驚いているのは、アリシアだった。


「いやいやいや、待て、何?俺が何?何だって?ホワッツ?」

「貴方は、正式な私の兄です。まぁ、勘違いじゃないならですけど。」


「勘違いじゃないですぅ〜!我が兄よっ!」


あ〜、何かややこしく・・・


「あー、そうなの、マジ?俺、何か頭痛くて帰りたいんだけど。」

「事が済めば、家のふかふか過ぎて体全部が埋まって抜け出せなくなるようなベッドで苦しみさえ覚えるほどに眠らせてあげますよ。」


アリシアが若干夢うつつで、使い物になるのか微妙になっている中、俺はシトリアに聞いた。

「なぁ、それってマジなのか?」

「えぇ、本当のことです。よく見れば私たち、似ているでしょう?」


俺はシトリアとアリシアを少し見比べた。

・・・確かに・・・似てる。


「まぁ、安心してください!ご主人様っ!私と結婚すればご主人様が王子様で将来的には王様ですからぁ〜♪」


「け、結婚?!そ、そんな、いきなり何を言い出して・・・」

俺より先に驚いて声をあげたのはシトリアだった。

さっきから驚くタイミングを奪われているのは気のせいか。


「何、本気で言ってるの?第二王女は私だし、シトラスは第五王女・・・何で?私なら分かるけど、

シトラスじゃ、せいぜい第五王子・・・いや、でもシトラスは私の姉だし、ちゃんと王家の血を受けてるし・・・

嘘、だよね、ありえないよね?ないないない、絶対ない。そんな急に・・・

え、でもでも、本当に?・・・いや・・・えー・・・」


シトリアが何だかブツブツ言っているが、そのうちフランチュールが言った。


「アレか、変な建物ってのは。」


「あー、はい!そうですぅ〜♪」


あー、確かに少し離れたところに・・・うわ・・・確かに変だ。

何あれ、ゴミ山?



「何、マジ、本気で言ってるの?シトラス。

いきなり結婚とか、何言い出すの?ありえなくない?信じられない。

何これ、ドラマ?こんなノリってありえないでしょ?」



・・・シトリアが変な状態ですが、いよいよ突入です。



――――――――



「さぁ、入るか。」

フランチュールが、意気込んでドアを開いた。

ドアっていえる代物なのか、何か、穴に蓋がしてあるみたいだが。


「やはり、あいつ等は使い物にならなかったようだな。」


「お前は・・・!」

驚きだ。まさかあいつが・・・

周りは驚いていないが俺にとっては衝撃の事実なんだ。



「浩太・・・何で、こんなところに・・・?」


「久しぶりだな、祐樹。俺に黙ってこんな世界に来てたなんてなぁ。」

浩太は入ったところの部屋の中心で、黒い服を着て立っていた。


「こんなつまんない『失敗作』の世界で、よく飽きずにいられたもんだ。」

浩太はヘラヘラと笑いながら言った。


「・・・どういう意味だ?」

「そういう意味だが、何か文句でもあるのか?」


「ある。当然あるよ。

この世界はちゃんと動いている。人もいるし、物もあるし。何でお前にそれを壊す権利がある?」


「俺が作ったからだ。俺が作ったものを俺がどうしようと、俺の勝手だろ?」

「そんなの・・・いい訳ないだろ・・・。この世界に住む人にも俺たちの世界に住む人にも、感情はあるんだ。

お前の勝手で壊されて、誰がいい気持ちになれる?」


「くだらないな・・・やっぱりお前はもうこの世界の人間だな。微塵の価値もない。」



「微塵の価値もねぇのは・・・お前の方じゃねぇのか?」

フランチュールが、銃を浩太に向けながら言った。


「フランチュールっ・・・!」


「悪いな、祐樹。知り合いだか何だか知らないが、こいつは生かしちゃおけない。」

フランチュールが引き金を引くと、大きな銃声が鳴り、浩太に命中した。


「・・・くく・・・弱い。弱すぎる。所詮この世界の人間だ。俺を何だと思っている?

この世界で一番強い邪族だぞ?お前ら如きの描く武器にやられるとでも?」



「浩太・・・何でお前はこっちの世界に居たんだ?」

俺が言うと、浩太は少し驚いた顔をして、すぐにまたニヤっと笑うといった。


「昔話か?いいぞ別に、俺は全然余裕だからな。」

「質問に答えろ。」

俺が冷たく言っても、浩太は緩んだ顔を締めずに言った。


「それはな、お前が居たからだ。後で面倒になりそうな芽は、早いうちに摘んでおきたかった。」

「じゃあ、何故やらなかった?」


「それは、誤算だったよ。そこに居る女が学校に来たとき、

てっきり祐樹を連れて行くのかと思っていた。二人が一緒になったときに纏めて・・・って考えてたんだけどな。

いつの間にか祐樹だけが居なくなってた。」


「・・・それだけか?」


「何がだ?」

「お前と会って3年以上、それしか考えてなかったのか?」


「・・・さぁな。自分でも分からない。・・・やっぱりつまんないな、昔話はやめだ。もう、終わらせる。」


そういうと、浩太は黒い光を帯び、腕が、真っ黒で禍々しい刃のようになった。

「ちっ・・・化け物が・・・」

フランチュールが、また浩太に銃を向けた。


俺はそれを腕を広げ静止した。


「祐樹・・・てめぇ、何してる?」

「悪い、フランチュール。少し、下がっていてくれるか?」


「なっ・・・」

「頼む。」


俺がそういうと、フランチュールは、ゆっくりと後ろへ下がっていった。


「バカか?祐樹。お前一人で、何をするんだ?」

「決まってるだろ?全てを終わらせてやるんだよ。」


後ろのほうで、フランチュールとアリシアがくすっと笑った気がしたが、気のせいだろう。肝心なときだし。


俺はポケットから紙とペンを取り出し、描いた。

シャミューシャと最初に戦ったときに描いた、聖剣エクスカリバー。

只その場にあるだけで邪悪を滅するような、神々しい輝きが辺りを包んだ。



「面白い・・・流石、俺が目をつけておいただけのことはある・・・か。」


「さぁ、来いよ。」

俺は指をクイッと曲げていった。


「んじゃ、遠慮なく・・・っと。」

浩太は俺に向けて突進を・・・って、え?


「っつ!!・・・げほっ・・・」

見えない、何も見えないうちに俺は壁にたたきつけられていた。


「何、どうした?ふざけてたら、死んじまうよ?」

浩太はいつの間にか俺の目の前に現れ、ふふんと鼻で笑った。


「うる・・・せぇ!」

俺は輝く剣で、目の前の浩太を突いた。はずなんだけど・・・。


「何をしてるんだ?滑稽だな、本当に。」

いつの間にか遠くに離れていた浩太は俺を見て、大声で笑った。


「滑稽なのは・・・お前だよ。」

「チャージ完了っ!お疲れ様です、祐樹さん!」


シトリアがニコッと笑って引き金を引いた。

肩にバカみたいにでかいバズーカ砲を乗せて、端でずっと構えていたのだ。


「なっ・・・」


バズーカから、熱線が発射され、それは浩太に見事命中した。


「・・・・・・終わった?」

熱線は浩太を突きぬけ、建物の柱をも見事に破壊していまし、うわわわ!!!


「早く出ないとまずいぞっ!」

俺の声と共に、一斉に七人と一冊は穴のような入り口から外へ飛び出した。

それから数秒後、建物は大きい音を立てながら崩れた。



「・・・終わった・・・か?」


「あー、やばい、マジで死ぬかと思った。でも、足りないわ。お前ら。」

・・・終わっていないようだ。


「いいものも落ちてきたしな。本当はこういう手は好かないんだが。」

浩太は瓦礫の山の頂点で、誰か人間を抱えていた。浩太の腹は、熱線で大きな穴になっているが、痛そうな素振りはない。


「祐樹・・・祐樹なの?!」

その人間は俺の名を呼んだ、聞き覚えのある声だ。

「咲・・・か?!」


「おー、感動の再会か?ま、そんなの知ったこっちゃないけどな。」


浩太は刃になっている腕を咲の首に突きつけ、ふふんと笑い、大声で言った。


「よーし、今からゲームをしようか。本当は暇じゃないんだが、最後くらい楽しませてやろう。

俺は今からこの真下に、俺のできる限りの一撃を打ち込む!それがこの世界の終わりだ!

それを止められたらお前らの勝ち、止められなかったら・・・言わなくてもわかるよな?」


浩太は体全体を邪族の姿に変えながら言った。声は野太い声へと変わっていく。

「制限時間は1分だ・・・お前らは俺を止められるか・・・?」


そういうと、浩太は力をため始めた。浩太の周辺はどんどん黒に染まっていく。


「ちっ・・・」

俺は、瓦礫をよじ登り始めた。

間に合うかは知らないけど、四の五の言ってられない。


「祐樹さん・・・どうやら祐樹さん一人にお願いすることになりそうです・・・」

シトリアが言った。

周りを見ると、信じられない量の邪族に囲まれていた。

ひぃ・・・ふぅ・・・みぃ・・・では到底数えることはできない、100ずつ数えても時間がかかるほどだ。


「早く行ってください!」

リータが何匹もの邪族を同時に切りつけながら言った。


俺は黙々と登る。・・・ってか無理だろ!この高さは!

足場も悪い上に距離も大分ある。


「よっし、これでオーケー。クロイドさんとやら、手伝ってくれるな?」

「おうよ。」


「一・・・二の・・・三!」

ズガーン、ボガーンってな音と共に、俺の目の前で大爆発が起こりました。

果たして、あいつ等は誰を殺そうとしているのでしょうか、俺でしょうか。


どうやら、大砲のようなものをぶっ放したような二人は、辺りを見て「成功だ!」と俺にガッツポーズを見せた。

俺が前を見ると、さっきまで相当な高さだった瓦礫の山が、大砲で消滅・・・というか、吹っ飛び、落ちた浩太が物凄く近くまで来ていた。



「もうちょっと別の狙いどころがあったと思うんだが、ありがとう!」

俺はそう言ってまた急いで登る。


そして、俺の体は浩太の発する黒い空間へと吸い込まれていった。


「何処?ここ。」

「祐樹・・・祐樹なの?」


暗闇で誰かが俺の手を掴んだ。声からすると・・・咲か。

それにしても手が、氷のように冷たい。


「早く、真っ直ぐ行けばいるから!」

「あ、あぁ。」


俺は何故か平面に変わっていた道を走った。


すると、黒よりももっと黒い黒と言うべきか、禍々しい何かがいた。


「早く、早くあいつを殺して!」


俺はエクスカリバーを力強く心臓に突き刺した。







「・・・何・・・で・・・?」


「・・・。」


「何で私を斬るの・・・?祐樹ぃ・・・何・・・私・・・何か悪いこと・・・したの・・・?」


「・・・お前の負けだな・・・・・・浩太。」


黒い空間が一瞬にして消えた。



上を見上げると、青い雲と、白い空が、何処までも続いていた。



改めまして・・・本当に申し訳ございませんでした。


次回予告。次回はエピローグです。

とりあえずエピローグで本編は終了です。


今まで本当にありがとうございました!

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